曲解された効率は良識を壊す
最近、「効率」という言葉に違和感を感じます。少ない労力で多くの結果を残すと「効率が良い」と褒められます。ただしこれはあくまで見える範囲での話です。本当に効率の良い人は、業務時間外に必死に努力をしていたりします。その時間も含めて考えるのであれば、時間に対しての結果が必ずしも割に合っているとは言えない。後先を考えずに目先の結果を出しただけでも「効率が良い」と言われることもある。
純粋に「少ない労力」で「大きな結果」と考えると、「少ない学習時間」で「最大限の効果を上げる」というのが効率ということになってしまいます。これを読んでいる真面目なエンジニアの方は「そんなバカな」と思うかもしれませんが、これは事実です。「ビジネス」→「効率化」→「少ない努力で最大の結果を出す」→「時間を与えると怠けるから効率が落ちる」→「とにかく仕事を詰め込んで利益を上げる」・・・という無茶苦茶な思考パターンをする人は多いです。
むしろ、「ビジネス」→・・・→「仕事詰め込んで利益を上げる」と考える人の方がメジャーかもしれません。仕事を詰め込むのが自分ではなく他人という、たちの悪い事例もよくみかけます。ビジネスの考え方を突き詰めて、仕事を詰め込むという選択肢にたどり着くのは分かります。ただ、突き詰める過程で人として大事なものをどこかに落っことしてはいないか心配になります。突き詰めたつもりが、自分の内面の汚い部分をさらけ出しす結果になってはいないでしょうか。
少ない労力で大きな稼ぎを効率というなら、詰め込みほど非効率なものはありません。やっているのが人間なので、必ずスタミナ切れを起こします。ただ、数字しか見ない人だと「おかしい。できるはずなのになんで結果がでないんだ!」と憤慨します。ビジネスは数字が全てと語る人ほど、こういう間違いを犯しやすいです。良識は甘ったるいヒューマニズムではなく、人をうまく活用するための観点の一つというだけです。
効率というのは短距離走のスピードの出し方に似ています。その走っている瞬間だけ見れば凄い速度ですが、準備に手間がかかっていたり、一回の消耗が激しかったりします。効率を上げたい人のイメージと現実に大きな開きがあるように思います。頑張りや根性の類いのものは、効率に直結しません。むしろ、力を抜いて省けるものを省いていくことの方が効率化に繋がります。激高して問題が解決すほど現実は甘くありません。
コメント
スーパー通りすがり
おっしゃる通りです。
週休6日で年収1億円もらえるまで効率化したいですね
Horus
> スーパー通りすがり さん
そんな効率化がちまたで横行したら、円の価値が崩壊します。
ただ、お金の価値の崩壊で価値観が変わって、案外、ユートピアになるかもしれません。
匿名
効率を曲解されてますよ!
皮肉の通じない人は無敵ですね!
スーパー通りすがり
旧石器時代、新石器時代、奈良時代、江戸時代、現代
世の中は右肩上がりにユートピアになっていくものなのですよ。
Horus
> 匿名 さん
コメントを読んでいると、皮肉なのか本気(マジ)なのか分からない内容がよくあります。
> スーパー通りすがり さん
ただし、波打ちながらちょっとずつユートピアに近づくので、歴史をよく勉強しないと分からないかもしれません。
s.yama
少ない労力で結果を得る、というのを、どの言語のどの技術に投資するか、を考えて学んでます。
自分は結構なJSのエンジニアで、以前はVBAも極めていました。VBAや.NET系に投資しても、なかなか収入という結果を得るのはつらいと思います。今ならPythonでAIは投資するのはありですよね。JS ReactやVueなんかももちろん稼げます。
PHPやRubyやJavaなどを今学んで投資している人は、効率考えてないよなー。と思ったりします。
Horus
> s.yama さん
VB系は納得です。あと、Javaも今更感を感じます。