UIとUX
前回を要約すると「デザイン」とは「問題解決のためにヒトモノカネの再配置をすること」で、「目的がある」ものである。
単なる図画や立体物の形状レベルの話で「デザイン」と呼ぶと認識違いを起こすので要注意、ということでした。
で、特にWebエンジニアなどに関わってくる話として、「UI」と「UX」という話が出てきます。
@ITの記事でもちょいちょい見つかってくるけども・・・https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1303/05/news014.html
インターフェイスについて
人間とメディアの中間にいて、人間との接点になる部分を「インターフェイス」と言います。
(なお吹越、大学の研究室時はヒューマンインターフェース研究室でした。研究内容的には感情音声付自動朗読のためのパラメータ判定法でした。人工知能研の先生が退職されてヒューマンインターフェース研に統合されたんですねん。余談でした。)
で、このインターフェイス、ものによっては明らかにユーザーアンフレンドリーなんですよね...。
例えばキーボード。人間とコンピュータの中間に位置するタイプライターの流れを組む超長生きのインターフェイスですが、QWERTY配列なんてわざわざ修業しないと覚えられませんって...(吹越の場合はパソコン部だったから中1くらいから練習してガチ20年選手ですが、いまだにワープロ検定基準だと3級くらいですよ?)
その点でいうとフリック式入力や音声入力は人を選ばないで済みますね。
まぁ・・・慣れたら早いんだよ、という慣れるまでの習熟をどこで担保する年という別の話が生まれてくるわけですが・・・。
ちなみにキーボード練習のフリーソフトはいっぱいあるのでうまくやるといいと思います。結局のところホームポジションができるとQWERTYキーボードでは早いですしねー。
個人的にはいきなり全キーボードからアルファベット探しさせるのは時間の無駄が多いと思うので、ホームポジション、上段、ホームポジション+上段、下段、ホームポジション+下段、アルファベット全面、数字、ホームポジション+数字・・・とレベルアップできるソフトで練習するべきと思っています。
オススメソフト→mikatype https://sun.ac.jp/prof/hnagano/mikatype/mika.html
ボールマウスも埃でセンサーの反応が鈍くなるし...
マウス自体動かす幅が大きくて机の端っこまで持ってってから持ち上げて移動とかざらですし。
トラックボールになって腕全体の移動が減ったと思ったらボールの埃問題が再発するしw
タブレットとして直接タッチスクリーンが広がったのは良いUIだと思います。
ちなみに今主流のモニターとかに画面表示するUIをGraphical User InterfaceでGUIといいます。
ハッカーときいてよくでてくるような黒画面に白(あるいは緑)の文字がずらずらならんで出てくるのはCommand Line Interface あるいはCharacter User Interfaceといいます。
人間が直接操作する際にはGUIの方が楽な場合が多いですが、条件分岐によるプログラム同士の相互干渉する場合はCUIの方が便利なので、CUIに怯えないで操作できるようになるのがエンジニアとして最初の一歩のひとつかと。
ちなみにCUIのイケテナイところとして、やりたいことに対してコマンド覚える必要がある(見ただけじゃわからん)というのがある。
最近の記事だと脳味噌に電極刺して文字を書くイメージをしてもらうことでちょっと遅いながらもアルファベットの入力識別ができたらしい。
https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/2105/26/news099.html
https://www.nature.com/articles/s41586-021-03506-2
他に、コンピュータから人間に出力するほうのインターフェイスとしてはスピーカーとかがあります。
これの辺は値段と品質がほぼ正比例と言って良いでしょう。改造は自己責任で。
嗅覚は割と原始的な感覚なので、「嗅覚の基本セット」のようなものが作れていません。薔薇の香り、ジャスミンの香り、と個別出力ができてもダメなんですね。これを越えるには空気からその場で芳香族分子をほぼノータイムで十分な量合成する必要があるのに近いので難しいです。
最初期のVRMMO物の小説「クロス·クロス 混沌の魔王」なんかでも技術的理由で嗅覚の再現不可でしたが、リアルに照すとこんな理由です。
ちなみにここまでコンピュータと人間のインターフェイスの話を中心にしましたが、車のハンドルとかペダル等もインターフェイスに該当します。
そういう意味だとDDRのステップコントローラーや太鼓の達人の太鼓コンとかもインターフェイスです。
ユーザーエクスペリエンス(UX)
ユーザー体験と言う用語で訳されることの多い用語ですが、つまるところレビットの「ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく穴である」ような感じ。
世の中の大多数のスマホユーザーがスマホでやりたいのは動画やインスタをみること、友人とおしゃべりすること、ゲームアプリをすることであってプログラミングやブログの長文を書くことじゃない。(尚今この文章はスマホと持ち運び式キーボードにて書かれている)
最終的に価値を持つのは思い出だったり体験であって、不快な体験をすると坊主憎けりゃ袈裟まで憎いになっちゃうぞ、という話。
このUXがUIとセットで語られるのが多いのは、クソUIはクソUXに繋がってしまうからです。この場合「話の長い校長」が生徒の「よくわからん長話を聞かされた」体験から嫌われるような感じ。一事が万事。
UX/UIをデザインする
で、最初のデザイン孝に戻ってくると、「解決したい問題」を人物金を使って問題が起きない状態に修正したい。このとき、「問題が起きない状態」という体験を進めるために人間にとって使いやすい形状等の接点とする、という大枠が出来上がるわけです。
なので例えば「ECサイトでの売り上げを伸ばしたい」という問題があった際に「多くの人間の目に触れれば良い」とするのか「見に来てくれた人の購入比率を上げたい」のか「元々この商品を知っている人のリピート率を上げたい」なのかで要求されるUXが異なるので、それに合わせたUIを作っていってあげないといけないよ、というところに落ち着いてくるのだ。
ちなみにこの手の指標となる数字をKPIと呼び、何を重視するかが方針決定の根幹となるためここをハンドリングするのが管理職の仕事である。
UIの失敗した例として
私が決めた要件通りにシステムを作ってもらいましたが、使えないので訴えます
と言う悲しい実例もあるからね・・・。