海外経験なしで通訳案内士!ガジェット活用による英語学習法!

ガジェットを活用した英語の勉強法

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 @IT自分戦略研究所エンジニアライフの読者のみなさま、初めまして。“中小企業案内士”を標榜する、中津山 恒(なかつやま ひさし)です。

 本連載では、留学、駐在、英会話学校通学を経験したことのない私が独学でTOEIC 950点達成と通訳案内士(英語)試験に合格した、ガジェットを活用した効果的で効率的な英語の学習法をご紹介します。

 ひとくちに英語の勉強と言っても、何をやりたくて、どのような能力を、いつまでに、どれだけの時間と費用をつぎこんで身に付けたいのかによって、方法論は変わってきます。

 巷には英語の勉強法に関する情報や教材があふれかえっていますが、このような観点から体系的に記載したものは寡聞(かぶん)にして知りません。また、ガジェットについても、単に道具もしくはコンテンツの紹介に終わってしまっているものがほとんどのように思われます。例えば、iPhoneやiPod touchを使おうとか、それらに入れるコンテンツのCDやPodcastの提供や紹介といった具合です。

 本連載では、実践的なガジェットの利用方法に加えて、英語を学ぶことのビジョン、戦略、実行についても解説していきたいと思います。ガジェットはあくまで道具ですが、道具は戦略を変えます。ガジェットの選択、活用方法、コンテンツについて、狙い、効果、活用の勘所を解説します。また、ビジネス書なども含め、英語を学んで行く上で参考になる書籍の情報も記載する予定です。

 読者の皆さまのご興味を考えて連載していきたいと思いますので、フィードバックいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

■英語学習にガジェットを使うわけ

 英語学習にガジェットが有効だと考える理由は、大きく2つあります。1つは、携帯性がよく、場所に制約されることなく勉強できること。そしてもう1つは、デジタル機器ゆえの機能性により、効果的、効率的に能力を伸ばすことができることです。

 勉強しようと思ったときにまず問題になるのは、時間がないことでしょう。1日は24時間しかありません。勉強時間を確保するには、普段やっていることを効率化するか、睡眠時間を削るしかなさそうに思えます。しかし、通勤途中や移動時の電車の中、昼休みなど、ガジェットを活用することで、ちょっとした隙間時間にも勉強ができます。歩いているときや、家事をしているときにも、聴く、話すという練習が可能です。この場合にとくに重要なのは、軽く、かさばらないことです。

 さらに、デジタル機器ならではの機能があります。例えば私が使っているICレコーダーは、ピッチを変えることなく再生速度を変更できます。電子辞書には、複数の辞書を同時に検索できる横断検索機能、辞書を参照中に孫引きできるジャンプ機能、覚えたい単語をマークする単語帳機能、検索したエントリーを記録する履歴機能があります。これらはすべて、デジタルのなせる技です。

 時間を捻出し、効果的、効率的に英語を学ぶために、ぜひガジェットを活用したいものです。

■自己紹介

 具体的な学習方法をご紹介する前に、まず自己紹介させていただきます。

 私は1987年に大手事務機器メーカーに入社し、以来、一貫してソフトウェア関連の研究開発に従事しています。2013年4月、中小企業診断士として登録され、会社の許可を得て中小企業診断士としても活動を始めたところです(中小企業診断士は、5年間で30回の指導実績がないと維持できない資格なので、活動が必須です)。

 冒頭で「中小企業案内士」と名乗ったのは、中小企業診断士と通訳案内士(英語)という資格を保有しているからです。その理由は、

  • 中小企業診断士には不思議とIT業界の人が多い。ソフトウェアエンジニアとしてはやや変わった経歴の私でも、あまり差別化を図れない
  • 海外展開等の中小企業支援の上で英語が必要となる局面がある。その一方、通訳案内士でもある中小企業診断士は少ない

ということで、もっぱらマーケティング戦略上の呼称です。

 先ごろ惜しくも亡くなられた「流通ジャーナリスト」の金子哲雄さんも中小企業診断士でしたが、メディアに登場するときには、この肩書きで通したそうです。理由は、他にそう名乗っている人がいないから、ということでした。

 金子さんを見習って、自分の得意領域を“ブルーオーシャン”として作り出し、そこで多少キャッチ―な肩書きをひねり出してみました。

 本ブログでは、タイトル通り「ガジェットを活用した英語の勉強方法」をご紹介していきますが、まずは私と英語についてご紹介します。

 私は、語学に関する唯一の国家資格をもつ通訳案内士であり、TOEICの最高スコアは950ですが、英語は好きでも得意でもありません。これは決して謙遜でも嫌みでもなく、今でもできれば会話は避けたいと思うほどです。

 通訳案内士の二次試験は、質問で求められている日本的な事柄を説明できればよいので、対話は必要ありません。説明一辺倒と言ってもよいでしょう。TOEICは、ご存じの通り、聴く、読む力だけが求められます。通訳案内士の二次試験も、TOEICも、会話力を求められる試験ではないのです。

 ですから、一見すると私は何の苦もなく英語の能力を習得したかのように思われるかもしれませんが、むしろ非常に学習時間をかけて、いまだに会話能力が十分ではないという「英語に愛されないエンジニア」の一人なのです。

 間違っても、人気ブログ「英語に愛されないエンジニア」のための新行動論の作者、江端智一(えばた ともいち)さんが「私はあなたが嫌いです」という決め台詞を浴びせるような「英語に愛されたエンジニア」ではありません。

 新入社員時代には、彼女(現在の家内)の前で、当時の上司から「こいつは会社では偉そうなことを言っているが、英語は全然できん!」と罵倒された苦い経験があります。「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」系(粘着気質?)の私は、若いときには「なにくそ!」と、気合と根性で英語に取り組みました。

 しかし、TOEICのスコアは800点ほどで止まり、例の上司が異動してからは悔しさも薄れていったため、次第に英語の勉強からは遠ざかってしまいました。気が付けば、TOEICを最後に受験した1990年から2007年まで、17年間も受験していませんでした。

 2007年にTOEICを受験したのは、当時、米国人コンサルタントと苦労して会話していたからです。試しに受けてみたら、とくに勉強していなかったのにスコアが上がっていました。

 しかし、その後がいけません。後輩にTOEICのスコアを聞かれて答えたところ、彼がとても申し訳なさそうに「自分のスコアが上です」と言いました。情けをかけられた私は再び臥薪嘗胆モードに突入し、「巨人の星」のように気合と根性で勉強を始めようと思ったわけです。

 とは言え、17年の歳月が流れた間に技術が進歩しましたので、それなりの工夫を凝らしています。それがガジェットの活用というわけです。

 次回からはいよいよ、具体的な活用方法をご紹介します。

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