新米武装派フリーランスプログラマ男子(0x1d歳)

ジャヴァスクリプター #3「コード・オア・ダイ・オン・ザ・デスマ」

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あらすじ: 時はウシミツ・アワー。トヨス・スゴイタカイビルの最上階では、激しい戦いが繰り広げられていた。エスイーを憎み、エスイーを滅せんとする男、ジャヴァスクリプター。対するはシテンノの1人、守護アニマル、グレート・ヤドカリの名を冠せし男、クラウドアーキテクト。戦いの行方は如何に!?  全都道府県を震撼させる、サイバーパンクエスイー活劇!!

【JAVASCRIPTER】

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 KAKEEEEEEN! ブラーザリクエストにサバーレスポンスを返す甲高いBEEP音が響く! ジャヴァスクリプターとクラウドアーキテクトのワザマエは互角!

 この状態ではジリー・プアー(徐々に不利)と判断したジャヴァスクリプターはアジャールの構えに移行! アジャールとは、皮を切らせて肉も切らせて骨も切らせて爆発四散させる、ビハインド背中のコディング・スタイルだ!

「イヤーッ!!」ジャヴァスクリプターのゼロインチ・コディング! クラウドアーキテクトは霞を咀嚼する仙人めいた動きで回避! しかしジャヴァスクリプターは絶え間なくコードを書き続ける!

「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」クラウドアーキテクトは流れるマグロ雲めいた動きで回避! 回避! 回避! 「馬鹿め! 無駄だ! 私のクラウドサバーは自動めいて負荷分散する! 貴様の大量アクセスなど、まったく効かぬ!」「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」

 ジャヴァスクリプターは秒間100LOCというモーレツな勢いでコードを書き続ける! だがしかし、ごく一瞬、ジャヴァスクリプターの集中ステート・フローが途切れた! 血中ジャヴァ濃度が低下しているのだ!

 連戦につぐ連戦によるものか否か? 通常、コディングで低下する必須アミノ成分である血中ジャヴァを補うためには、知的飲料であるハカセペッパー・ドリンクやラムネ・タブレットを摂取するのが常道。

 さもなくばエスイー生産性は低下し、生成されたコードはバグの温床となってしまう。実際、TYPOパーセンテージは刻一刻と上昇していた。このままでは最悪死に至る! カローシ、いわゆるデスマ・ステートだ! コワイ!

 (ブザマよのう、セイジよ)声ならぬ声がジャヴァスクリプターのバイオニューロンに響く。セイジとはジャヴァスクリプターの真の名である。(ダンドリも付けず猛進し玉砕。まことに情けない男だ。実際情けない)

 セイジの中で邪悪なアクティビティが胎動する。(殺された妻と娘も、まっこと浮かばれぬものよな)「黙れ!」セイジは叫んだ。

 しかしニューラルネットに常駐する邪悪プロセス存在はあざ笑う。(このワレの真のコーディングならば、あのようなオケラめいたエスイーに遅れはとらん。カカカカ、防御に自信があるようだが、あのような弱小エスイーのアーキテクチャ、実際甲殻類と同じ程度……)

「黙れ! ゾンビイプロセスめ! まだやれる。私がやる」(カカカ? 何をだ? 何をやるのだ?)「エスイーを倒す! あのエスイーを! エスイー全てを!」(よか、よか)邪悪プロセスが同意する。(エスイー死すべし。全エスイー死すべし)「エスイー死すべし!」(ならば、ワレに体を貸せ!)

「嫌だ!」セイジは抵抗する。邪悪プロセスは笑う。(セイジよ。貴様は実際限界。徹夜明けめいて椅子寝でもしておればよい。ワシが手本を見せてやる。エスイーの中のエスイー、エスイーの王である、このウェブキットエスイーソウルが)「嫌だ!」セイジは幼児めいて抵抗する。

 しかし決死の抵抗むなしく、セイジの意識は溶けていく。コーヒーに入れられたミルクのように、終電後の社内にぼんやり光る非常灯のように、セイジの意識は黒い闇の中へと混ざり合い、溶けていく。しかし何か……セイジの中の絶対に譲れない何かだけが、澱のように残った。

 それは、しごく純粋な…………殺意。

「イヤーッ!!」「何!?」クラウドアーキテクトは一瞬のエスイー判断力によりバック転! ジャヴァスクリプターのXMLHttpRequestが空を切り、ステータスコード404を返す! 「馬鹿な!? もはや限界のはず!」クラウドアーキテクトが驚愕する暇もなく、ジャヴァスクリプターの波状DOMパーサが襲いかかる! 「イヤーッ!!」

「スゥーッ! ハァーッ! イヤーッ!」絶え間なく攻撃を繰り出す一方、ジャヴァスクリプターは深い腹式呼吸! それはまさしくポモドーロ・ジツ! 古代ローマの血を引くシチリア・マフィアに伝わる、一子相伝の暗殺ライフハックだ!! ジャヴァスクリプターの血中ジャヴァがみるみる回復していく! タツジン!!

 そしてついに均衡は崩れた! クラウドアーキテクトの前面に展開されたロードバランサの1つが破壊され、連鎖的に名前解決が連続失敗! クラウドアーキテクトは必死の形相で代理ロードバランサを構築! だがDNSが浸透しきる前に、ジャヴァスクリプターの容赦無い連続アクセスが突き刺さる!

「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」「グワーッ! グワーッ! グワーッ!」一度崩れたアーキテクチャは容易には立て直せない! 過剰なWebアクセスにより、輻輳パケットである過剰マナ・エナジーがシステム全体を蝕んでいく! 「アアアア! アアアアーッ!!!」

 「カイシャクしてやる」無慈悲にジャヴァスクリプターが告げる。「ジヒョウを詠め」自らの死期を悟ったクラウドアーキテクトは、絞り出すような声でノリトをあげた。「コノタビハ……イッシンジョウノ……ツゴウヨリ…………」 ポエット!! 責任範囲を明確にしない奥ゆかしいシャチク・アティチュードを兼ね備えた、見事なジヒョウ・ハイクだ!!

 クラウドアーキテクトがジヒョウを詠み終えると同時に、ジャヴァスクリプターは身を沈め、「イヤーッ!」電撃的なヌリチャギで彼の首を切断した。「サヨナラ! カラダニ……カラダニキヲツケテネ!」クラウドアーキテクトは爆発四散! ケゴン・ウォータフォールめいて立ち昇る噴水のごとき返り血が、ジャヴァスクリプターのシッコロを、さらなる真紅へ染め上げた。

 まさにその時。返り血によりシッコロを覆っていたテヌグゥイが剥がれ、ごく一瞬、ジャヴァスクリプターの横顔が露わになった。エスイー同士の狂気めいた開発イクサをなすすべもなく傍観していたナツメは、それを目にすると同時に、湧き上がる驚愕に満ちて、声の許す限り慟哭した。

「アータ!! アータはヒグチ!!? ヒグチじゃないか!!?」

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→ネクスト・トゥ・ザ・スクリプト……

参考文献: ニンジャスレイヤー ELBについてとことん理解する | TecTec Cloud

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