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BUG020 - 「IoT」はすでにバブル、もうすぐ「ネオダマ」と同じ運命に

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 平成生まれの若い方は全くご存じないと思いますが、1990年代半ばに「ネオダマ」という言葉がIT業界を席捲しました。意味は~、ネットで適当に調べてください。今となっては何の意味もない言葉です。

 しかし当時のIT業界は上から下まで毎日「ネオダマ~」って感じで、これに乗り遅れたら明日は我が社は仕事ないぞ、というある種の恐怖が覆っていました。

 さてほどなくしてその恐怖はどこかへ消え、そしてまた時が経ちこんどは「ユビキタス」だの「〇〇 2.0」だの、最近では「ビッグデータ」に「AI」、こういった言葉が浮かんでは消えというのはもうご存知の通りです。

 私は毎日、自動車通勤なので渋滞の暇つぶしに行き帰りは(日本語の)Podcastの経済や株式ニュースを聴いています。私自身がITエンジニアにな故、経済ニュースの解説の方には一歩、距離を取って聴いているのですが、それでも最近のあれ、はひどいです。

 そうです、「IoT」です。ITエンジニアの方にはどうということないはずです。いままでネットに接続していなかった各種の機器をインターネットに接続することによって、機器から集められる情報を集め、反対に機器に送れなかった情報を送る、要はつながっていなかった間をつないでデータを行き来させた、たったそれだけのことです。

 接続はWiFiが基本でしょうが、どうしても客先の都合や街中においてある機器だったり、ウェアラブルだったりして常時WiFiにつなげない場合は、SIMを入れてケチケチとLTEを使うことになります。それがIoTのテクニカルな真意のはずです。

 しかしです。経済ニュースの「IoT」はもはやそんな状況ではありません。「〇〇株式会社はITとIoTのコアな部分を握っているので絶対(株が)上がります」とか。ITとIoTとう言葉がなぜ並列なのかそれだけでも全く意味不明なのですが、「コアな部分」っていったい何でしょうか。TCP/IPスタックの何かコアなところか、それともWLANチップの何か重要なパテントでも握っているのかと思えば、そうではなくて実態はインフラ(=IT)と組み込み(=IoT)と両方に対応できるエンジニア派遣会社というだけだったりします。

 いずれにせよ、「IoT」という言葉はすでに我々ITエンジニアの手の届かないバブルなところに行ってしまいました。まさに「ネオダマ」や「ユビキタス」と同じ運命です。別に言葉がどこに飛んでいこうと構わないですが、いたずらにテクノロジー用語を短期的な株の浮揚ネタに浪費するのだけはもう絶対にやめていただきたい。ITエンジニアは明日の日経平均がどうのこうので生きているのではなくて、明日の世界人類の生活向上のために今日も必死にデバッグしているのです。これは本当に全世界のITエンジニアが誇っていいことと思います。

 今日はそれだけご理解をお願いしておきます。それでは全国のITエンジニアの皆様、よい週末を。

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