BUG032 - 海外で働くということは挑戦じゃなくて、人生の選択肢を一つ増やす保険。
エル紙こと@elcaminoreal255です。新年企画で真面目に行きます。今日は、海外で働く、ということを挑戦とかじゃなくて、人生の選択肢を一つ増やすこととして考えてみませんか、という話をします。
海外で働く=全てがバラ色ではない
私が当初からこのコラムでエンジニアライフの皆さんに何度も申し上げているのは、海外で働くことのメリット、そして全てがバラ色なのではなくて、メリットもデメリットも両方あるのだという真実です。働き方は人それぞれです。働く国や地域、仕事の種類によって働き方、暮らし方は人それぞれ異なります。エンジニアの聖地などと祭り上げられるシリコンバレーにだってメリットとデメリットがあります。
海外で働く=人間とネコをいったり来たりできるということ
昨年の話ですが、日本からカナダに一年間留学にやってきた日本人現役高校生約30人と座談会をする機会を頂きました。高校生に海外で働くことについて生の声を聞かせてほしい、とのことでした。私が高校生の時にもこんな企画があれば、と思いましたが、そのとき、海外で働くことをわかりやすく説明するか作った話がコレです。
人間は人間に生まれたのだから、いくらネコの生活が羨ましくても一生ネコにはなれない。その反対でネコはいくら人間の生活が羨ましてくても一生人間にはなれない、それが当たり前です。しかしどうでしょう。もし、人生の好きな時に好きなタイミングで人間とネコの生活を行ったり来たり、いいとこどりできたら、こんな素晴らしい人生、もといネコ生はありません。
日本に生まれた日本人が海外で働く、ということはある意味、一生人間だと思っていた人間がある日突然、ネコ生の味をしめてしまう、というようなことです。好きなときに好きな方の生活を選択できるのです。今日はガンガン働いて飲みに行く!という日は人間で、今日はめんどくさいから一日ひなたぼっこでいいやという日はネコになればいいのです。
日本は戦後の闇市状態に逆戻りしつつある
さぁ2018年です。今年生まれた赤ちゃんが年金をもらえるのは22世紀かも知れません。もはやいままでの親や先生の常識は何も通用しない、明日にでもミサイルが飛んで来るかもしれないし、戦後のドサクサのように、コツコツ貯めた定期預金がある日突然インフレで紙切れになるかもしれない。ビットコインが100倍になるか、それとも紙クズ(いや紙じゃないからバイナリクズかな)になるか、もはや誰にも予測できません。
言葉ではキツイかもしれませんが、すべてが自己責任でやったもん勝ち、正直者がバカを見る、つまり実は戦後の闇市状態に戻ろうとしているようにも思えます。
いずれにせよほんの数年先の近い将来ですら予測不可能な時代になったと思います。親や先生に言われた通り、一流大学に入って、一流企業に内定を貰えればそれで40年のサラリーマン人生が安泰という時代ではなくなったのはもはや明らかです。だとすれば、人生ゲームのコースをひとつ増やしておくのは冒険でも何でも無く、むしろ逆に保守的な選択であるとすら私には思えます。
海外で働く=人生の選択肢を増やしておくということ
英語力がどうか、起業するネタがないとか、イノベーションできないとかの理由で海外就職をためらっているのであれば、実にもったいない話です。実際、中国やインドやアジア各国から毎年何万何十万人とアメリカで就職しているのですから黙ってみているのはもったいない話です。
海外に出て働くからと言って日本や日本の家族、友人を見捨てるわけではありません。逆に、日本人を代表して日本国を背負って日本文化を広めるとか、そういった義務があるわけでもありません。海外で働く、ということについてもう少し、気楽に気軽に考えてみてはどうかと思います。
例えば、東京で就職するか、大阪にするか、その程度でいいと思います。海外に出ても一生、戻ってこないわけではありません。気に入れば永住権や市民権を取得して一生暮らしてもいいのですし、1年でも2年でも働いてみてこれは自分には合わないな、と思えばいつでも戻ってきていいのです。
さぁ、どうでしょう。海外で働く、というとなにかカッコイイ、挑戦して成功しましたー!、的な勝ち組の明るいイメージばかりが浮かびますがそれはほんの一面です。むしろ逆にこれから先の不透明な時代を生き抜くための選択肢を一つ増やしておく、むしろ保守的な、安全パイを持つことだと、若い方にはお勧めしたいと思います。それでわまた!