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父が入院しました(続・自分のキャリアと家族の両立を考える)

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 以前、「自分のキャリアと家族の両立を考える」というタイトルの記事を書いたことがあります。父子家庭の一人っ子で育ち、就職を期に親元を離れて生活しはじめた僕は、実家に1人きりで残した父に、もしものことがあったら仕事はどうすればいいのか、と悩んだことを書きました。「父が元気でいるうちは、そんなことを考えても仕方ない」という結論を自分で出していました。

 その記事を書いてから、まだ半年しか経っていないんですよね……。

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 先日の日曜の夜、父が救急車で病院へ運ばれ、入院となりました。左の手足が痺れているらしく。父自身は、その日のお昼に僕に電話で「今日は医者が休みだし、明日にでも近所の内科医で診てもらう」と楽観的に言っていました。しかし、その日の夜に、親戚の方の「救急車を呼んでまでも、今日診てもらうべきだ」という意向で、救急車を呼び、搬送されました。

 診断結果は、軽度の脳梗塞。しかも、CTスキャンの結果、数年以上前から、数箇所にわたり脳梗塞が発生した跡が見つかった、とのこと。今までも、今回も、脳の致命的な部分に発生しなかったのが幸運であったようです。

 搬送されたのが夜ということもあり、当日中に帰省できなかったため、次の日に有給休暇をとった上で帰省しました。父は点滴をうってベッドの上で横になっていましたが、どうしようもないほど手足が不自由ということもなければ、話す言葉も普通でした(父本人は若干、ろれつが回らないとの自覚症状があるようですが)。次の日も休みをとり、この2日間、家族として色々な手続きをしたり、父の傍にいて話をしたりしてきました。

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 今の会社の方が読んだら誤解されてしまうかもしれませんが、それを恐れずに書きます。

 実は今年に入ってから、転職も選択肢の1つに入れたキャリアプランの見直しを自分の中でしていました。今の会社の仕事が嫌で、どうしても抜け出したいとかそういうのではなく、今までと違う(今までの自分であれば、避けてきたような)業務にも携わって、もっと自分を磨いていきたい、という前向きな理由です。尊敬していた上司が辞めたことも、「このままの自分でいいのだろうか」と、自分を見つめなおす大きなきっかけになりました。

 今の会社には秘密のまま、「自分はどうなりたいのか、どんな仕事をしたいのか」等の自己分析をして、色々と転職に関する情報を集めて、と動いていた矢先でのことでした。

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 父が元気でいたので、転職も可能性として考慮していたのですが、父が入院してからは、その気持ちが薄らいでいきました。父が入院してから、自分の中で、スキルアップ(のためなら、思い切った行動もすること)よりも家族を守りたい気持ちの方がずっと強いことに気づきました。まあ、直後は、非常に混乱してしまい、衝動的に「前向きな転職も、現職も辞めて、実家に帰って仕事を探すしかないのかな」と思ってしまいましたが……。でも、冷静になった今でもやはり、父を守りたい気持ちの方が強いことに変わりはありません。

 そんな中、参考までに以前の自分がどう考えていたか、以前の記事を読み、そこで紹介しました、「介護かキャリアか-重大な意思決定でのポイントの記事も改めて読み返して、自分の場合で考えてみました(父の今の状況であれば、介護が必要なほどではありませんが、将来のことも考えると……、と思いまして)。以下、抜粋。

 困難と思われる意思決定のポイント

 (1)自分の生活を「全体」、選択肢を「部分」と考えてみる

 (2)優先事項を考える

 (3)困難な局面が、実は良いチャンスかもしれないと考える

 (4)「いま考えるべきこと」と「考えてもしかたないこと」を区別する

 この中で一番、はっとさせられたのは、(4)です。

 入院直後は、先述のように「僕が実家へ帰り、実家から無理なく通える場所の会社に転職する」ことが一番であろう、と。それか、「父を今の僕の住む街に呼び、キャリアアップなんて考えない」かの2つしか考えられませんでした。でも、退院時の父の調子がどうであるかは、そのときになってみないとわからないわけで(入院後の父は状況は悪化しておらず、このままの調子なら2週間で退院できるそうです)。今から退院後のことをあれやこれやと考えても仕方ないのかな、と、今は思っています。

 また、(3)に近いことだと思いますが、父の面倒を見ながらでもキャリアアップはできるのだろうなあ、と、今になって思えるようになりました。今回のことを「キャリアアップに対する足かせ」とは言いたくないです。「守るべき大切な人がいる人」と「今はひとり身で一生懸命頑張っている人」とではキャリアアップの方向性や戦略が違うだけなのだと思います。「何を大切にするか」という個人の考え方の違いもあるかと思います。

 例えば、現職でもキャリアアップはできると思いますし、父の調子が悪化したとしても、リハビリの施設で頑張ってリハビリすれば、楽しい生活を送れるようにもなるでしょうし。工夫をすれば父を守りつつ自分もスキルアップできるものだと信じています。それに気づけて良かったです。

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 今後、結婚や出産といったことがあれば、自分が守りたい大切な人は増えます。今までは、悪い言い方をすれば自分の好き勝手にやってきましたが、今後は守りたい人のために仕事をすることになります。キャリアアップ以外にも、今している仕事への取り組み方も変わってくるような気がします。他にも色々と変わってくることはあるでしょうが、今までどおり、いや、今まで以上に、謙虚に、かつ、一生懸命に仕事に取り組んでいけたらなあ、と思っています。

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