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“キャリアアップ”は志望動機にあらず

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 最近あった本当の話です。

 Aさんは32歳のシステムエンジニア。転職を1回経験し、現在は中堅のソフトハウスで働いています。オープン系のシステム開発プロジェクトを多数経験してきたのですが、現職ではキャリアアップの限界を感じて転職活動を始めました。

 Aさんは、現職で担当している二次請けの仕事ではなく、より上流工程の仕事を経験し、幅広い業務知識を身につけたいと考えていました。アデコからご紹介した会社も、同じシステム開発会社でも規模が大きく直請けの比率が高い会社や、自社サービスや自社製品がありエンドユーザーと直接の接点がある会社ばかりでした。

 ご紹介した会社の中から2社の面接に進みましたが、残念ながら不合格。企業にその理由を聞いてみたところ、

「正直なところ、当社を志望する動機が分かりませんでした。入社後もまたすぐに辞めてしまうかもしれないと感じました。」

といった答えが返ってきました。

さっそく、Aさんに確認してみました。

私  :「Aさん、面接で志望動機はどのように説明されましたか?」

Aさん:「キャリアアップのため、と答えました。」

私  :「えっ?!それだけですか?面接官がより具体的な考えを聞いてきたでしょう?」

Aさん:「はい。具体的な説明を求められましたが、うまく答えられなくて……。」

 “ キャリアアップ”という志望動機は、決して間違いではありません。しかし10人いれば10通りのキャリアアップがあり、そのかたちは千差万別です。面接は、求職者がどのような仕事を希望しているのかと自社の仕事内容とを照らし合わせて、マッチするかを判断する場でもあります。そのため、キャリアアップの具体的な中身を伝えることはとても大切なのです。

 そこで、私はAさんへこのようなアドバイスをしました。「志望動機を考えるには、一つテクニックがあります。今まで働いてきた会社と、応募した会社の業務内容の違いを整理してみてください。Aさんはすでに、企業を選ぶ段階で整理ができていると思いますよ。そして、その違いこそAさんが転職を希望した理由であり、志望動機になるはずです。」

「志望動機を聞けば、その候補者の方の職業観がわかります。」

 これは、ある企業の面接官から聞いた言葉です。それほど志望動機は重要なポイントです。それだけにしっかりと準備して面接に臨むことが必要です。お一人で考えるのが難しいときは、アデコの転職支援サービスに登録して、わたしたちと一緒に考えましょう。面接官を納得させる志望動機が、きっとみつかります。

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