@ITで記事を書いているキャリアコンサルタントの転職コラムです。

「地方で働くということ」福岡編

»

 今回は、福岡におけるITエンジニアのキャリア構築をさまざまな角度からみてみます。

■IT業界の労働市場 その1

 2009年2月現在、九州全体で見ると各企業のIT投資が冷え込み、SIerやソフトハウスの受注が激減しています。2008年11月時点では福岡県の情報技術系有効求人倍率は「1.15倍」と全国的に見ても低く、IT業界における人材の流動は停滞しているのが現状です。

 産業別に見ると、ここ数カ月は公共系及び医療系の求人数は堅調に増加していますが、製造系や流通系は減少し、もともと少なかった金融系でも縮小気味です。

■IT業界の労働市場 その2

 九州では元請けというよりも一次請け、二次請けの現場に近い業務が多いため、元請けの案件が少ないと、「コンサルタント」や「上流工程SE」の活躍の場所が少なくなる傾向にあります。

 もし、コンサルなどの上流工程を希望するようであれば、東京に本社があり、九州に拠点を置いている企業が狙い目といえます。

 大手メーカー系SIerへのキャリアアップは門戸が狭く、協力関係のある企業からの採用も行っていないのが現状です。また、今まで「オフショア」として、中国やインドにアウトソーシングしていたものは、品質に問題が生じたり、プロジェクト管理に手間がかかるなど問題が山積しており、海外ではなく日本の地方にアウトソーシングする「ニアショア」という流れがあります。コストを抑えて高品質なソフト開発を狙っている企業もあり、福岡には「開発センター」が多く存在しているので、そういった活躍の場もあります。

■生活環境

 福岡は、首都圏と比べると物価が安く、食生活や住環境から見ても非常に過ごしやすく魅力的な土地です。

 今まで九州から離れたことのないエンジニアや九州にUターンしているエンジニアの中には、この地を離れたくないという方が多くいらっしゃいます。

 人情味溢れる気質があり、穏やかに暮らすことができる都市、それが福岡です(福岡在住のわたしにとっては愛すべき土地です)。

■Uターン編

 九州出身のエンジニアが、東京でSEとして活躍した後、九州に戻り地元ソフトハウスへUターン転職をしました。しかし、よりによって東京の案件にアサインされ、2年が経過してしまったという、笑えないケースもあります。

 また、「年収が下がるのはやむを得ないが、いったいどれだけ下がるのだろう?」と不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。目安としては、東京と比較して九州の年収相場は約7割といったところでしょうか。その分、物価も安いので、この相場をどのように判断するかは、ご本人次第です。

 しかし、収入面では現状維持を希望される方が多いため、その年収の壁によって転職を思いとどまる方もいらっしゃいます。

 地方のエンジニアにとって、厳しい状況が続いています。しかし、こうした時期だからこそ自らのスキルを構築するチャンスでもあります。

 福岡では、忙しさに流されることなく、自らの方向性をしっかり見定めて、スキルアップを目指した勉強に時間を費やすこともできるでしょう。

 またその際には、中長期的なキャリアビジョンを持って情報収集されることをお勧めします。

 わたしたち人材サービス会社には、企業から非公開の求人を得るケースが多くありますので、ご希望に即した幅広い情報を提供することができます。中長期的なキャリアアップができるよう、バックアップしてまいりますので今すぐに転職を考えていらっしゃらない方も、お気軽にご相談ください。

アデコ株式会社
人材紹介サービス部
シニアコンサルタント
志賀大介

Comment(0)