プログラマ、テスター、SE、PMなど、いろいろやってるオヤジです。

忙しい労働者を救ってくれるのは「言い訳士」かもしれない!

»

サービスレベルを下げるのは難しい

 少し前のAhfさんのコラム「サービスレベルが下がっても良しとしよう」やAnubisさんのコラム「ちょっとだけ譲るだけで変わる未来」では、日本人は快適なサービスに慣れ過ぎているのではないか、サービスを提供するほうががんばりすぎではないか、というようなことが書かれていました。

 7月の初めころ、Amazonで本を注文しました。いつもなら3日後までには届くのですが、このときだけは発送しましたという連絡が来てから3日以上かかってから届きました。「なかなか来ないなあ」と不満に思ったものの、ヤマト運輸がAmazonから手を引いた影響で混乱しているというニュースを見て、サービスレベルが低下したものの、「まあ、仕方がないか」と納得しました。

 また、ヤマト運輸は宅急便の値上げを発表しました。サービス内容は同じで金額が上がるのですからこれはサービスレベルの低下です。ヤマト運輸は、物を運ぶ労働者が忙しすぎということで問題になり、労働条件の向上のために仕事を減らしたり過去に遡って残業代を払うなどの対策を行っています。そのことを知っているので、サービスレベルが低下しても「まあ仕方がないか」とユーザーの私は納得できたのです。

 でも通常は、サービスレベルを急に下げるのは難しいものです。あちこちからクレームが来てしまいます。

農業のサービスレベルが下がってもクレームは言われない

 今年はポテトチップスのいくつかの商品が製造されなくなりました。それは北海道の天候の影響でジャガイモの収穫が減ったからです。それを知らされているので、文句を言う人は少ないのだと思います。

 ジャガイモでなくても、天候が悪いと野菜の収穫が減って価格が高騰します。けれどもユーザーである消費者は、「野菜が高いよなぁ」と愚痴は言う人はいても農家にクレームを言う人は少ないと思います。天候が悪くて収穫が減ったという納得できる理由を知っているからです。

 サービスレベルが低下しても、ユーザーがその理由に納得していれば文句は言われないのです。ですから、過剰サービスをして労働者に無理がかかっているのであれば、ユーザーが納得できる理由を説明すればいいのです。

言い訳のプロ「言い訳士」が労働者を救う(かも)!

 サービスレベルを下げたいとき、場合によっては言い訳するのが難しかったり、人によっては言い訳が下手だったりします。でも、世の中には言い訳が上手なプロがいます。弁護士です。クライアントが訴えられたときには、あらゆる法律知識を使って言い訳を考える言い訳のプロでもあります。ただ、弁護士は通常、訴えられてから言い訳をして罪を逃れたり軽くしたりします。訴えられてから、あるいは訴えられる心配があるときに動くことが多いかと思います。

 ならば、訴えらるところまでいかなくても、苦情が出て評判が落ちるのが心配なときに、弁護士のように言い訳を考えるプロ「言い訳士」がいればいいのではないでしょうか。サービスレベルを落としたいとき、ちょっとさぼりたいときに、言い訳士に言い訳を考えてもらうのです。素人が下手な言い訳をするのと違って、プロならではの納得させられる言い訳を考えてくれるはずです。

 それに、過剰気味の弁護士になるよりも、プロの言い訳士になった方が仕事がたくさん来て儲かるかもしれません。そして過剰労働をしている日本の労働者たちは言い訳士によって救われるかもしれません(!?)。

 そして、反対にプロの言い訳士に言い訳を言われたときは、サービスレベルが下がって多少便利でなくなってしまっても、笑って許せるだけの余裕を持っていたいものですね。

 あべっかんでした。

 「便利でないものも使ってみよう -ボンナイフとか」

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する