ITエンジニアは命がけで仕事ができるか?
「助かったんだ!」
先日の長野県の地震で、倒壊した家屋の中から2歳の男児を消防隊員が救い出したそうだ(こちら参照)。
■災害時のヒーロー
地震や噴火や沈没などの災害時に活躍する消防署や警察や自衛隊。二次災害が起こり得る危険な場所にも命がけで救助に向かう。その姿勢には頭が下がる。そしてときには二次災害に巻き込まれて殉職してしまうこともある。彼らは災害時のヒーローだ。
■ITエンジニアの仕事の価値は?
ITエンジニアはそんなヒーローになれるだろうか? ITエンジニアが殉職するとしたら、徹夜が続いて過労で亡くなるとか、鬱病になって自殺してしまうとか。いやいやそれって殉職とは言えない。労災だ。
災害時のヒーローにはなれず、多忙時の疲労が溜まるばかり。ITエンジニアには命をかけるだけの価値がある仕事はないのだろうか?
■仕事のモチベーション
仕事のモチベーションにはいくつかの種類に分けられると思う。例えば以下のように分けてみよう。 まずはコーディングが大好きで楽しい、複雑なシステムを設計するのが面白い、といったモノづくりの楽しさ。次に、上司に認められたい、クライアントに喜ばれたい、売り上げを伸ばしたい。といった会社や業界レベルの達成感。3つめに、業界を超えて社会に貢献できているという社会的な満足感。 このうち3番目の社会的な満足感は、いい仕事に巡り遭えたときにしか得られない。社会に対して大きな付加価値を与えたときに得られる。
子どもを救いだした消防隊員や重病人を手術で救った医者は、大きな付加価値を被災者や患者に与えている。ITエンジニアも、モノづくりをすることでエンドユーザーになにかしらの付加価値は与えているはずだ。1人あたりに与える付加価値は小さくても、開発したシステムやソフトを延べ何万人もが使えば付加価値の総量としては負けないだろう。
■命がけの仕事をしてみたい
付加価値の総量は同じだったとしても、消防隊員や医者のように、「あなたは命の恩人です」と感謝されたほうがやった甲斐が感じられモチベーションが上がるものだ。
長年働いて歳をとってくると、一度くらいは命がけで他人を救うこともしてみたい、それくらいの価値がある仕事をしたい、と思うようになった。もしもそんな機会が訪れたら、命がけでがんばってみようか。
101回死んだエンジニアさんなら、1回くらいは殉職したこともあるかもしれないな!
abekkanでした。