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ETロボコン-ソフトウェアのハードな闘い

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 「猪名寺駅前徒歩1分」、ボーナスポイントをクリアー!

 前回のコラム「Embededd Technology 2012 -もしELTがET2012になったら」で報告した、ET2012。その会場であるパシフィコ横浜の別館では、ETロボコンチャンピオンシップ大会が行われていた。毎年ETと同時に開催されている。

■ETロボコンとは

 この大会はレゴ・マインドストームで作ったロボットでコースを走ってタイムを競うもの。ロボットは自由に作れるのではなく形が決まっている。左右2つの車輪だけで立ち、前後にバランスを取りながら進む。

 コースにはいくつかのボーナスポイント個所がある。坂道、階段、シーソー、車庫入れなど。クリアできればポイントになるが、ダメそうだったらよけてもいい。よけて無難に進んでいるチームもいる。

 時々テレビで放送している高専生や大学生のロボコンでは、奇抜な形のロボットが意外な作戦でポイントを稼いだりする。しかしこのETロボコンはロボットの形は一緒だ。ソフトウェアプログラムを競う勝負だ。実はそこが奥が深い。

■チャンピオンシップ大会

 全国の337チームからチャンピオンシップ大会に勝ち上がってきたのは40チーム。三菱電機、富士ゼロックス、NECソフトウェア東北、日立製作所などのメーカーや、早稲田大学、東北大学院、琉球大学、沖縄県立美来工科高校などの学校。チーム名も面白い。猪名寺駅前徒歩1分、AT車限定~あとす~、追跡線隊ICSイエロー、芝浦雑伎団、などなど。

 競技ではロボットはインコースとアウトコースの道に分かれて2台づつ走る。ゴールまでの時間からボーナスポイントが減算される。その後コースを交換してもう一度走り、合計時間が最も少ないチームが優勝だ。

 搭載したプログラムのモデルがポスターとして掲示されている。それを見るとものすごい計算をして位置や速度を出しているものもある。

 でも、すごいプログラムが勝つとも限らないのがまた面白いところ。組込みソフトの会社や情報化の大学の精鋭たちでも、ロボットが止まったり暴走したりして失格、というのが意外と多かった。その中で、安定してポイントを稼いだ「猪名寺駅前徒歩1分」チームが1位となった。

■システムの信頼性

 実用化しているシステムでは暴走は許されない。例えば、東京のお台場を走る新交通システムのゆりかもめは、無人の自動運転だが暴走することはない(はずだ)。実用化する前に、ソフトウェアとハードウェアのテストを何千項目も行って信頼性を確認したことだろう。ロボコンのロボットと実用化したシステムとでは信頼性テストをパスしたかどうかが大きな違いだ。ETロボコンの参加に多大なコストをかけらるのは難しいだろうが、より信頼性の高いロボットを作ることが優勝するためのポイントだろう。

 来年はあなたも挑戦してみてはいかが。

■小学生レベルの信頼性とは?

 私の次男は、昨年度にロボット教室で開催された大会で全国大会に出場した。そこまで勝ち進むロボットはかなりの信頼性を持ったものだ。

 と言いたいところだが、しょせん小学生。まったくそんなことはなく、同点のジャンケンで勝って運よく全国大会に進んだ。暴走しまくっていたのに(笑)(*1参照)

 abekkanでした。

 (*1)ロボット教室ってな~に?

 ETロボコンのサイト

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