いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

残業ばっかりする人のコスト感覚なんて信じません

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コストと言ってもお金の話だけではない

 「時は金なり。」という諺がある。時間は金と同じくらい大事という意味だ。元々は西洋の「Time is Money」からきているらしい。時間は貴重なものであって、金銭と同じように大切で価値があるのだから、浪費するものではないという戒めだそうだ。なるほど。西洋人らしい考え方だ。

 だが、お金と時間は決定的に違う。お金は貯めることができるが、時間は貯めることができない。そして、お金は人の手で分配されるが、時間はそれぞれに平等に与えられる。共通するのは、上手く使わないと利益を享受できない、無限にあるわけではないといったところだろうか。

 お金は時間と組み合わせてこそ、最大の効果を発揮する。手元に100万円あるだけでは意味がない。100万円と1カ月のバカンスがあって、はじめて楽しく過ごせる。何らかのプロジェクトに取り組むときでも、予算も大事だが納期、つまり、どれだけの時間が与えられているかも重要になる。

 時間というのは、誰でも持っているのでなかなか希少性というのは感じにくい。その分、あまり価値を見出されない。時間の本当の価値が分かるのは、多分、他界する一ヶ月前くらいだろう。その点、お金の価値を理解するのは簡単だ。小学生でも一万円札を見せればその価値を理解する。

コストってなんだろう

 まず、コストってなんだろう。辞書通りにいくなら、物を生産する時にかかる費用、原価。ならしい。Googleで調べたら、そんな情報がでてきた。個人的に拡大解釈するなら、得たい結果に対する対価と考えている。

 得たい結果に対しての対価はお金だけではない。行動やそれにかかる時間、技術的な要素も含まれるのではないだろうか。得たい結果にたいして必要なものをリストアップしてみればそうなるはずだ。

 ただ、コストというのは常に等価交換とは限らない。あまり価値のないものでも、得るために多くの価値あるものを差し出さなければいけない場合もある。その逆もあり得る。得たい結果に対する対価は必ずしも釣り合うとは限らない。

 コストを計算するには、適切に価値というのを判断できることが条件になるだろう。これができないと、知らぬ間に割の合わないコストを払うことになってしまうだろう。コストを計算する上で、明確な基準が必要だということだ。

なぜ残業する人のコスト感覚が信用できないか

 まず、残業するにもコストがかかる。それを意識しているだろうか。コストといっても残業代だけではない。自分の人生における「時間」と「労力」いうコストもかかっている。疲れているのに無理して頑張れば、その分、自分のもっている多くのリソースを消費する。

 残業ばかりしている人に、自分の人生を考えるという視点はあるのだろうか。自分の一番大事な人生を粗末にする人に、ものの価値が正しく判断できるとは思えない。自分の持つものに対して、価値を低く見積もりすぎている。なので、コストの計算は任せたくない。

 ただ、仕事が楽しくてしかたない。だから残業するんだという人もいるだろう。こういう人は、何も考えずに残業する人よりはマシかもしれない。しかし、コストを計算させると無茶を前提で計算をするのでどこかいびつな計画になってしまう。

 コストの計算をする上で、価値観の多様性が必要だと考えている。その中に自分という価値観はあるだろうか。自分の価値を知らない人、自分の持つものの価値を知らない人。最近の日本人が増えたと思う。だから、コスト計算ができず、業績の振るわない大企業が増えたのかもしれない。

自分で使える時間の価値

 自分で使える時間というのは、お金と同じくらい大事だ。何をするにもお金が必要なのと同じで、何をするにも時間は必要だ。そういう意味で言えば、お金と時間は等価かもしれない。だが、そういう感覚が一般的かというとそうでもない。

 現代では圧倒的にお金の方に価値が置かれている。ただ、お金というのは値段のついているものしか買えないが、時間は自分の創造性次第で、得られるもの幅はいくらでも広くなる。逆に言えば、創造性の無い人ほどその価値を感じるのは難しいのだろう。

 時間というのは、お金より使いこなすのが難しい。お金を使って楽しいことをしようと思えば簡単だ。欲望に任せて物を買い漁ればいい。時間を使って楽しいことをしようと思えば、創造性が必要になる。創造性豊かな人なら、ギターを弾いたり、コードを書くことで一日を楽しく過ごせる。

 残業で時間を無駄に使う人ほど創造性に乏しい。これは私の経験則だ。そのせいか、価値観の多様性がない。非常に狭い価値観で生活している。だから、物事の価値を判断できない。だから、コストの計算を任せたくないのだ。

Comment(8)

コメント

匿名

おっしゃる通り

銀爺

良いこと書く。でも残業=無駄な時間では無いですよ。2カ所変な文があった。

くろさん

すばらしい、その通り。
他の人のコメントで残業=無駄な時間ではないとありますが、残業は人生においては無駄な時間です。残業しないのが本質であるなら残業は無駄ですよね。 あなたのまわりにも、定時内になにするでもなく、残業時間にだけ仕事しているような無駄なひといませんか?
残業時間に無駄話してるとか。

天狗の高下駄

残業の全部が全部無駄と言うことはないでしょう。
なぜ残業をしているのか。残業中何をしているのか。何時まで残業しているのか。残業後何をしているのか。どうすれば残業しなくてすむか。

自分自身が恒常的な残業に陥らないためにも、多少なりとも経験しておくのはむだではないのではと。

問答無用で「無駄な時間なので、なにがあっても残業は一切しません。」では、波風たちすぎますから。

seg

素晴らしい、この観念の徹底を行うが浸透させるにはまだまだ時間がかかりそうだ
仕事であちこち行くが、特に関西地方では【残業してる人が頑張っている人】という認識が強い。

S

間違っていないですけど、自分の能力に問題なければ残業が発生するのは他人の都合からですよ?。
そのコスト計算をお客様までに要求しますか?、残業の無い生産性の高い外国の方々の仕事には無駄が無いんですか?ならばどこが違うんでしょうか?お客様から仕事を受注して要求通りに完了させるのに何処まで貴方がコントロール出来る範囲に有りますか?。
貴方が言う仕事の話だけでなく、貴方が生きてきて今まで他人に残業させることになってないですか?。
人は他人の人生を喰って生きてんですよ?其れに時間は平等じゃありません。

Anubis

なんか、激しく聞かれちゃってるみたいだね。軽く答えてみる。
.
残業が発生するのは他人の都合からですよ?
-> いや、ケース・バイ・ケースです。自分の都合でやる人もいます。
.
そのコスト計算をお客様までに要求しますか?
-> コラムの趣旨では、残業コストがお客様に行くので無駄と判断している。
.
残業の無い生産性の高い外国の方々の仕事には無駄が無いんですか?
-> その外国の人に聞いてください。わしゃ知らん。
.
ならばどこが違うんでしょうか?
-> 働く上でのコンセプトが違う。
.
お客様から仕事を受注して要求通りに完了させるのに何処まで貴方がコントロール出来る範囲に有りますか?。
-> ケース・バイ・ケースです。
.
貴方が言う仕事の話だけでなく、貴方が生きてきて今まで他人に残業させることになってないですか?
-> 質問の意味が分かりません。
.
人は他人の人生を喰って生きてんですよ?
-> そうですね。ただ、人は支えあって生きているという綺麗な言い方もできますね。
.
其れに時間は平等じゃありません。
-> いや、平等です。一日三十二時間の人とかいないでしょう。人生の長さという点では言うとおりだ。しかし、今生きる一日の長さは同じだ。・・・という意味で平等だ。
.
よく質問攻めに合う人は覚えておくといいが、一つ一つを分解すると簡単に答えられる。質問攻めにする人の特徴として、途中で自分が何を言ってるのか見失い易いというのがある。質問というのは答えが一つとは限らないので、話が拡散しやすくなるからだ。
.
話が拡散することで話の的が絞れなくなり、答えられなくなりやすい。それを「論破」と勘違いする人は多い。この質問攻めもよく読むと、コラムに関係の無い質問や、私に聞くべきで無い質問も多い。つまり、意図が全く分からない。理論が破綻している。そういう意味でいくと、「論破」(理論が破綻を略して)している。
.
私からできる返答は、聞く前に考えよう。というそれだけです。
話を拡散させることは、返答する人に大きな負担を強います。これがどういう事かよくお考え頂ければと思います。聞きたいことがたくさんあるのなら、自分なりの考え、意見等を挟んで、話が無駄に拡散しない工夫が必要です。
.
なお、質問攻めに返答すると、更に質問を重ねる方もいます。この場合、さらに話が拡散します。そういう人にはいくら返答しても無限に質問を繰り返します。そのうち、何を言っているか分からなくなってしまいます。なので、どこかで話をバッサリ切りましょう。
.
以上、返答と質問攻めに対する対応方法に関するミニコラムでした。

Anubis

なんか、激しく聞かれちゃってるみたいだね。軽く答えてみる。
.
残業が発生するのは他人の都合からですよ?
-> いや、ケース・バイ・ケースです。自分の都合でやる人もいます。
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そのコスト計算をお客様までに要求しますか?
-> コラムの趣旨では、残業コストがお客様に行くので無駄と判断している。
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残業の無い生産性の高い外国の方々の仕事には無駄が無いんですか?
-> その外国の人に聞いてください。わしゃ知らん。
.
ならばどこが違うんでしょうか?
-> 働く上でのコンセプトが違う。
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お客様から仕事を受注して要求通りに完了させるのに何処まで貴方がコントロール出来る範囲に有りますか?。
-> ケース・バイ・ケースです。
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貴方が言う仕事の話だけでなく、貴方が生きてきて今まで他人に残業させることになってないですか?
-> 質問の意味が分かりません。
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人は他人の人生を喰って生きてんですよ?
-> そうですね。ただ、人は支えあって生きているという綺麗な言い方もできますね。
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其れに時間は平等じゃありません。
-> いや、平等です。一日三十二時間の人とかいないでしょう。人生の長さという点では言うとおりだ。しかし、今生きる一日の長さは同じだ。・・・という意味で平等だ。
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よく質問攻めに合う人は覚えておくといいが、一つ一つを分解すると簡単に答えられる。質問攻めにする人の特徴として、途中で自分が何を言ってるのか見失い易いというのがある。質問というのは答えが一つとは限らないので、話が拡散しやすくなるからだ。
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話が拡散することで話の的が絞れなくなり、答えられなくなりやすい。それを「論破」と勘違いする人は多い。この質問攻めもよく読むと、コラムに関係の無い質問や、私に聞くべきで無い質問も多い。つまり、意図が全く分からない。理論が破綻している。そういう意味でいくと、「論破」(理論が破綻を略して)している。
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私からできる返答は、聞く前に考えよう。というそれだけです。
話を拡散させることは、返答する人に大きな負担を強います。これがどういう事かよくお考え頂ければと思います。聞きたいことがたくさんあるのなら、自分なりの考え、意見等を挟んで、話が無駄に拡散しない工夫が必要です。
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なお、質問攻めに返答すると、更に質問を重ねる方もいます。この場合、さらに話が拡散します。そういう人にはいくら返答しても無限に質問を繰り返します。そのうち、何を言っているか分からなくなってしまいます。なので、どこかで話をバッサリ切りましょう。
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以上、返答と質問攻めに対する対応方法に関するミニコラムでした。

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