いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

スティーブ・ジョブズ は何を考えていたか

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■そんなの知るか。

 偉業を成し遂げた人は、いろいろと弄られる。電車のつり広告で、週刊誌の見出しをみるとそんな風に思う。誰かが目立つと、こういう人だというイメージを作って、その上を走らせたがる。センセーショナルな見出しの方が週刊誌は売れる。書店の本も、読む人のイメージに合わせた方が売れる。

 スティーブ・ジョブズも亡くなられてから、随分とイメージが膨らんだ偉人だと思う。豊かな想像で書かれた情報は、確かに読んでいて面白い。しかし、スティーブ・ジョブズのようになりたいというモチベーションは高めてくれても、スティーブ・ジョブズのようになれる方法が明記されている訳ではない。

■偉人が本当に望んだものとは。

 偉人と言う訳ではないが、うちの上司にすごく営業に長けた人がいる。ちょっと神がかり的な営業力のある人だ。たまにこの人がぼやく。本当はどっか南の島でゆっくり過ごしたいんだと。営業のことに熱心だが、四六時中そればかり考えているかというと、そうでもなさそうだ。

 偉人と呼ばれる人たちも、本当にやりたかったのは別のことで、たまたま出した成果が世の中に認められちゃいました。というケースもあるように思う。生前に評価されたかったのに、死後に評価されちゃったよ。とか、目の前の争いを止めたかっただけだが、なんか歴史に残っちゃったりとか。意外と主目的と実現した内容にズレがあるのが現実ではないだろうか。 

■本当に望むものは何なのか。

 アップルがiPhoneやiPadで成功して以来、イノベーション、イノベーションとうるさい。ぶっちゃけうざい。大半の人が本当に欲しいのは、イノベーションではなく売上だろう。イノベーションを本当に求める人と、売上のためにイノベーションを起こしたい人では、考え方は大きく異なる。

 イノベーション起こしたい人の考え方を、売上を求める人が理解できるだろうか。それ以前に、関心が無いと思う。実際は、イノベーションを起こそうとした人の考え方を活用して、売上倍増に活用できないだろうか。そう、模索しているだけだ。

 アップルの成功で、売上金額を見る人と、世の中に及ぼした変化を見る人と、大きく二通りに分かれる。スティーブ・ジョブズの本当に望んだのは、どっちだったのだろう。今更ながら疑問に思ったりする。

■人を理解するということ。

 スティーブ・ジョブズを語る気は無い。私の持つ情報は少ない。また、私が語ったところで想像の域を出ない。スティーブ・ジョブズという有名人でさえ、全貌を理解するのは難しい。それが身近な人であっても同じだ。

 隣で働いている、一見ペーペーのエンジニアが、十年後に革命的な成果を上げるかもしれない。もしくは、一見成功しているエンジニアが、十年後に致命的な失敗をして落ちぶれているかもしれない。身近にいる人でも、そういう予兆を見抜くのは難しい。それだけ人を深く理解するのは難しいと思う。

 人を深く理解することで、相手の良い要素を取り込める。また、自分の悪い要素を客観的に理解して、排除できる。普段、コンピュータにばかり向かいあっているが、もう少し人を理解する努力が必要なのかと思った。そんな昼下がりの午後でした。 

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