いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

日本のITが伸びない理由

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■潜在的能力は間違いなくトップクラス

 日本人はITで世界に通用するか。私はYESと答える。日本人の思考の繊細さは、世界中でもトップレベルだ。また、何かを本気でやろうとした時の集中力と、変なモチベーションの高さがあるる。歴史的に見ても、明治維新やら第二次世界大戦後の復興など、歴史的にも奮闘している。

 あと、日本人を本気で遊ばせれば、すごく面白いものを作るのではないかと思う。ファミコン、Play Stationにしても日本製だ。今では世界中の人が日本の漫画を見てる。最近ではコンピュータに歌わせるボーカロイドなんかが流行ってたりする。あれを考えた人も日本人だ。

 あんなことをすれば面白い。こんなことをやってみたらどうだろう。そういう発想の部分は決して劣ってはいない。むしろ才気に満ち溢れている。世界は刻、一刻と変化をし続けていが、なんだかんだでキャッチアップできる土台は揃っている。

■それでも世界で実力を発揮できない理由

 そういう発想力や思考の繊細さがITに活かされていれば、日本にも世界に誇れるようなIT企業ができただろう。しかし日本には、ITに能力を活かせない大きな障壁も存在する。それが四十代後半以降のおっちゃん世代だ。ファミコンや携帯電話でIT慣れした世代と、感覚に大きな差がある。

 とにかくこの世代のコンピュータ嫌いは根強い。コンピュータは値段が高いし難しい。そういう既成観念を持っている人が多い。こういった方々は業務をシステム化するとか、ITによる効率化という発想があまり浮かばない。メリットを感じないのだ。

 日本では、こういう世代の人が会社を取り仕切っていることが多い。だからITリテラシーが低い。そして、優れた才能が埋もれてしまうのだと思う。

■とはいってもアメリカも大差は無い

 じゃぁ、そういう才能を存分に発揮できればいいのか。というとそうでもないように思う。ITリテラシーの高そうなアメリカでは、技術者間の格差が広がっている。誰でもできるような技術であれば、他の人件費の安い国のエンジニアに仕事をさせる。なので、高度な技術が無いとエンジニアとしては生きていけない。

 確かに、ITのリテラシーは日本より高いと思う。優れたエンジニアであれば、幸福度は高いだろう。しかし、そういう人は稀だ。全体的なエンジニアの幸福度で見れば、大した変わりは無いように思う。これから良いエンジニアが育っていくかというと、むしろ衰退すると思う。エンジニアを大切にしないのは、日本もアメリカも同じだからだ。

 エンジニアを大事にするというのは、優れている人を優遇するだけではない。エンジニアを育てる基盤を作ったり、エンジニア自体の社会的な地位を向上させる事だ。エンジニアを稼ぐための道具と考えているので、こういう状況が起きたのだろう。

■これからのITを左右するもの

 儲けるためのエンジニアを目指すことに問題を感じる。エンジニアの社会的な役割は、世の中の技術的な面を支えていくことだ。そこを忘れてはいないだろうか。稼ぐことしか考えていなければ、IT業界は荒んでいく。それは他の業界にも言えると思うが。

 誰が優れている、劣っているという問題ではない。どれだけ多くの人がITをどう考えているかが、この先伸びるか伸びないかを決める。目先の利益や技術云々だけではない。国家単位、人類単位でITをどうとらえているか。それが未来の方向を決める大きな要素だと思う。

 ある意味、人の思いが未来を作る。というのは真実かもしれない。

Comment(23)

コメント

ひろし

僕はちょっと違う意見を持ってます。日本の工業製品はかつて世界を席巻しました。それは、日本製の工業製品の品質が断トツで高いからです。そして、たぶん今もそれは変わりません。ところが、最近は、世界を席巻できている製品は、自動車、プリンタ、そのぐらいしか思いつきません。これらは、高い品質のものを作れるということのアドバンテージが他のものより高いからです。高い品質のものを作るために、どうしてもコストがかかります。それで、他の製品では、コスト競争で、サムスンなどに負けているのだと思います。そして、高い品質のものをコストをかけてでも作るという習慣がITの分野にも浸透してしまっているのが、日本のITです。楽天のKOBOの出荷直後のトラブルや、今も書籍を購入するためのウエブの使いにくさとか、話題になっています。トラブルはよくありませんが、それでもうKOBOはダメだみたいな論調の記事が多いですが、こういうのが典型的な日本の高品質に慣れきってしまった日本のコンシューマの感覚でしょう。世界では、ありえません。日本でITを使う人も高い品質に慣れきっており、そのためにものすごい費用を払わされていることにそろそろ気づくべきです。特にウェブのアプリは、トラブルは短期間で修復できるものです。リリース後しばらくは、ユーザはベンダーと一緒にシステムを完成してもににすると言う感覚で、システムを作る姿勢にすれば、たぶんコストは10分の1で済むでしょう。アマゾンは日本人のそういう『異常』な高品質の要求を知っているのでしょう。だから、なかなか出しません。日本市場では、最初から100%高品質でないと、失敗すると言う事を知っているのでしょう。

Anubis

>ひろしさん

コメントを読まさせて頂きました。
非常に興味深い内容でした。

高い品質に慣れきった。とというのも非常に納得できます。
私自身、この視点はあまり無かったです。
コラムを書く際に参考にさせて頂きます。

ご意見ありがとうございました。


ちなみにコラム書いてても、よく100%高品質を求められます(笑)

beez

ひろしさんのおっしゃるように、日本はあまりにも要求が高い。製品にもサービスにも。消費者としては天国だが、労働者としては地獄だ。
まぁそれはおいといて、残念ながら今の日本は技術でも中韓に並ばれてます。一部では抜かれてます。
諸所で言われてることですが、中韓はうまく日本の引退または解雇された優秀な人材を採用し技術を得ました。同レベルの質でコスト差は明白です。
とにかく悪いのは、経営者だろうと思います。良い戦略もなく、良い製品作りもできず(させず)、つまらない無難な製品を作るも、売れないからリストラで技術者を解雇する。
とにかくリスクをとれない小心リーダーが多すぎるんじゃないでしょうか。まだアメリカはいろんなことに挑戦するという風土がある。コンテンツ産業見ても、様々なビジネスが生まれてるが、日本はサッパリ。
そんなだから、足を踏み出した時には時すでに遅しで、市場が外国企業に支配されてるんだと思う。

Anubis

> beez さん

コメントありがとうございます。

>残念ながら今の日本は技術でも中韓に並ばれてます。一部では抜かれてます。

こちらに関しては色々な見方をする方がいらっしゃいますね。
個人的には、むしろ台湾に抜かれてる感があります。

ただ、おっしゃる通り経営者は間違いなく抜かれていると思います。

非常に勉強になりました。

Rejaxon

楽しく読ませて頂いております。

技術でいうと、日本メーカーなど大会社のシステム開発手法や、
オープンソース、Frameworkの選択、習得がかなり遅れてます。
これは個々の開発者の潜在的な力が不足てしているのではなく、
1つの会社の中で知識の共有が分断されているのが原因だと想います。

前提として、大きな組織で全ての人間が新しい知識を個々で勉強し
プライベートで仕事で使えるレベルに試行錯誤して高める事はありえません。
しかし、メーカーなど大会社には技術を研究、調査する部隊がおり、
Linux、Javaを始めオープンソースを研究し
素晴らしい方々が知識を蓄え、専門のセミナーなどで発表しています。
JenkinsなどでもNTTデータがセミナー発表したり、
オープンソースの研究はメーカーを始め中堅企業でも活発です

しかし、これらセミナー発表者と同じ会社の社員が
「うちのPJに取り入れて欲しい、知らなかった」と言うくらい
自身の会社の行ってること事を知らないのが実情です。
自身のPJで活用できる技術であっても。。。

日本の組織はあまりにも研究、調査した成果を
横展開する適応能力がなさすぎるのだと思います。
日本の組織は知識やノウハウを共有する時に、
テーラリングのように標準プロセス化しようとしすぎるのが1つの問題だと思います。
ケーススタディのように相反しても良いので事例を幾つも提供して、
毎日の職務の中で社員に自分で考えさせて学ばせる体制ができてないように思います。
自身で考えて学ぶ能力自体は他国に負けてないと信じています。
もっと、各社員が必要とした時に自社の研究職員が蓄えた知識を
体系的に調べることができる仕組みがあれば日本のメーカーも成長する気がします。
そして、それらの新しい技術をPJ別にリファレンス実装化する役割が増えていく必要があると思います。

現在のメーカーというタイタニックから逃亡し、フリーになった人間のいうことではないかもしれませんが。

altimate

偏見も甚だしいな。狭い世界しかご覧になっていないのだろう。“IT世代”として書かれている若者が使い、生活している場に溢れるIT機器、ソフトなどのベースは主体として利用している世代より上の人間たちが基礎構築していることを忘れるべきではない。一部は除きもっと敬意を払うべきではないか。事実、IT業界に於いても現在主力のプログラマー、SE諸氏は“基礎”を知らずに物作りをしている輩も多く、失敗の多くは上辺の知識に奢って起こるものも少なくない。この点、職場でもよく指摘され反省するところでもある。最新技術を知らないようでいて(実際に知らないのに)本質を理解しリスクとその発生箇所を事前に察知できるところはまだまだ学ぶべきところが多い。勿論、全ての諸先輩がこのような方とは言えないのは明白だが。

TASUKU

"四十代後半以降のおっちゃん世代"が悪い。 というよりも経営者に代表される日本的な管理職集団。 の問題では無いですか?
現在のシステムの基礎を構築したのは、まぎれもなく"四十代後半以降のおっちゃん達"なワケですが、会社の偉い人としてふんぞり返っている人の中には、何故か、そのメンバーがいない。
という不思議な人材評価システムがまかり通っているのが日本式。 ですから。

Anubis

>Rejaxo さん

コメントありがとうございます。
実例をお聞かせ頂きためになりました。

同じ会社内でもそのような事があるんですね。
色々なケースを見てはきましたが、私の知らないような事もあるのだと感じます。

以後、コラムを書く際には参考にさせて頂きます。

>TASUKUさん
>"四十代後半以降のおっちゃん世代"が悪い。 というよりも経営者に代表される日本的な管理職集団。 の問題では無いですか?

おっしゃる通りです。サポートや営業動向をすると、そのような方に多く会います。確かに、技術を積み重ねてきたはずの人が上を見るといなかったり・・・。不思議なものです。

Anubis

> altimate さん

ご意見には異論はありませんが、言葉には気を付けてください。

>偏見も甚だしいな。狭い世界しかご覧になっていないのだろう。

コラムです。言いたいことを全て書いていては文章としてまとまりません。内容が詰めきれない部分もあります。
また、私の立場とaltimateさんの立場では見えるものは当然違います。

そこのところはご理解お願いします。今後、ご満足頂ける内容を書けるよう、努力はしていくつもりです。

今後ともご愛読頂けますよう、お願いします。

※ただ批判がしたいだけと当方が判断した場合、コメントを削除する場合があります。お気をつけください。

K.Oumi

そもそも、「世界に誇れるようなIT企業ができただろう」は、世界に誇れるIT企業が無いという事を言っているのだと思います。
さて?「世界に誇れるようなIT企業」は無いですか?私はあると思っています。

では、世界とは何を指しているのでしょうか?

米国ですか?英国ですか?その他の国ですか?
各国には、世界に誇れるIT企業がどれだけ存在しているのでしょうか。
日本vs世界では数としてかなりの差があると思いますが、では日本vs英国だとどうでしょう?
嘆くほどの大きな違いはあるのでしょうか?いったいどこと何を比較しているのでしょう?

例えば、スーパーコンピーターの世界ではどうでしょうか?
日本が誇れるIT企業が頑張っていると思いますが、いかがでしょうか?
いったい、何を持って「世界に誇れるようなIT企業」が無いと感じておられるのか・・・
また、どのような分野に対してなのか・・・
なんとなく、社会の閉塞感に寄った話なのではと勘ぐってしまいます。


「ファミコンや携帯電話でIT慣れした世代」40代50代(前半くらいかな)はファミコンや携帯でIT慣れした世代だと思います。
そもそも、これらをプロデュースしたのは40~50代の人達です。
何を持って「とにかくこの世代のコンピュータ嫌いは根強い。」と判断しているのか、とても疑問に感じます。
そもそも、ファミコンも携帯電話ももたず(またはほとんど使わず)、帳簿でなにがしかをしているような企業を見た場合の話なのではないですか?
ITリテラシーの低さは年代に依存するものでは無いと思います。その人が生きてきた環境に依存するものではないですか?
※そもそも「ファミコンや携帯電話でIT慣れ」の時点であれ?って思いますが。


「エンジニアを稼ぐための道具と考えているので、こういう状況が起きたのだろう。」
私は、企業云々というよりは、むしろ技術者側に問題があると思いますよ。
そもそも、技術者のマインドが低いのではないですか?
マインドが低いので技術自体が低いのではないですか?
だから企業の言うなりに働いているのではないですか?

高マインドな技術者、そしてそれに伴って技術のある技術者(またはそうなろうとするファイトのある人)はそれに見合った企業で働いていると思いますよ。

学生時代にも学ばず、社会人になっても学ばず、知識も技術も特に持っていない輩が、まともに給料をもらおうとしているのが日本なのではないですか?
(私の目にはそう映っています。)
国家としての戦略はあるでしょうけど、そもそも技術者のマインドが低ければ意味ないですね?
結局、自分の人生なり現状なりをどれくらい真剣に、向上心を持って考えているか、生きているかというマインドの問題なのではないでしょうか。

そういった意味では、「人の思いが未来を作る。というのは真実」だと思います。

Anubis

>K.Oumi さん
一度削除しましたが、その後、よく読み直して復活させました。

コメントについては返答を避けさせて頂きます。
問いかけが多すぎて、何を答えればいいのか判断に迷います。
率直、単に揚げ足を取りたいだけにしか見えませんでした。

※当方も誤読の可能性があるかもしれないので、一応復活させました。

K.Oumi

こんにちは。

揚げ足取りに見えますか。残念です。

ITリテラシーが低い理由、
優れた才能が埋もれてしまう理由、
「こういう状況が起きた」理由、などなど、

の考察が浅いように感じたので、問いかけという形でコメントさせていただいたのです。

また、全体的に原因を「他」技術者自身ではなく、環境や体制のせいであるとしているように読んでしまいました。対して、私は「個」つまり技術者自身であるという事を言ったつもりでした。

別に問いかけ1つ1つに回答して欲しいなんて、これっぽっちも思っていませんよ。スルーで結構です。

hogeru

altimateさんの意見は見当違いだと思う。
日本の ITが世界市場で競争力を持っていないことは厳然たる事実。

※これに異論を表明してる意見もあるけど、それは事実誤認です。
世界市場では日本の ITは本当に競争力がない。
ITというのは言うまでもないけど電子部品のことではないです。電子部品の製造や活用では日本の競争力は充分に高い。
しかしそれを応用して全体的なサービスとして構築する技術が貧弱。ぶっちゃけて言えばソフトウェア技術が呆れるほどレベルが低い。
国際競争力という点では、日本のソフトウェア技術の競争力は考えられないほど低い。世界市場で日本のソフトウェアが出回って評価されている例は非常に少ないです。
少し前まではゲームソフトは競争力を持っていましたが、これも急速に送れていています。これが現実。

その事実には何らかの理由が絶対にある。その理由について筆者は分析して自分なりの意見を表明している。
それに対して「その分析は間違っている」と指摘するのは良いと思う。しかし間違っていると指摘するなら、別の原因についてちゃんと自分の意見を筋立てて主張しないといけない。どんな意見も完全に間違っていたり正しかったりする訳はないのだから。そうでなければ意見に価値がない。
感情的な批判だけ書かれている altimateさんの意見は、単なる誹謗中傷になってしまっていますね。残念。

私の意見。
筆者の主張も1つの原因であると思う。ただ、それだけでは日本の ITが競争力を持っていない理由としては、弱いと思う。
おそらく他に、もっと強力な理由が複数あると思う。

私が思う原因は、まず「曖昧で抽象的で複雑な事柄にたいする、ロジカルシンキングの能力が日本人は低い」ということ。
また、近代(高度成長期以降)の日本では「最適化」と「多様性」を並べた時に、「最適化」の価値を重く見る価値観が定着している、ということ。
企業と言う機能体的組織では、目的達成のために体制や手段が最適化されやすいです。そのような中でさらに、「最適化」の価値を重く見る人ばかりが活動していれば、多様性がすっかり失われる。
軽視されます。
ソフトウェア開発の現場では、生産性重視の大規模工場的な体制になっていきました。効率優先の場合、即戦力が重視され、人材育成には時間やコストがかけられません。標準化された生産ラインの中で個人のスキルは狭くなり、低下し、自由な発想は抑圧される。
このような環境ではイノベーションは生み出されなくなります。イノベーションを生み出す土壌がない。
それが、日本の ITが成長しない理由だと思います。

K.Oumi

読み返すと、ちょっと自分の文章は攻撃的に見えますね。反省。

Anubis

>K.Oumi さん

コメントありがとうございます。
コメントにかかれた問いかけの部分を読み取れなかったことについて、お詫びします。

>の考察が浅いように感じたので、問いかけという形でコメントさせていただいたのです。

こちらに関しましては、実のところ当方も同じことを感じております。
頂いたコメントを色々読んでいると、抜けていた視点があったことに気づかされます。確かに考察が浅かったなと。

頂いたコメントはよく読んで、コラムの内容に活かしていきたいと思います。

Anubis

>hogeru さん

非常に興味深いご意見です。

>ITが競争力を持っていない理由としては、弱いと思う。
ご指摘のとおり、フォーカスする部分がずれた感があります。

読み直してみると、唐突に外国の話が出て内容がボヤけたか?
など思います。

hogeruさんのおっしゃる内容は、
「曖昧で抽象的で複雑な事柄にたいする、ロジカルシンキングの能力が日本人は低い」
という原因に対して、非常によく纏まっていると思います。

非常にためになるコメントでした。ありがとうございます。

誰もが考えるテーマですね。

現状、日本は負け組です。

VMwareのことで、どうしてもわからなかったことがあって、英語のVMwareコミュニティサイトで質問したら、すぐに答えが返ってきたことがあります。独創的で優秀な人はどの国でも一握りだと思います。ただ、日本語圏と英語圏で勝負をしたら、負けるに決まっています。

インターネットで世界は結ばれたのですから、これからは、自分が「日本人」としてITに携わっていると考えたらダメだと思います。グローバル人としてITに携わってもらいたいものです。

Anubis

>みながわけんじ さん

どうも、Anubisです。
このコラムを書いて思ったのは、このテーマについての関心が高い。ということです。自分たちが携わっているので、当然と言えば当然なんですが。

個人的には、自分や周りの人のスキルでしか考えて欲しくないなと。成果物を使う人を見て考えて欲しいと思い、このコラムを書いた。…が、内容を読み返すと、そこに話題の焦点が絞りきれていなかった気がします。

このテーマについては、またコラムを書いてみようかと考えています。

コメントに対しての返答としては少しずれたか?とは思いますが、今後ともご愛読いただければ嬉しいです。

ヤス

末端の技術者の若造の考えとしては、日本のITが海外に比べて伸びないのは、ギーク(ここではDB職人、プログラム職人、ネットワーク職人等技術特化な人を定義)と呼ばれる様な人たちのキャリアパスが無いからではないのでしょうか。
 日本では(少なくとも自分の周りや、ネットの記事などを見ている感じではの話しです)実装をする人よりも、設計をする人や管理(プロマネなど)の方が偉いという様な風潮がある気がします。
 技術者に求められるのが(少々極端だが)、
   ・技術力ではなく、マネジメント力。
   ・プログラミング能力でなく、ドキュメント作成能力。
   ・原理原則を踏まえた実装ではなく、その場しのぎのコピペ実装。
別にどちらかが左側があれば右側はいらないという意味ではなく、全体的に右側の人を求めている様な気がします。それ故に技術の進歩する速度が世界と比べて相対的におちているのかなぁ、と思っています。

とおりすがり

なーんかちがうなぁ。

自分の実感としては、「ITに関して言えば、マネジメントからしてピントはずれ」だからとしか・・・・・・。
日本の「優秀な技術」は、昔は「日本の会社が買い取った」だけです。
今は、ロボット技術だろうが、ソフトウェア開発の技術だろうが、基本的にITがらみのところはアメリカの大手の会社がまるごと買い取ってる。

そんだけ。

あと、プログラムとか、情報処理関連技術ってさ、機械と違って、複製簡単。なんでもコピペでいいんだよねぇ。

日本って、アイデアで勝負したように思われてるけど、アイデア勝負してきた一部の人が生まれる土壌があったわけじゃなくて、突飛で金持ち、または突飛で他人の金を奪うことが上手かった人が、成功したことが続いた、ってだけだよ。
大手の会社は、外国の製品の技術(それどころかデザインまで)を盗み、在野の金のない人のアイデアを買い取り、自分のところでは何も生み出さずにここまで来たんだよ。

嘘だと思う?モノづくりの構造調べれば常識だと思うけど。
記者には、見えないところで、泣いたり、殺されたりしてる人に光を当ててあげて欲しい。

あと、なんかこの記事全否定するようだけど、日本の潜在的能力は間違いなく「中の下」だね。これ以上は、無い。
能力なんてものは、後天的な教育でほぼ全て決まる。今のこの国の教育全般見ればわかるじゃないか。どこが教育やねん。

工業的に飛躍するには「平和」で「未来の収入の確約」があり、「教育システムが優秀」であればいいんじゃない?明治時代に日本が近代化していくために最も効果があったのは、和英辞典作った学生たちとか、あのへん周りの人物が頑張ったからさ。福沢諭吉が1万円札なのはそういう理由だ。

それから、日本の雑多なITの大半、および大手の仕事のかなりの割合のものの品質は「相当低い」です。

作り手も、評価する側も、かなり低い。
中国のこと悪く言うけど、外国で買えば、日本製と大差ないよ?日本に対してひどいものを送るのは当たり前として、そういう会社「も」あるだけだよ。

結局「奪った金か、受け継いだ金」で、面白いものを買う。
その後、日本の場合「判断力に乏しい労働力に働けと言う。逆らわないが、生活の大半を会社に依存させることで、死ぬまで働いてくれる。それに報いるつもりはないが、そこから簒奪するコストも掛けたくないから放置」

この国を支えたのは、たったこれだけです。これが通じただけです。

Anubis

> とおりすがりさん

内容がブツ切れになっていたので繋げておいた。
私の視点と合っているかは置いておいて、視点としては良い視点だと思う。

内容に対して根拠もつけているので、
人に出しても恥ずかしくない意見として通ると思う。

私の読み古されたコラムに付けるコメントにしては惜しい。
一本のコラムとしてまとめて公開してみてはどうだろう。
あと少し、内容を整理すれば十分に通じる。

匿名

日本のITは大まかに分けて2つあり、業務職が強い方は幾分ましだが、殆ど脚光をあびる事がない。
もう片方はアニメ色や、色物感が強すぎて根っこから腐っているが、新規参入などの面でも、後者の腐っている方が参入口が広いため、後者の人口ばかりが増えることになるため、結果的に今のような衰退を招くことに繋がっている。

始まりは天才だったが、
今ではただの人災になってしまっている。

匿名

まず労力に対する費用が払われてないから人が集まりません、仕事に対する明確な報酬が無ければ人は働きません。日本は能力のある人は海外に出てしまう現状が出来上がってます。特にITに関しては時間給ではなく能力給でないと残念ながら成り立ちません。
日本はIT分野で遅れてます、原因は、キャリパスが無さと、消費者天国である事です、費用対効果。海外なら60%のプログラムでも通用するが日本だと100%を要求されます(しかも最新技術で・・・「殺意しか感じません」)それと顧客のITの理解度の低さです、勿論ITの営業ですら案件に対するスタックを明確に理解してないので簡単に出来ないことを簡単に出来ると仕事を取ってきてしまったりしますが。更に追記すると日本の企業の形態も原因かと思われます。IT関連のPMをやったことがある人ならわかると思われますがIT部門は平らでなければうまく稼働しません。日本の企業は縦型が多いです。

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