いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

SKK特集 即戦力 Part 3 ―戦慄するヒヨコたち―

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■新卒に言う即戦力とは何だろう

 最近の企業は無責任だ。新卒を募集するのに「即戦力」という言葉を使う。社会経験がない新卒の人は、この即戦力が何だか分からないじゃないか。例えば、アメリカ人をコテンパンに言いくるめられるレベルの語学力とか、新宿のど真ん中で変態仮面のコスプレをできる度胸、数学オリンピックに出れるレベルの計算能力とか、もっと具体的に提示すべきだ。

 就活をする学生たちも、求められるものだから、即戦力、即戦力と口にしだす。どんなものかも分からずに身に付けようとするので、トンカツを頼んでプリン・アラ・モードが出てくるような現象が起きる。つまり、企業に対して言いたい。「甘いんだよ」と。

■思えば自分の欲しいものさえ見失っている

 ITの現場だってそうだ。要件を出す人が、出来上がりのシステムをきちんとイメージできてなければ、きちんとしたものは納品されない。同じように、求める人材のイメージもきちんとイメージできてなければ、いい人材が来るはずもない。

 イメージというと、よく勘違いされる。イメージは願望ではない。プランだ。こういう人が来てほしいという夢を膨らますのではなく、どういう人を確保するかの計画だ。そこに現実性がなければイメージではない。妄想だ。

■妄想という敵に戦慄するヒヨコたち

 この妄想を突き付けられた就活生は大変だ。この即戦力の意味を理解できる人はいないだろう。もともと答えなどない、ただの妄想なのだから。

 社会に出た立場として思うのが、新卒に対する即戦力とは、ただのダミー要件だということだ。本当は表ざたには言えないような条件がある。ここは、会社によっていろいろ違いはあるが、例えば世渡り上手とか、要領がいいとか、基準として提示しにくい内容だろう。中には、個人的な直観とか、単に美男美女で選ぶ採用者もいるようだし。

■即戦力という裏に秘められた思い

 なぜ、新卒に対して即戦力などという言葉を使うのだろうか。それは優秀であって欲しいという思いと、自分たちに合わせてほしいという甘えが混じった一言だろう。いっぱしの企業が、本気で寝言のようなことをぼやくとは思いたくない。

 にしても、なぜ労働力を「戦力」という言葉で表すんだろうか。世界は戦争が減って平和になったはずなのに。と思ってるだけで、経済戦争に形を変えて戦争は続いているのかもしれない。きっと、考える余裕のある人は、ほとんどいないのだろう。今年の七夕は、短冊に「世界平和」と書いて吊るしておこう。そんな思いが沸いてきました。

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 コラムをシリーズ化する場合、なんか見出しがあった方がいいかなと思い、適当に考えました。

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