SKK特集 即戦力 Part 2―募集者よ、ちょっと深呼吸して落ち着け―
■即戦力という言葉の裏
即戦力の求人募集に応じて、うまくいった人というのはどのくらいいるのだろうか。それなりの数はいると思う。逆に散々な目にあった人も多いと思う。私はどちらかといえば、痛い目にあったことの方が多い。
即戦力で痛い目にあった理由として、勘違いがあったように思う。求める側が即戦力という言葉を使って、欲しがっていた人物像が見えていなかった。いや、人物像なんてなかったのかもしれない。単に「どうにかしてくれ!」という叫び声の代用として「即戦力」という言葉が使われていたようでした。
■何か不自然に感じたこと
これは特定の案件というより、求人募集の際、こういう対応をよく見かける。
- プロジェクトが炎上してるのに、面接時はやけに自信に満ちている
- 要求レベルが異様に高い
- 質問の返答が曖昧
たぶん、プロジェクトが炎上していてじっくり考える余裕がなかったと思われる。本当に欲しい人物像が見えずに、とりあえずハイズペックそうな人を選ぼうとしているのだろう。そういう考え方だと、こういう対応になるのかもしれない。
自分が困ってるのに、やけに上から目線だったりする。謙れとまでは言わないが、お願いするという姿勢はあってもいいように思う。仕事でなければそれが自然だ。自分が困ってるのに、いっぱしに要求ばっかりしてくる友達がいたとしたらどうだろう。協力するかしないかは別として、いい気分はしないだろう。
■それならいっそ「困ってる。助けてくれ!」
このようなプライドばかりが高く、押し付けがましい募集のやり方だと、働きだしてからもギクシャクしそうだ。私は実際にギクシャクして大変だった。
それなら肩肘張らずに、「困ってる。助けてくれ!」とか、「伸び悩んでる。協力を求む」とか、そういうスタンスで募集してはどうかと思った。いっそ、弱さをさらけ出して本当の会社を見てもらってはどうだろうか。
来る人のスペックも大事だけど、きちんと歯車がかみ合うことも大事だ。来る人の「がんばります!」と募集する人の「頼みますよ!」がかみ合ってこそ実力が発揮される。そのために必要なものは、実は募集する側の素直さだと考えているわけです。
■実際の即戦力
実際、即戦力として来た人が即戦力になってるかは微妙だ。戦力というより、元いる人に合わせるのがうまいという方が合っている。逆に来た人の実力が高すぎると、理解できずにうまくいかない。
そんなことで、業務を冗長化できても成長させるのは難しいのが現実だ。良きにせよ悪きにせよ、現状を作り上げたのは元からいる人たちだ。どんな人が新しく入ってこようと、もとからいる人が変わらないと組織に変化は起きない。
人を入れることで組織を変えようと思うなら、入れた人から多くを学ぶしかない。どんな有能な人が来ても、自分たちの従来の方法を押し付けてばかりでは、変化は起きない。即戦力を求めるのはいいが、即受け入れ態勢はできているだろうか。募集する人は一呼吸おいて確認して欲しい。
※SKKとは
- S 私的に
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- K コラム
コラムをシリーズ化する場合、なんか見出しがあった方がいいかなと思い、適当に考えました。