最強のエンジニアはどこにいる
■君の隣にもいる最強のエンジニア
あなたの思う最強のエンジニアとは、どんなエンジニアだろうか。スーツをビシッと着こなしたプレイングマネージャだろうか。それとも、プロジェクトの皆から信頼の厚い、コミュニケーション能力に長けたエンジニアだろうか。
これから、私がとあるプロジェクトで関わった、最強のエンジニアの話をしよう。
■俺は奴を「ソルジャー」と呼びたい
とあるプロジェクトでの話だ。初めてあの人と会ったのは、とあるミドルウェアの検証作業だった。隣のチームでヘルプ要員として、どっかからか引っ張ってきた人だった。その検証作業というのが、非常に怪しい検証作業だった。あまりにも怪しかったので、たまたま隣にいた彼と話したのが最初だった。
彼の技量はすごかった。その検証していたミドルウェアについて、メーカーサポート並に詳しかった。経験豊富で、言うこと1つ1つに裏付けがあった。また、いろいろなOSの特性もよく知っている。技術的なことに関してかなりな練達だった。プロジェクトは毎度のごとく炎上していたのだが、彼の序言をこっそり得ることにより、プロジェクトの抱えていた技術的な問題をまるまるクリアですることができた。
彼の話によれば、いろいろな現場を転々と、技術1つで渡り歩いたそうだ。分かりやすく言うなら、火消屋というやつでしょうか。あらゆる無茶と無理を乗り越えてきた猛者だった。彼に敬意を込めて、「ソルジャー」と呼びたい。
■最強とは、我々の思い描くようなものではない
ただ彼は、一般に思われるような理想的なエンジニアとはかけ離れていた。立場で言えばマネージャでも社員でもない野良エンジニア(?)だ。また、話が長く声がでかいので、隣のチームからクレームが来たりもした。そんな癖のある方だった。
そんなこともあって、致命的な危機を回避した功労者であるに関わらず、うちのチーム内での評価は高くなかった。実際、彼のすごさはきちんとコミュニケーションを取らないと分からない。
優れたエンジニアが埋もれる理由。それは、私たちが勝手に描いたイメージで判断するため、本当に優れた人を見分けられないんじゃないだろうか。
■現実とイメージ
現実とイメージのギャップで間違った見方をすると、相手の実力を見抜けない。まず、先入観を取っ払って相手と同じ目線で話してみよう。現場は意外に才気にあふれています。むしろ偉いと言われる人ほど世迷いごとをぼやく。
案外、隣でボーッとネットを閲覧してるダメダメ君が最強だったりするかもしれない。現場の低レベルさに呆れて、ネットを見てるのかしれない。事実は小説よりも奇なり。君の現場にも、最強のエンジニアがひそんでいるかもしれない。