いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

SEはほうけるか

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■頭の良さと痴呆症の関係

 一般的には、頭のいい人の方がほうけにくいと思われている。なので、頭脳労働の人の方がなりにくいと考えられるみたいです。

 しかし、あえて言おう。SEはほうけやすい業種だと。

※ただし、このコラムは科学的データに基づいたものではなく、私の経験と観察を元に書いています。

■スポーツ選手と比較してみる

 よく、体を鍛えている人の方が健康で長生きすると思われている。しかし、実際は関係ないように思う。むしろ、スポーツでは突発的な動きが多く、体に負担がかかりやすい。なので、体の故障率でみれば、普通の人よりむしろ上がると思われる。

 なので、健康で長生きという見方では、スポーツをしているかどうか、体を鍛えているかより、健康を維持するために何をやっているかが、判断のポイントになると思う。

 これは、頭をよく使うと言われるSEにも同じことが言えるのではないだろうか。普通の人より頭を使うというより、酷使しているように思う。無茶な頭の使い方をするので、どっかに負担がいってるのでは? と私は思う。

■頭を使ってるつもりで、実はそうでもない

 机に向かって、キーボードを弾いていると、なんか頭を使った気になる。しかし、細かく見ると、そうでもない。

 例えば、明らかに自分の理解力を超えたものをどうにかしようと、右往左往する。一見、すごく頭を使ってそうだが、実際は混乱しているという方が正しい。

 また、顧客の無茶な要求に対して返答する手段を探している時。頭を使うというより、悩んでいるだけだったりしないだろうか?

 実際は、結果のでない思考を繰り返していると。考えるほど、分からないことや不安、ストレスが増大します。

 つまり、頭を使って意識が鮮明になるのではなく、迷ったり悩んだりで混沌としているということです。混沌が極まれば、痴呆症に至るのではないかと思う。

■よくあるが、燃え尽きる

 会社を退社した時のことを考えてみよう。毎日、残業三昧でシステムのことしか考えなかった人が、急に暇になったと。

 考える対象がなくなった時どうなるだろうか。考えただけでも怖い。

 こういう部分が、実は肉体労働や単純労働をしている人の方が強かったりする。思考の自由が多いので、自分のことを考えてまとめられていたりします。あと、身体が資産なので、意外と無理をしません。

 単純労働、肉体労働の方が、仕事としては人間らしい動きをしています。

 そういう業界の人と比べて、やはり、痴呆症になりやすいと思います。ついでに言えば、長生きできないなと。

■ほうけないために

 実のところ、そんな対策は思い浮かばない。方法としては、仕事から離れて自分を取り戻すとかありますが、実際にそれができるだろうか。何事においても仕事を優先しないといけない状況に身を置いている人が大半だと思われるので。

 ほうけるかどうかは個人的な問題かもしれません。しかし、その裏にある問題はかなり多岐にわたり、掘り起こせば、労働環境の問題とかも出るのかもしれない。

 私たちは、思うより重大なものに対峙しているのかもしれない。

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