経歴もいいが、必殺技はあるか?
■中途採用の質問事項に足りなさを感じる
面接にいって必ず聞かれるのが「経歴」です。いままで何をしてきたか、どんなプロジェクトに関わって来たか、どんなことをしてきたか、などなど。
機械的に経歴をたどって、どの人がどういうスキルがあって、うんぬん……と考えて誰を採用するか決めているようだ。
なので、でかいとこで大きな仕事をした人が有利になる傾向があるようです。
しかし、ちょっと待て、採用担当者さん。面接を受けに来る人の何十人か1人には、一般的なスキルとは別に“必殺技”を持っている人がいたりするんですよ!
■解説しよう。“必殺技”とは?
必殺技とは、求められたスキルとは関係ないが、業務に生かせるスキルのことです。周りの人が全然知らない中でそのスキルを使うと、ケタ違いの効果を出せる。なので、こういうスキルを私は“必殺技”と呼んでます。
具体的に言うと、特定のエディタやツールを常人を超えるレベルで使いこなすとか、独自に考え出した優れたノウハウやフレームワークとか、そういうのもです。状況によっては、文章力や作図のセンスなども含まれます。
言葉では表現が難しいが、いざ目の当たりにすると効果が絶大なのが特徴です。そんなところがまさに“必殺技”なのでそう呼んでいます。
■必殺技ゆえに、準備が必要になる
ウルトラマンも、怪獣と戦って、素手で倒せないと分かってからスペシュウム光線を放つ。仮面ライダーも取り巻きをきちんと始末してからライダーキックを出す(最近のはそうでもないようですが)。
威力は大きいが、出す場面を選ぶのが必殺技です。現場に使い慣れたツールがないと真価を発揮できなかったり、事前準備に工数が必要だったりと……。そういう事もあります。効果が高い分、準備や理解が必要になります。
最初から、ポン! と出せれば苦労はいらないわけだが、そうは問屋が卸さない。効果が高い分、きちんと条件を整えないと真価が発揮されない。必殺技にはそういう特徴もある。
■現場を見渡すと、隠れた必殺技を持っている人がいたりする
しかし、実際の現場ではなかなか必殺技を拝見することがない。むしろ、仲間内で昼休みにだべっている時とかの方が必殺技を拝見する。「すっげー!」と思ったはいいが、業務開始の鐘の音とともに、そんなことを露とも知らぬプロジェクトマネージャが現場を仕切る。
仮面ライダーでいうなら、CM中にライダーキックを出されたような気分です。そいつの必殺技を、仕事で見たかった。残念な気持ちでいっぱいになる。
特撮の世界では、“ザコキャラは必殺技を出さない”というおきてがある。ザコキャラが必殺技を出すと、メインのキャラクターの立場がなくなるので出さないことになっている。現実も同じで、仕切ってる人が一歩引かないとメンツをつぶしてしまう。なので、持ってても出せない。
そんなことで、条件が整わないと出せない。そんな隠れた必殺技が、案外多く現場に埋もれているのではないだろうか。