君のプロジェクトにデータシートはあるか
■内部向けドキュメントが抜けている
どんなプロジェクトでも、必要なドキュメントってあると思う。いろいろなプロジェクトに携わってきたけど、どこにも共通して言えることがある。
内部向けのドキュメントが貧弱である。
お客様に提出するドキュメントはきちんとレビューまでするが、内部向け資料は、ドキュメントどころか一子相伝の口頭伝授だったりすることも多い。なんだ、この差は? やりづらくて仕方ない。
■何を見てドキュメントを書くか
ここで1つ、疑問に思うことがある。外部向けのドキュメントだが、いったい何を見てつくっているんだ? ということだ。最近のサーバ製品や、レポート作成ツールは優秀だ。このツールを起動して、パラメータを手書きでExcelに貼り付けているのをよく見るが……。
ちょっと待て。いきなり清書か?
確かに、簡単なドキュメントであればこれで十分だ。しかし、そういったツールで出力される情報を加工していく段階で、ちょっとめんどくさくなる。そして、そのドキュメントを活用して、別のドキュメントを作る時、がつんと工数が上がり、しかも、信頼性が落ちる。
■ドキュメントの要素を意識した書き方
ExcelやWordを使ってドキュメントを作成する時には、2つの要素がある。“内容”と“体裁”だ。実は、この2つは別々に管理する必要がある。
“内容”の部分だが、必ずドキュメントのファイルとは別に管理する必要がある。分析しやすい形式でデータシートとしてまとめる。Excelのリスト形式か、使いこなせるならAccessで管理する。そこから抽出したデータを別ファイルに保存して“体裁”を整える。というやり方です。
Excelを使用する場合、集めた情報をリスト形式でまとめないと、集計機能やフィルタ、ピポットテーブルの機能が使えない。また、データを別ファイルで保存しておくことで、ドキュメントを書き上げた後に、内容をチェックしやすくなったり、他のドキュメントを作成する際に、内容の部分だけ再利用しやすくなります。
■データシートの重要性
新しいドキュメントを書く時に、まとまったデータシートを見て書くのと、既存のドキュメントを見て書くのと、膨大な工数の差が出ます。
体裁を整えたドキュメントでは、余計な情報は削除されています。削除した情報をもう一度取得しなおすので、手間がかかり、確実性も落ちます。コピペする際に書式の情報をまで貼り付けられて、Wordのファイルがヤバイ事になったりする。
データシートに情報を別にまとめておけば、簡単に情報だけを抜き出せます。ドキュメントが簡単に作成できるので、内部向けのドキュメントの作成まで手が回るようになる。
いろんなプロジェクトに携わったけど、データを分析できるような形式で保存されたデータシートを見ることがほとんどなかった。案外、ちょっとした発想の転換で、残業は劇的に減るのかもしれない。