ドキュメントの品格
■そもそも品格とはなんだ?
品格。辞書で引いてみると、
その人やその物に感じられる気高さや上品さ。品位。
と出ていた。この「上品さ」とか「品位」って何だろうか。
よく仕事場の人と話してると、「お客さまのため」とか「エンドユーザーのため」という考え方や、対応の親切さなどを、上品さとか品位と捉えている人が多いようだ。
個人的には、これでは足りないと思う。上品さとか品位って、出すものじゃなくて「出る」ものだ。対象を選んでいる時点でこれは作りものの上品さとか品位で、本物じゃないと思う。
■ドキュメントを書くと見えるもの
よく、業務を見える化するためにドキュメントを書く。しかし、実際に見えるのは、業務ではなく、その人の“品格”だ。
例えばこういうものが現れる。
- 人に仕事を伝える気があるのか
- 考え方が整理されているか
- 読みやすい文章を書く気遣いがあるか
他にもいろいろありますが……。
また、書かれた後の、ドキュメントの扱いにも“品格”は現れる。ドキュメントのファイル更新日が数年前になっていたりすると、「ドキュメントを書く気がないな」と感じる。
どういう考え方で仕事をやっているかが、ドキュメントを読むと伝わってきます。
■品格のあるドキュメントを書くには
ぶっちゃけ、業務を回すだけなら品格もいらないし、ドキュメントさえもいらない。自分が知っていればいいのでメモで十分だ。
しかし、業務を人に伝えたり、熟考するためにはドキュメントは必須だ。人のことや、これからのことを考える心の余裕(?)がなければドキュメントは書けない。
あえてドキュメントに品格を求めるなら、読みやすさを確保するWordのスキルと、構成を練る手間が必要だ。
よく、“Wordのスキル”というと不思議そうな顔をされる。そんなの簡単じゃないかと。
しかし、実際のWordのスキルは奥が深い。本当に文章を書ける人にしか、機能の意味が分からないから……。
そこまで意識してドキュメントを書く人が少ないのかもしれません。
■もっと品格を求めたい
心に余裕がないと、品格なんて身に付かない。
お客さんとか、エンドユーザーも大事ですが、一緒に働いている人への心配りはあるだろうか。
こういうのって、数値化したり、データで伝えたりするのは難しい。作った成果物を見て、感じるしかない。目に見えないので軽視されがちだが、仕事する上で品格は重要だ。
心で感じる部分をおざなりにして、本当の成長は見込めない。そう思うからです。
何を思って仕事をしているか。ドキュメントは物語ってくれます。