エンジニアアシスタントとして細々とIT業界に生息している山田たま子(仮名)のコラム

寄り道:わたしが派遣になったワケ

»

 みなさまこんにちは。山田たま子でございます。最近急に物悲しくなったり元気が出なかったりしております。「なんぞこれ」と思っていましたら、@IT自分戦略研究所にこんな記事が。わたしの場合、まったく眠れなかったりすることもあるのですが、とりあえず自分はそういうものになっているのだと、適当に暗示かけておきました。本気にしないことも重要といえば重要なんですね。時と場合によりますけど。

 さて本題。

 今回はいつもの「ハリと潤いのある生活を目指して」から少々道を外して、派遣社員になった理由と、そこに至るまでの経緯及び考え方の変化なんかをつらつらと書かせていただきたいと思います。いつも以上に長い上に読む価値がないかもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。

■転職理由

 思うように仕事ができなくなったから。

 はい、ただそれだけです。簡単すぎますので、も少し補足します。

 わたしが新卒で就職したのは、いわゆるSIerでした。当時はSIerという言葉があまり浸透されていなかったので、親からは「派遣会社なんかに就職するなんて、みっともない」といわれました。

 なにがどうみっともないのか今でもわからないのですが、親世代は終身雇用の世代ですから、派遣という考えがよく理解できなかったんでしょうね。そのSIer会社に入社して2社ほど外注として常駐していました。仕事は事務員からオペレータとSEとヘルプデスクのごちゃ混ぜまでいろいろやってきましたが、常駐先の組織変更で今まで携わってきた業務の権限を急に取り上げられてしまいました。

 分かりやすくいうと「admin 権限がないと、ログインできないシステムにログインできなくされた」って感じです。それでも今までと同じようにそのシステム使って仕事をしろ! と要求されたわけです。今考えると外注締め出しだったのかもしれません。わたしたち外注もできる限り手は尽くしたけれど、結局自分達が不自由になるだけで良いことが1つもなく(挙句なにかあると外注のやったことにされる)仕事に対するフラストレーションがたまり、一身上の都合として退職しました。

 また蛇足ですが、この時すでに現在の夫とそこそこな仲になっており、「結婚するまで適当に派遣で働いて、嫁に行ったら潔く家庭に引っ込みたいしー」とか思っておりました。上で色々言ってるけど、理由はこの蛇足も大きかったりします。かっちょ悪いけど、事実。結局、結婚するまでそこから3年以上かかりましたけど。さらに潔く家庭に引っ込むこともできていませんけど。あぁ人生ってウマクイカナイナー(棒読み)。

■登録型派遣になって

 そんな感じでSIer会社を退職し、登録型派遣の人間として社会人復帰をしました。無事に某基幹情報系会社にSEアシスタントとして就業することもでき、そこそこ仕事もわかるようになって来た頃「打ち合わせがあるから出て欲しい」と依頼されました。

 その打ち合わせは社員による外注いじめとも受け取れるような内容でした。

 「え、そんな仕様どこにも書いてないじゃん」

 「口頭で済ませたって……。それじゃ聞いた人以外わかんないよ」

 「聞きに行きたくても、時間取らせてあげてないじゃない」

などなど、正味1時間ほどの打ち合わせで、わたしの中で疑問が出るわ出るわ。それに対して外注さんは顧客相手なのでただただ謝るだけ。これってなんか間違ってない?

 もちろん、下っ端中の下っ端がそんなこと口に出せるわけがないのですが、いくらなんでもこれでは外注さんがかわいそうだ。そう思って勝手に社員と外注の間に入るようになりました。といってもできることは限られているので、積極的に挨拶したり、「今日は社員の○×さん出張ですよ」と教えてあげたりといった「人間味」でフォローさせていただいてました。今思えばこの時の外注さんと以前のわたしが重なってたのかもしれませんね。

 と同時に「自分でできること」を考えたところ、人間味でのマナー教育しかないことに気づいたので、そちらも担当させていただきました(一応こちらは勝手にとはいかないので、就業先契約責任者に許可をいただきましたが)。SIer会社だった時に、だいぶみっちりとマナー教育をしてもらったのと、よき先輩に恵まれたおかげで人に指導をできるレベルになったようです。至らない点はたくさんたくさんありますけれどね。

■余計なおせっかい炸裂

 唐突ですが、今の若い人たちは正直かわいそうだと思います。わたしが新入社員だった頃はそれこそマナー教育に1週間もかけるくらい会社に体力があったと思うのですが(元・うちの会社がマナーに力入れすぎてただけかも)、最近はマナー研修もそこそこに現場に放り出されるわけですから。

 挙句、現場で「こんなこともできないの?」やら「最近の若いもんは」とか言われてるわけですよ。それを自社の人がきちんとフォローしてあげてればいいのですが、悲しいかな、自分のことで手一杯になっている人が多い昨今。誰もフォローすることなく、後出しじゃんけんで常に負けている若い人を見るともういても立ってもいられません。頼まれてもいないのに、スライディングヘルプしちゃいます。時々、スライディングがタックルになってますけど。

 今思うと、わたしは随分と人に恵まれていたと思います。出会う人すべてがなんらかの形で影響を与えてくれました。自分もいつか、誰かになんらかの形で影響を与えられればいいな。

 「昔たま子さんに怒られたっけ。あの時はわからなかったけど、そういうことだったのか」とぼんやり考えてもらえる時が来たら、おせっかい冥利に尽きますね。

■だが無職

……といろいろ書いてまいりましたが実はわたくし、現在人様に偉そうに何かを言える立場ではありません(元々そんな立場でもないんですけど)。

 昨年12月末日をもって、就業先との契約が終了してしまったため、現在押しも押されぬ無職。エンジニアライフに寄稿する資格すらないんじゃないかと思うようになりました(汗)。ですがエンジニアの皆さま及びこの業界に足を踏み入れたい・踏み入れたばかりの方にもう少し、いやそこそこお伝えしたいことがありますので、今しばらく本コラムにお付き合いいただければと思います。

 本コラムが掲載された後、5日ほど旅に出ますが、今後とも山田たま子をどうぞ宜しくお願いいたします。ついでに職も募集中です。職場のマスコット的存在になら多分なれます。えぇ、それって今一番要らない職種じゃないかと自覚してはおりますよ。

次回予告:あなたの行動、おいくらですか?

Comment(4)

コメント

しっぱ

こんにちは。しっぱと申します。

お仕事お疲れ様でした。
次どうなさるのか分かりませんが、今はゆっくりなさってください^^

冬うつの記事確かに怖いですよね。
私自身は本格的なものに既にかかってしまっており、精神科への入院歴もあったり・・・

まあ、そんな感じなので特別な思いをもって記事を読みましたが、冬型でなくともうつ状態だと眠気を伴う場合も多々あるんですよね。

入院中に様々な症状の方と触れ合う中で聞いたのですが、近年診断書上の「うつ病」って記載は昔よりも広い範囲を指すように最近は変わっているとの事でした。(記事の気分性障害も「うつ病」と書かれてしまう場合があるそうです)

ちなみに私は専門的に言うなら双極性障害Ⅰ型。つまり慢性的な躁うつ病です。(完治(精神病の場合は寛解と正確には言いますが)はしないといわれているやつですね)
でも、最近はこれも含めて「うつ病」で診断書も済んでしまいます。

何にしても最初に支障がでるのは睡眠ですからね。寝るのは人間の基本です!
(おかしいと思ったら早めに行くのが良いですね。悪くなると一生治らなくなります)

ってか長いですね・・・。
まあ、記事も完璧ではないということです。

で、今回のコラムを拝見して、私は初めて協力会社さんの管理を任された時の経験を思い出しました。

20代前半だった私が40歳以上の大先輩のスケジュール管理をする・・・・

めちゃくちゃ緊張していたところを協力会社の方に逆に教えて頂きました。
「自分が見られる範囲の人間の様子をしっかり見ておきなさい」と飲みながらよくいわれました。

仕事は「人」がするものなので当たり前なんですが、当時はそれすら分からず自分に与えられたプレッシャーに押しつぶされそうでした。

でも、助けてくれたのは自社の人間でなく、協力会社の方だったというのは皮肉なものですがw

EarlGrey

EarlGreyでございます。ごきげんよう。
コラム投稿楽しみにしておりますですよ!(資格がないなんてトンデモナイ

私も前職が特定派遣でしたが、幸い人間関係的にはまともでした。
代わりに勤務時間がまともじゃなかったですが。
逆に今の勤務先は勤務時間はまともですが、
人間味が少々足りないような感じです。にんともかんとも。

それにしても。契約終了は残念ですね・・・雇用保険、申請してやってください。
出勤11日以上/月の勤務期間が6月以上あれば出るはずですので<うろ覚え

第3バイオリン

山田たま子さん

はじめまして、コラムニストの第3バイオリンです。

季節性うつですか…私も心の調子を崩したことがありますが、やはり冬でしたね。
日本海側特有の、灰色の重苦しい空の下にいればテンションは極限まで下がります(苦笑)
私はもともと瀬戸内生まれの人間なので、なおさらです。

>今思うと、わたしは随分と人に恵まれていたと思います。出会う人すべてがなんらかの形で影響を与えてくれました。自分もいつか、誰かになんらかの形で影響を与えられればいいな。

私も同感です。人だけでなく、物も出来事も、過去に出会ったすべてのものが
今の私を作っていると思います。

たま子さんは、今まさにコラムで多くの人に影響を与えている最中だと思います。
次回のコラムも楽しみにしています。
それから、早く次のお仕事が決まることを祈っています。

コメントしてくださった皆さまへ。
実は本コラム執筆後、不在にしておりました。
コメントのお返事が遅くなり申し訳ありません。

>しっぱさま
こんにちは、コメントありがとうございます。
貧乏性なのか、収入がないと思うと早く職につかなければと思ってしまいます。
の割りにつく職にこだわってしまってますが(笑)
本当にお金が無いなら我侭言ってられませんものね。。

冬うつは「季節のせいだ」と考えたら割とスッキリしました。
冬の寂しさ、厳しさがあるからこそ春が待ち遠しいわけですしね。
病気だと思い込むのも良くないので、本当にしんどくなったら医者に行きます。
はっ、医療費払えるかしら。

>EarlGreyさま
こんにちは、コメントと励ましありがとうございます。
人間関係もよく、残業もほどほど、勤務体系も普通…というのは意外に無いのかもしれませんね。
私もどちらかというと「環境が悪いために人間の結束が固い」という方が多かったような(笑)
環境が悪すぎるのも問題ですけど、人間味が足りないのもイヤですよね。
お仕事は遊びじゃないとわかってはいるのですがカッチリしすぎるのも如何なものかと思います。
雇用保険は現在離職票到着待ちです。
雇用保険も毎月支払いはしていたので手続きさえすれば受給資格が得られますが、失業保険給付の前に働き出しそうです。
しっぱさまの所にも書きましたが、貧乏性なので何もしてないと落ち着かなくって。

>第3バイオリンさま
はじめまして、こんにちは。
コメントありがとうございます。

冬の日本海!聞いただけで荒波がどっぱーんと来そうな感じですね。
(全ての日本海側にお住まいの方にお詫びいたします。でもどうしてもそういうイメージが沸いてしまうんですよ。。)
瀬戸内生まれの方と聞いて、なおさらしんどいだろうなと勝手に思ってしまいました。
やっぱりお日様って偉大ですよね。
春が待ち遠しいです。花粉はゴメンですけど。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

コメントを投稿する