このコラムでは私が体験したIT業界の黒歴史を語ります。

困った持病持ち

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 お久しぶりです。朝之丞です。前回のコラム投稿から時間が経ってしまいましたこと、おわび申し上げます。

 さて、世の中には「いろいろな持病を持った方」が多いと思うが、この場合はあくまでMay Day! 風の持病持ちを紹介しよう。

  • カオス度:4
  • クライム度:4

(筆者の独断と偏見によるものです)

※これ以降の文章には、非常に生々しい描写が含まれております。ご自身の適切な判断が必要です。

■お腹に水が溜まる病気

 お断りしておくが、決して個人を冒涜(ぼうとく)するものではないということ。

 ある常駐先の社員さんなのだが「臨月のようにお腹が腫れて」いて、当時はどんな病気か分からなかった(多分腹水)。

 だが本人はまったく気にせず暴飲暴食、お酒が好きでした。ある時、さすがにまずいと思われたのか「病院に行って、水抜いてくるわ」といってしばらく入院していた。退院後、お腹がペッタンコになって元気に帰ってきた。

常駐先の社員さん:「どう、モデルみたいだろ?」

(石田純一似としておきましょう)

朝之丞:「激ヤセですね。どのくらい水を抜いたのですか?」

 などと、至極機嫌が良かったのだが、半年もしないうちにまた水が溜まってきた様子。こんなことを何回も繰り返していたのですが、今でも元気でやっているか心配です。

■サボってドライブ

 昼休み自主延長だったのかは分かりませんが、作業をしていると「お客さんのところに行ってくる」といっては、何時間か行方不明になる技術者がおりました。

 当時は携帯電話もないので、客先にTELして到着しているかどうかを確認するのが関の山ですが、あまり客先にTELしていると不審がられるので、その作戦も効果は思わしくなかった。

課長:「朝之丞くん、実はKくんが客先に行くといってはどこかで油を売っているようなんだが、今度一緒についていってくれるかい」

朝之丞:「ええ、いいですが、その日に限って客先直行だったら油を売っているのが分かりませんよ」

課長:「とりあえず、何回か一緒に行ってくれ」

 そんな事で、客先にKさんの車で行くことになったわけですが、土禁とか注文が多かった。

 いきなりで申し訳ないのですが、客先と違う方向へ……

朝之丞:「方向が違うような」

Kさん:「食後の腹ごなしだよ、ドライブ、ドライブ」

と言って三浦半島一周へ。そして、わたしには「その気」はありませんが、某ホテルのラウンジでお茶しました。これだけでは良いネタとはいえなかったので、課長には報告しませんでした。

 次の回では、

Kさん:「朝之丞さん、悪いけど今日は別々に客先に行こう」

ということでしたので、わたしは電車で客先に向かいましたが、その日はKさん、客先に現れず、動向は分かりませんでした。

 3度目は、Kさんの車で客先に向かいましたが、助手席で女性のストッキングを発見!

Kさん:「課長には内緒にしておいてくれ」

 まぁ、わたしとしては「Kさんにその気がなかった」のでホッとしましたが、それにしてもサボって何をやっていたのやら……。

 このKさん後日談があって、あまりにサボるもんだから(その他諸々あり)、会社を「お疲れさん」になった後、風俗店で知り合った女性(フィリピンの方)と結婚して向こうに行ったのですが「兄弟が多くて、面度見切れん」と離婚して帰国したそうです……。

■ゲーマー

 ある職場で、異様に顔が生白い技術者がおりました。

 寡黙にやるタイプで、ハッキリいって「できる技術者」だったのですが、できる技術者だからこそデスマーチ中でも定時退社だと思ってました。ある時、聞いてみたことがあります。

朝之丞:「Sさんはものすごく仕事が速いので、それでいつも定時退社なのですか? 定時退社したあと何かやっているのですか?」

Sさん:「朝之丞さんは鋭いですね。実は僕はゲーマーなんですよ」

 「ゲーマー」、その当時初めて聞く言葉でした。今と違ってオンラインゲームなどない時代でしたから、

朝之丞:「ファミコンとかですか?」

Sさん:「いや、アーケードゲームの基盤を買ってきて自宅でやっているの……」

 と、その時、急にSさんが泡を吹いてイスに座った状態でそのまま後ろにぶっ倒れた。

課長:「おーい、Sくんがまた癲癇(てんかん)起こしたぞ」

朝之丞:「え、えっ」

 ゲームのやり過ぎに注意です。

■傾向と対策

 読んでいただいて、何となく今回の「カオス度 4、クライム度 4」というのはお分かりになっていただけたかと思う。

 こう綴(つづ)ってみて「懐古趣味ではないが、当時を振り返ってみて、わりと牧歌的だったな」と思った。言い換えると「妙に憎めなくて、人間くさい」。

 現在なら「お腹に水が溜まる病気」も社内検診で分かるであろうし(確かに彼はいつも2次検診で引っかかっていたが)、外回りの営業マンがサボってパチンコ程度の話は耳にしていたが、「サボってドライブ」やっているとお疲れさん(クビ)の可能性が高い。

 さすがにドドーンと倒れた時にはビックリしたが、Sさんに至っては「仕事ができるゆえに課長も黙認」みたいなところもあったはずだ。

 人それぞれに、息抜き方法が違うようです。

 息抜きは息抜きとしてイイのですが「仕事に影響を及ぼすとは何事だ!」みたいなこともいいません。ただ、程々に息抜きしちゃいましょう。

 今回はかなり豪快な「持病持ち」を書いたのだが、現在、ここまで豪快な人読者の周りにおられたら教えてください。

次回予告 :「肉食系男子自動車選手権」

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