町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その30 最低の装置から最高の装置へ!

»

ってことで、二週間が過ぎた頃に私は藤田班長に直訴した。「藤田班長、もう二週間経っていますけど装置は全く停止しなくなりましたしそろそろ元のスピードに戻してもらえませんか?」って頼んでみたのだ。すると「ちょっと待っててくれ!」と行って事務所へ行ってしまった。たぶん、課長の許可を確認しに行ったのだろう。数分後,私の装置のとこに戻ってきて「そしたら72枚に上げてみよう!」ということで、元のスピードには戻してもらえなかったのだが、今の60枚から72枚にスピードを上げてくれることになったのだ。周りの装置よりも8枚ほど遅いスピードである。

そこへ杉本がやってきて装置のスピードを調整し始めた。こいつしか出来ないからね。そして、あのどん底の状態からスピードアップして初の稼働開始である。結果はダントツのトップになってしまった。昼勤だけで周りの装置と比べても数千枚の大差をつけてトップになったのだ。夜勤で桑田先輩が来たので一部始終を話した。桑田先輩も喜んでいましたね。このときはマジで嬉しかった。ミソッカスにされて装置のスピードまで下げられて甘利に散々馬鹿にされて、そこからの大逆転だったのだミソッカスからトップになったんだもん。その嬉しさと言ったら言葉では言い表せなかった。そして次の日の日勤、引継ぎノートに昨日の夜勤の状態が書かれていたのだが「絶好調!」とだけ桑田さんの名前で書かれていた。生産数を見てみると昼勤、夜勤、ともにトップだったのだ。

そこへ藤田班長が生産数を調べに来た「お 相当な数があがってるな!」さすがにびっくりしたようだった。そこへ何故か杉本までもがやってきて自分のことのように「数はちゃんと出てるんだよ!」って藤田班長に言っている。今まで何もしてくれなかったくせにこんなときだけ自分の手柄のような振る舞いをしやがったのだ。しかしコイツは仕事はマジで優秀にこなす人であった、こういう人間て珍しい。まあ杉本のことはどうでもよいのだが肝心の私と桑田先輩の装置の方はこの後もトップを維持してその月の月間の稼働率がトップになったのだ。

しかも、周りよりもスピードが8枚もおそいのにトップになったのである。そしたら急に例の甘利の態度が豹変した。「たいき、ここの装置はすげーな。このまま走り続けてくれよ」って、さんざん馬鹿にしてたくせに急に愛想が良くなりやがったのだ。私が最初に仕事を教わった石上先輩は「さすがだな!」って言葉をかけてくれたのだ。それからというもの、私と桑田先輩の職場での立場はミソッカスから一転して一目置かれるようになったのだ。だが、事情をわかっていない連中は、この装置は課長がスピードを下げたおかげで治ったと勘違いしているようであった。特に課長なんかは「これは俺の提案なんだ!」って豪語していたからね。でもこの課長、杉沼課長って言うんだけど実は超いい人だし、仕事も凄くできる課長なのだ。しかし、藤田班長と共に後に会社全体を揺るがす横領事件の首謀者になる人である。このことは後程書こうと思う。

Comment(2)

コメント

勝ち逃げ先生

ここまで拝読した限りでは杉沼課長の良さが全然理解できていないのですが、まぁそれはどうでも良くて、一気にサスペンスの要素が加わりましたね。ラノベ感覚で楽しんでましたが、次回以降がさらに楽しみになりました。

たいき

勝ち逃げ先生
ありがとうございます!当時はほんとにいろんなことがあり過ぎました。ww

コメントを投稿する