筆者は1970年生まれ。先輩から、情報技術者を目指す若い方へ生きてゆくためのコラムです。

工業高校生の就活について(2)

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 続いて、第2弾です。いやあ、オレ、これでも工業高校の生徒の皆さんに飽きられないように、随分苦労してるんだぜい。コラムニストカードは届いたかな。なに、捨てた? ……まあ、捨てられていないことを信じて、今日もコラムを書きます。

 また、paperboy&co.の「ブクログのパブー」にダイジェストを掲載しましたので、最初から読まれたい方は、そちらをご参照ください。 http://p.booklog.jp/book/1792

■これは取って欲しい、必要最小限の資格

 IPAの、ITパスポートぐらいは取っておきましょう。昔で言う、初級シスアドの資格ですね。これは、現役ほど有利です。学んだばっかりですからね。……あ、今から秋試験に間に合うんだろうか。もう少し早く言っておけば良かった。あと、3年生は、Linuxもやっているそうなので、ここはいっちょ、LPIC Level1を取っておくと、より有利ですね。

 これは、プロメトリックなどの受験の際に、図書館カードと学生証(原付の運転免許証でも可能)といった、2種類の身分証明書が必要になるからです。プロメトリックは、端末の前で問題を制限時間内に解いていきます。これは、MCP、CCNAでも一緒です。資格の種類によって、お金や制限時間が微妙に違うのですが。

 また、英語力に自信がある人は、TOEICを試しに受けるだけ受けておきましょう。だいたい、300点前後だと思います、はじめは。就職しても、英語力を高めることは重要です。なぜなら、英文のマニュアルやWebページの技術情報などを当たる際に、英語力は必須だからです。無理矢理900点満点を目指せとは言いませんが、目標を600点程度に、ゆっくり頑張っていきましょう。ちなみに、僕は予備知識なしで受験して、トータル395点でした。

 まとめると、工業高校の検定だけでは、就職に有利に働かないということです。学生でいる間は、自由時間も多いので、職に就いてからの勉強は、空き時間を利用したチマチマとした学習になりがちです。社会人は、覚えたそばから忘れていく。仕事で忘れる。夜な夜な飲むと忘れる。寝て起きたら忘れる。そんなことのないように、今のうちに、できるだけ資格武装しておきましょう。

■スーツを揃えて、ビシッと決めろ!!

 ともすれば、学ラン、ブレザーで面接に行きがちですが、ちょっと待ってー!! ここは、安物でもいいので、スーツを買いましょう。一揃えでいいです。できれば、破けた時用に、2パンツスーツの方がお得です。面接官は、社会即戦力を求めています。ここはいっちょ、デキる男になろうじゃないか、野郎ども!! たとえ、何社落ちたとしても、胸を張れ!!

 そして、校内でごく微量(?)に存在する女子に向けてですが、即OLスタンバイOKな格好でお願いします。化粧はOLデビューしてからでいいでしょう。逆に、初々しさを出すために、ブレザーでもいいかも知れませんね。「この子採用したい」と思わせることが第一です。

■何をアピールするかということ

 最後の授業も、卒業研究もまだな中で、何をアピールするかということが大事です。現時点で得意なこと。部活だって、運動だって、勉強だって、資格取得だって、何だって頑張っていれば、頑張る姿勢を見せていれば、企業は悪い顔はしないでしょう。

 なにせ、前職がないのですから、在学中に、何か1つでいいので、「売り(自分の持ち味)」と、「必殺技(スキル)」を、それぞれ用意しておきましょう。企業は、あなたのガッツ(死語)を買います。耐久性を買います。企業が考えることと言えば、一部の意地悪な人事は、人材だって、ひとつの固定費が発生する耐久消費財ぐらいにしか考えていない場合がありますので、仕事でスタミナ切れが起こらないのも、売りになるでしょう。

■新卒というチャンスは一度きり

 僕は昔、先生から「お前ら、これは飯の種ですよー」と言われたことがありました。最初は何のことか分からなかったのですが、「これは、お前らが、一本立ちするための技術ですよー」ということが、遠く隔たった兵庫県に来て分かりました。幸いにして、みなさんは、首都圏に住んでいます。それは大きな利点です。正社員の仕事量と仕事の質は断然首都圏です。

 新卒で、首都圏で職が探せる。工業高校は、普通科よりも、断然求人数が多い。ここはぜひ、新卒、首都圏というチャンスを活かし、そして、新卒というチャンスは二度とは来ないので、良い会社に就けることを、遠くで願ってやみません。

 (なに? まずは、自分の心配をしろ? へえ)

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