勉強嫌いな学生の皆さんへ
僕は中学高校と、勉強が大嫌いでした。たぶん今でもそうです。なぜこんな面倒くさいものを学ばなければならないのか、それに、なぜ難しい教科書を読まなければならないのか、ちっとも合点がいきませんでした。そのために、工業高校ではあまりの難しさに、一時、神経症を起こして登校拒否になったり、身体が弱って、マイコプラズマ肺炎になったりしたので、後の通信制高校では、それを学び戻すのに苦労しました。
■教科書は「勉強オタク」が書いているから難しい
同じ事柄を説明するのでも、もっと平易な言い回しがあるはずです。学生さんが、教科書だけでは意味不明なのはもっともな気がします。教科書の筆者が、持って回った書き方をするので、よけいに勉強嫌いになるのは、当然のことだと思います。大人になった今では、これが何たるかが理解できたのですが、15歳~16歳がマトモに読んで分かる書物ではないなあと、電子技術などの教科書を見て思うのです。なので、大人になっても、教科書は捨てないで欲しいのです。大人になって見返すことも多いので。特に、理数系の教科書です。一例として、統計確率や、集合は、情報技術者試験にも出てきています。
■先生の中にも「勉強オタク」がいる
義理人情が余りない、勉強のことしかアタマにない先生方も中にはおられます。この人から勉強を取ったら、社会不適格者なんじゃないかとおぼしき、「勉強オタク」がおられます。教える才能に長けても、その人から勉強を取り除いたら、何にも残らない、そんな人がいることは確かです。事務的で、声をかけても、知らんぷりズムな先生、多いですよ。仏頂面で、鉄面皮千枚張りの先生、中にはおられますよ。あと、宇宙人みたいな先生、多いですよ。気をつけて付き合わないと、身が持ちませんね。
■なぜ電気科、情報科に微積分が必要か
当時、なんで微積分をやらなきゃなんないの、めんどくさい……と思っていましたが、これは、案外電気分野で役立つのでした。たとえば、アナログ信号、特に正弦波(サインカーブ)はもろに微積分ですよね。いまこの瞬間に何ボルトあるのか。逆に、何ボルトあるときに、どの角度で何ラジアンか、というのが必要になってきます。交流の送電などにも役立つと思います(皮相電力、でしたっけ)。
また、A/D、D/A変換にも活かせると思います。特にA/D変換。この瞬間に何ボルトあるのかが分かるのです。まあ、D/A変換は、ラダー抵抗で充分復号が可能なのですが……。ともあれ、知っておく事に、無駄はないのです。逆に(いまの僕もそうですが)知らない、ということは、恐ろしいことだ、というわけで、お金と学問は邪魔にはなりませんので、しっかりたくわえておきましょう。
■勉強オタクじゃない先生を「恩師」にしよう
僕は、公立の高校に行きましたが、その時、ダメダメだった僕の数学のご指導を願ったのが、中学校で数学を教わったM先生でした。いまだに交流があります。たまに東京に行くと、秋葉原で飲んだりもします(ゴチになる、とも言います)。現在は、印旛郡市のとある中学校の校長先生で、ちょっと秋田弁が混ざる、木訥な方です。義理人情に厚い方です。
この方は勉強オタクじゃない先生でした。あくまで数学は、解法パターンの会得と反復練習。要は「アタマのスポーツだ」ということを学びました。たまに、電話をかけます。「確率で、6C4って何でしたっけ」とか。もう卒業して20年以上にもなるのに、僕みたいな生徒を抱えて、苦労なさっていますが……。
■情報技術者にとって勉強はエンドレス
アラフォーが取る資格は、ハイレベルなものが要求されます。アラフォーになって安穏としていられたのは、昔の話です。僕は、応用情報の午前問が終わったら、高度情報に挑戦しようと思っています。また、中小企業診断士や、社会保険労務士などにも興味があります。通信教育のパンフレットを請求中です。
主に、工業の情報技術科、商業の情報処理科の生徒さんに申し上げますが、高校で勉強したことがすべてじゃなくて、情報技術者は毎年のように何かの資格に挑戦しなければいけません。これで終わり、じゃなくて。もっとも、資格がために、かんじんの仕事がおろそかになるようでは、本末転倒ですが。
■努力は胸にしまって
会社員ともなると、時間配分が大変です。寸暇を惜しまず勉強しなければなりません。そんな努力は胸にしまって、通常業務に励みましょう。阪神大震災の前後一両年、神戸市長田区の青雲高校、普通科通信制で僕は高校3~4年次を学び戻しました。4年次では学級委員長で、文化祭を盛り上げました。その際、学校特別賞をいただきました。おかげさまで、14単位オーバーの94単位を取って卒業できました。
たとえ就職に不利であっても、十歳代で勉強が大嫌いでも、万策尽きても道はあるので、いま勉強が嫌いでも、間に合わないということはないのです。ただ、それ相応の苦労や、侮辱の言葉は世間からは浴びせられますが……。鉄は熱いうちに打った方が社会的には有利なのですが、とはいえ、学問をすることに、有効期限はないのです。
ファイト!/中島みゆき(歌詞)
■学校の先生も勉強している
前述のM先生はいま、学校管理者としての何たるかを勉強しておられます。それも、余暇を割いてです。もうじき定年かな? 次は顧問かな? というようなお年でも、書を執って勉強しておられます。勉強しなくてもいいのに、まだまだ勉強するおつもりです。さすがは教育者。どこまでも勉強しておられます。それについて、威張る訳でもなく、誰かに吹聴する訳でもなく、淡々と、マラソンを走るように「あ、オレ、いま勉強してるよ」という感じにです。
実力がある人ほど、それはそれは、あっけらかんと、難しい勉強をされています。どんな分野にあっても、どんな社会的地位にあっても、勉強は死ぬまでエンドレス。休むときは休んで、走るときは走って、それなりに頑張ろうではありませんか。
余談ですが、応用情報技術者試験の受験票が届きました。「ついに、来た!!」 ああ、もう半月を切っているのですね。これは運転免許の筆記試験より難しいかも知れませんね。ジタバタしても仕方がない、淡々と受けましょうか……なお、当落について、受かったら「午前試験受かったー!!」とか、うれしそうに言うかも知れませんが、もしも黙っていたなら、そのへんの事情は、推し量ってやってくださいね。それに懲りずに、二度三度と受けますので。
(というわけで、勉強はエンドレスだ、というお話でした)