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404.Not Found (日産のプライド)

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初回:2025/2/19

 ホンダと日産の経営統合が破談になったニュースで持ちきりですが、原因として『日産のプライド』が邪魔をしたという論調を多く見かけます。私は逆に、『日産(の経営陣)にはプライドが無かった』のが原因だと思っています。

P子「404.Not Found に掛けただけじゃないの?」※1

 まあ、タイミング的にはいい感じの番号になったので、経営破談の話か、初任給爆上がりの話か悩んでいたので、こちらにしました。

P子「所で、日産にプライドがなかったことが原因って、どういう事」

 それを今から説明したいと思います。

1.プライドとは何か?

 まず、この話をするうえで『プライド』の言葉の意味について、再確認しておきましょう。

 ≪参考資料1≫
  https://kotobank.jp/word/%E3%81%B7%E3%82%89%E3%81%84%E3%81%A9-3185997
  デジタル大辞泉 「プライド」の意味・読み・例文・類語

  〘 名詞 〙 ( [英語] pride ) 自分の才能や個性、また、業績などに自信を持ち、他の人によって、自分の優越性・能力が正当に評価されることを求める気持。また、そのために品位ある態度をくずすまいとすること。誇り。自尊心。自負心。矜持(きょうじ)。

 私自身は、プライドを高く持つように心がけています。ただ、先の説明文と異なるのは、他人の評価に重きを置いていないという事です。

  自分の才能や個性、また、業績などに自信を持ち、品位ある態度をくずすまいとすること。誇り。自尊心。自負心。矜持(きょうじ)。

 つまり、私は、プライドを高く持つために、努力したり品位ある行動を心掛けているという感じです。

P子「じゃあ、日産はホンダの子会社になることで、他の人によって、自分の能力が正当に評価されていないと感じたってこと?」

 日産(の経営陣)が自身の能力や立場をきちんと認識できていれば、ホンダの子会社になるという選択肢も呑んだと思います。プライドが邪魔したのではなく、きちんとしたプライドを持っていなかったのが原因でしょう。

2.本当のプライドと日産(経営陣)の考え

 プライドを別の言葉で述べると、『誇り。自尊心。自負心。矜持(きょうじ)。』と言い換えることができます。こちらの方が判りやすいでしょう。

 例えば、豪華客船が沈没しそうになったとしましょう。その場合、船長は乗客・乗員がすべて脱出してから、一番最後に下りると言います。又は、その船とともに沈むという話も美談としてあるかも知れません。これは船長としてのプライドであり、誇りだと思います。
 私が思うに、船が沈没しそうになってから覚悟を決めているのではなく、船長になると同時にそういう覚悟を決めるのだと思います。もしかすると、そういう覚悟のある人しか、船長として任命されないのかもしれません。

P子「今じゃ、そういう考え方もハラスメントっていわれるのかもね」

 映画の話なので真実は知りませんが、タイタニックで、船の設計者は、最後まで残って船とともに沈みました。船上でパニックを鎮めるための音楽隊も最後まで逃げずに演奏を続けていました。そういう『自分の才能や個性、また、業績などに自信を持ち、品位ある態度をくずすまいとすること』=プライドを持つという事だと思います。

 さて、日産という大きな船が沈没の危機にあります。その時に経営陣はその船を動かしている船長という立場です。この船長達は船が沈もうとしているときに、どういう判断をしたか考えてみましょう。

P子「当然、最後まで責任を持ってかじ取りをするんでしょ」

 今回の決断はそういう風に見えません。

 つまり、日産という船が沈むには、やはり3年とか5年とか、もう少し時間がかかるでしょう。少なくともホンダの子会社になって役員の数を減らされたり報酬を減らされたりするよりは長い時間がかかります。つまり船が沈むまでの時間に、出来るだけ自分達だけは利益を得ようと考えたのではないのでしょうか? すでに自分達は、過去に十分な報酬を得ていつ隠居しても良い状態...つまり安全なゴムボートに乗っている訳で、日産が沈もうがどうなろうが、知ったこっちゃない人たちです。

 だから、本物のプライドを持っているなら、まず自分たち自身が身をもってそういう態度を示すべきで、今回の統合破談はプライドを持っていなかったこと=自分達さえよければ、日産という会社や従業員、取引先がどうなっても構わないという判断の結果だと、私は思っています。

P子「辛辣な意見ね」

3.自己責任の弊害

 いつ頃からだろうか。自己責任という言葉が一般的に使われるようになったのは...。

 確かに努力しましょうとか、日々勉強しましょうというのは大切な事だと思いますが、その結果の責任を個人に背負わすというのはどうかと思っています。

P子「あなた、能力主義否定派だもんね」

 ん~、私的には平等というのを出来るだけ実現したい派という感じですが、『何を平等にするのか問題』というのがあります。つまり成果に応じて報酬を出すのが平等であるのか、結果ではなく努力に対して平等にすべきか、単に頑張ってようと、遊んでいようと平等にすべきか...みたいな問題です。さらに結果の平等を考える場合、スタート地点の平等をどうするかという問題もあります。まあ、この話は、また今度。

 話が逸れましたが、自己責任の弊害が大きくなってきていると感じています。自己責任というのは自分さえよければよい、なぜなら努力しているから...という発想になりがちです。自分が優秀で才能があり、今の地位は努力の結果掴んだのだから、他の人より恵まれていても当然だ...みたいな発想です。

 ≪参考資料2≫
  https://president.jp/articles/-/91875
  やっぱり日本は官僚天国だった...森永卓郎さんが最期まで訴えた「国家公務員の給料もらい過ぎ問題」の理不尽さ
  民間の平均年収よりも287万円も高い
  PRESIDENT Online
  森永 卓郎
  経済アナリスト、獨協大学経済学部教授

 国家公務員とか官僚とかは、国を動かしている人たちです。日本丸という大きな船を動かしているのですが、その日本丸が大変なことになっていると私は感じています。それはすぐに破綻するとかそういう問題ではなく、このまま、じり貧というか、ますます住みにくい国になりつつあります。

 ですが、日本丸を動かしている官僚たちは、自分達の優位性は当然の権利と考え、苦しんでいる国民は努力が足りない、自己責任の結果だと考えているのかもしれません。

 もちろん、国家公務員にならなかったのも自己責任ですし、国家公務員1種(国家公務員総合職)になれなかったのも自己責任です。しかし、昔の公務員というのは、もっと真摯に自分たちの立場をわきまえて、国民のために仕事をしていたように感じます。これが、国家公務員の『プライド』みたいなものだったと思うのですが、今では利権をむさぼりつくしているようにしか思えません。

P子「今の官僚や公務員もきちんとしている人も多くいるし、昔も悪代官みたいな天下り官僚はいたんじゃない?」

 ただ、昔なら、国民のために努力するというのが普通の考え方で、今は自分が努力した結果を受け取るのは当然の権利だというのが普通の考えになっている気がします。

4.まとめ

 日産の経営陣が自分たちの利益優先で経営判断しているというよりも、日本の官僚や議員さん、一般のサラリーマンにまで至る、今の日本全体に広がる空気みたいなものかもしれません。その考え方の元凶が、自己責任という言葉のような気がします。

 もちろん自己犠牲が美徳とまでは言いませんが、国家公務員も国会議員も大企業の経営者も、もっと『プライド』を持って任務を全うしてもらいたいと思います。

 ほな、さいなら

======= <<注釈>>=======

※1 P子「404.Not Found に掛けただけじゃないの?」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。

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