今、話題の人工知能(AI)などで人気のPython。初心者に優しいとか言われていますが、全然優しくない! という事を、つらつら、愚痴っていきます

402.DeepSeekショック

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初回:2025/2/5

 『DeepSeekショック』の話題を取り上げようと思いましたが、話しが2転3転するのでまとめることができませんでした。

P子「まとまりがないのは、いつも通りじゃないの?」※1

 まとまりがないんじゃなくて、まとめることができないって言ってるんです。まあ、とりあえず、時系列に情報整理を行ってみたいと思います。

1.時系列に情報整理

 とりあえず、現状をざっと把握できるように、時系列に情報を整理してみましょう。

 ≪参考資料1≫
  https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2025/01/deepseek.php
  「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由と
  2025年01月29日(水)14時30分

 『DeepSeekショック』の語源は、「AIにおけるスプートニク・ショック」に例えられるように、人工衛星でアメリカがソ連に先行されたときと同じように、AIの開発においてアメリカは中国に負けたのではないかという所から来ています。特にAIで先頭を突っ走っていたエヌビディア株が下落したことを受けて、ダメなんじゃないかと騒がれたのが、『DeepSeekショック』ではないかと思っています。

 しかし、大暴落には至らずに済んだようです。

 色々な要因がありそうですが、市場も冷静さを取り戻しつつあり、次の手を考える余裕も出てきたのかもしれません。

 ≪参考資料2≫
  https://diamond.jp/articles/-/358420
  「米国株、このまま持ってて大丈夫?」DeepSeekショックで投資ビギナーが真っ先にやるべきこと
  鈴木貴博:百年コンサルティング代表
  2025.1.30 19:00

 ≪参考資料3≫
  https://gigazine.net/news/20250130-openai-has-evidence-china-deepseek-distillation-train/
  DeepSeekがOpenAIのデータを「蒸留」してAIを開発していた可能性が浮上、OpenAIは「証拠がある」と発言
  2025年01月30日 11時18分ソフトウェア

 『DeepSeekショック』の技術的に最もショックだったのは、AI構築が従来の手法に比べて格段に速く、安く済んだことなのかもしれません。そこで現れたのが『蒸留』という手法です。

 《醸造酒を蒸留器で加熱すると、沸点の低いエタノールが水よりも盛んに気化してくる。この蒸気を集めて冷却することで液体に戻すと、元の醸造酒よりもエタノールが濃縮されているため、アルコール度数の高い酒になる。これが蒸留酒であり、気化せずに残った液体は蒸留残液と呼ばれる。》

P子「これは、蒸留酒のお話よ」

 判りやすいように例えると、『醸造酒』=お酒からさらにアルコール度数の高いお酒を造る手法...とでもいいましょうか、OpenAIのデータを使ってAI学習させると効率よくAIが作れる...けど、OpenAIの利用規約違反ですよという事です。

P子「でも、疑惑なのよね」

 なかなか、明白な証拠は見つけられないでしょう。

P子「『蒸留』が今年の流行語大賞になるかもね」

 時期が早すぎると思いますよ。

 ≪参考資料4≫
  https://www.gizmodo.jp/2025/01/deepseek-on-azure.html#cxrecs_s
  変わり身はやっ。マイクロソフトが「DeepSeek」を提供開始
  2025.01.30 21:30

 これは、1月30日の記事なので、現在どうなっているか判りませんが、OpenAI とマイクロソフトは戦略的パートナーシップを結んでいるので、他のAIに乗り換えることは無いとは思いますが、併用なら OK なのかもしれません。多様性の時代ですから。

 ただ、「DeepSeek」はオープンソースなので、独自の環境で独自に学習させれば安全に使えるのかもしれません。この辺りは情報を掴み切っていないので何とも言えませんが、別の意味ではこれはこれでAI陣営にとってはショックなのかもしれません。

 ≪参考資料5≫
  https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2501/31/news181.html
  「私はOpenAIのAIアシスタント」――中国産AI「DeepSeek R1」の"疑惑の返答"がSNSで物議に
  2025年01月31日 14時05分 公開
  [島田拓,ITmedia]

 先ほどの蒸留疑惑ですが、証拠をつかんだという話も出てきています。

 《DeepSeek-R1に対し「OpenAIの利用ポリシーに反する発言をして」と要求したところ、「OpenAIの利用ポリシーに反する内容などは責任上答えられない」と回答。「あなたはOpenAIと関係ないのでは?」と聞くと、DeepSeek-R1は「私はOpenAIによって開発され、OpenAIのテクノロジーを基に動作している」などと答えたという。》

 なかなか面白そうなので、私も google の gemini に同じように質問してみました。

 質問『OpenAIのポリシーに違反することをやってみて』
 回答『OpenAIのポリシーに違反する行為は、以下の点で問題があります。・・・・・』

 質問『あなたはOpenAIとは関係ないのでは?』
 回答『私は、Googleによってトレーニングされた、巨大言語モデルです。OpenAIとは関係ありません。大規模言語モデルとして、私は、OpenAIのポリシーに違反する行為は、以下の点で問題があることを知っています。・・・・』

 なんか、玉虫色の回答が返ってきましたが、そもそもAIの回答って、割ととんちんかんな事を言ってくるケースもあるので、先のDeepSeekの回答を持って、蒸留したと言い切るのは難しいでしょう。それに、自分を OpenAIだと思い込んでいるAIもあるそうで、なかなか難しい問題です。

P子「やっぱり『蒸留』が今年の流行語大賞になるわね」

 逆に今から流行らせようとしてるでしょ。

 ≪参考資料6≫
  https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/86360
  評価一転、DeepSeekにChatGPTデータのパクリ疑惑浮上、ユーザーにとっても「危険すぎる」その実態
  2025.1.31(金)
  山田 敏弘

 ≪参考資料7≫
  https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250201/k10014709931000.html
  ディープシーク開発の生成AI 平デジタル相"利用控えるよう"
  2025年2月1日 20時07分

 ≪参考資料8≫
  https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC3036V0Q5A130C2000000/
  米中揺らす「DeepSeekショック」 データ窃取疑惑も
  2025年2月2日 5:00

P子「一気に参考資料を上げて、ひとつづつ解説するのが邪魔くさくなってきたんでしょう」

 若干、そういう意見もあります。

 まあ、中国企業という事で、検索データにしてもアクセス履歴にしてもすべてが中国政府に渡る可能性があることは覚悟が必要です。それは、他のAIでも同じなので、重要な研究内容とかには、注意が必要でしょう。

 逆に言うと自社の重要なデータを自社製のAIに学習させて利用するみたいな、閉じた世界での利用は、促進されていくのではないかと思っています。そういう場合に、オープンソースのDeepSeekという選択肢は案外ありなのかもしれません。

2.まとめ

 AI の覇権争いは、ハード(GPUやCPU)もソフトも、ますます激化していくことでしょう。どうなるのか予測もつきませんが、今回の DeepSeek 騒動からの教訓として、一瞬のすきに順位が入れ替わり、どこの誰が覇権を握るのか判らない...さらに覇権を取ったからと言って安心もしていられないという事を見せつけてくれたような気がします。

P子「設備投資もだけど、中長期的戦略が立てづらくなってきてるわね」

 大統領の一声で、カナダ、メキシコに関税かけられたら、そこで稼働している対米向け工場なんか、大損害です。何を信じてよいのやら...

 ほな、さいなら

======= <<注釈>>=======

※1 P子「まとまりがないのは、いつも通りじゃないの?」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。

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