388.ラズパイ無双[33.AI HAT]
初回:2024/10/30
久しぶりの『ラズパイ無双』と行きたいと思います。
P子「半年ぶりね」※1
前回の『360.ラズパイ無双[32.AIカメラモジュール]』が、2024/04/17 なので、半年ぶりという事になります。実際、Pi 5 が出たり、OSが変わったり、Pythonのバージョンが上がったりすると、その都度プログラムの動作確認やら最新の文法に合わせたりと手間暇がかかるので、なかなか追いつきません。
なので、今回は、製品紹介という形にしたいと思います。
P子「要するに、プログラムの紹介が邪魔くさくなったのね」
そんなことは無いようなことは無い感じもしないでも無いかもしれないことも無い気がしないでも無い様なことも無いかもしれません。
P子「そのフレーズは、もう聞き飽きたわ」
1.Raspberry Pi® AI HAT+
まずは、プレスリリース から。
≪参考資料1≫
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000178.000064534.html
Raspberry Pi財団が2024年10月24日に新製品「Raspberry Pi® AI HAT+」を発表、
SSD新製品とともにスイッチサイエンスウェブショップでも販売開始
株式会社スイッチサイエンス
2024年10月24日 16時34分
この中で紹介されているのが、3種類の製品です。順を追ってみていきましょう。
■「Raspberry Pi® AI HAT+」販売情報
商品名 Raspberry Pi AI HAT+(13TOPS版)
価格(消費税込み) 13,310円
商品名 Raspberry Pi AI HAT+(26TOPS版)
価格(消費税込み) 20,350円
《解説》
「Raspberry Pi AI HAT+」は、Hailo 8/8L AIアクセラレーターを搭載したRaspberry Pi 5用の拡張基板(HAT+)です。Raspberry Pi 5(4 GB / 8 GB)上で優れた推論性能(最大13TOPSの製品と最大26TOPSの製品があります)を発揮させることができます。Raspberry Pi AI KitのHATとモジュールが一体化した後継品です。
さて、値段はともかく、少し気になったのはその性能指標でしょう。
26TOPS版 ... FLOPS(フロップス)というのはよく聞く性能指標だと思いますが、TOPS(トップス)というのは余り聞きなれないかもしれません。ご存じのように、FLOPSは、1秒間に処理できる浮動小数点演算の回数で、TFLOPS なら、1秒間に1T(テラ)=1兆回の動小数点演算ができることを示します。同様に、TOPSは、整数演算を1秒間に何兆回できるかを示す数値という事になります。
マイクロソフトが、『Copilot+ PC ハードウェア要件』として、40TOPS以上 のニューラル処理装置 (NPU) を搭載と言っているので、今後、AI関連の性能を推し量る際に重要な指標になるかもしれません。
≪参考資料2≫
https://support.microsoft.com/ja-jp/topic/copilot-pc-%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E8%A6%81%E4%BB%B6-35782169-6eab-4d63-a5c5-c498c3037364
Copilot+ PC ハードウェア要件
P子「じゃあ、26TOPSってCopilot+ PCの最小要件よりは小さいけど、そこそこの性能は出るってことね」
所が、どうもそう簡単な話でもないようです。
≪参考資料3≫
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/shimizu/1600748.html
「Copilot+ PC」登場でもう「AI PC」も時代遅れ!? "NPU"、"40TOPS"など要件の疑問に迫る
清水 理史 2024年6月24日 06:00
40TOPS以上 という言葉だけではなく、ニューラル処理装置 (NPU) を搭載 という所も、曲者みたいです。
上記の筆者さんは、GeForce RTX 4060 Laptop GPU を搭載しており、「223TOPS」のAI性能を持っているが、「Copilot+ PC」の要件にはあてはまらず、「旧世代AI PC」の扱いになってしまうそうです。
問題は、要件に当てはまらないからと言って、性能が悪いという事でもないようです。
TOPS 以外に、トークン/秒 という指標もあるようで、AI性能の覇権争いも、今後ますます激化していくかもしれません。
2.Raspberry Pi® SSD Kit
≪参考資料1≫ の2つ目の製品紹介です。
■「Raspberry Pi® SSD Kit」販売情報
商品名 Raspberry Pi SSD Kit 256GB
価格(消費税込み) 8,030円
商品名 Raspberry Pi SSD Kit 512GB
価格(消費税込み) 10,670円
《解説》
「Raspberry Pi SSD Kit」は、「Raspberry Pi SSD」と「Raspberry Pi M.2 HAT+」がセットになった製品です。SSDがはじめからRaspberry Pi M.2 HAT+にマウントされているので、開封後すぐRaspberry Pi 5と接続できます。SSDは256GBのものと、512GBのものがあり、1レーンの PCIe 2.0バス使用で、4KBランダム読み込み時に256GB版は40000 IOPs、512GB版は50000 IOPs、4KBランダム書き込み時に256GB版は70000 IOPs、512GB版は90000 IOPsの性能を発揮します。
また、なじみの薄い性能指標が出てきました。90000 IOPs という箇所です。
IOPSは『Input/output operations per second』の略で、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ストレージエリアネットワーク(SAN)などのコンピュータストーレジデバイスの入出力性能特性を示す単位です。
≪参考資料4≫
https://ja.wikipedia.org/wiki/IOPS
IOPS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
P子「ハードディスクって、今まで、1分あたりの回転数(RPM)で判断していたわ」
7,200 RPM なら、だいたい、75-100 IOPS 位だそうで、SSDの 90000 IOPs なら、900倍から1200倍程度の I/O性能が出るってことです。HDDの最高速度的には、15,000 RPM が限界でしょうし、速度だけで言えば、SSDの完全勝利と言ったところでしょう。
3.まとめ
ラズパイも、本当に性能が高くなってきました。もちろん、PCはさらに上をいくのですが、それでも出来ることが増えてくるというのはうれしい事です。基本的には現場端末として考えているので、もう少し性能が落ちても価格が安い方が好ましいのですが、こればかりは何とも言えません。
P子「なら、Pi 5 とかじゃなく別のシリーズにすれば?」
『帯に短し襷に長し』というか、技術者の性というか、一番でなきゃ嫌なんです。
P子「my mother(わがまま)ね」
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1 P子「半年ぶりね」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。