今、話題の人工知能(AI)などで人気のPython。初心者に優しいとか言われていますが、全然優しくない! という事を、つらつら、愚痴っていきます

374.『葬送のフリーレン』から学ぶビジネススキル(14)

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初回:2024/07/24

 『葬送のフリーレン』を、1話づつ振り返りながら、ビジネス的な考え方を伝えていこうという企画です。

 今回は、第14話 『若者の特権』に基づいて話そうと思っています。

P子「フェルンの『むっすー』顔と飛行魔法の秘密が語られる回ね」※1

#14 若者の特権

 あらすじ
 https://frieren-anime.jp/story/ep14/

1.思いは言葉にしないと伝わらない(1)

 僧侶ザインがパーティーに加わり、フリーレンとフェルン、シュタルクの4名で大きな町に訪れていた。そんな中、フェルンとシュタルクが喧嘩をしていた。「今日フェルンの誕生日なんだけど、シュタルクがプレゼント用意していなくてね。それでフェルンがキレちゃったの」とフリーレンがザインに説明した。ザインがフェルンに説明するも怒りが収まらないのかフェルンがザインをローキックで攻めた。ザインが「追いかけた方がいいと思うぜ」といいフリーレンも「行った方が、いいんじゃない」と背中を押した。

 シュタルクを広場で見つけたフェルンだったが、なかなか声をかけることができなかった。そこでザインに近づいて声をかけた。ザインはシュタルクのフォローをしつつ、フェルンにアドバイスした。「仲直りしたいんだろう。想いってのは言葉にしないと伝わらないんだぜ」

 一昔前の職人であれば「背中を見て学べ」という言葉で教育しているつもりだったかもしれませんが、現在はそういう事では若手が育ちません。というか、これは、まず教えを乞うものが『学びたい』という強い意志と、根気強い時間が必要です。職業自体の範囲も種類も深さも増えている現在、その職業を時間をかけて学ぶだけの価値があるかどうかを見極めるのは大変ですし、そもそも、ビジネスの移り変わりが激しい現代では、そんなに時間をかけて学習している暇はありません。

P子「つまり、きちんと教えないといけないってこと」

 これが非常に難しい。いくつもの難題が待ち構えています。

 例えば、上司が仕事について色々と説明したとして、聞く耳を持たない部下からするとうっとうしく感じます。と言って部下が質問してくるまで待っていても、いつまで待っても質問に来ない場合もあります。

P子「説明下手の上司と、質問下手の部下ね」

 まあ、質問する方も、上司の時間を奪うわけで、質問するタイミングや内容の精査、質問の仕方など考え出すときりがありません。なので質問をするテクニックに気を使うケースもあるのでしょう。

 それに、私は質問に対して答えを言いません。

P子「いじわる?いじめ?クエスチョンハラスメント?」

 『魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ』(授人以魚 不如授人以漁) という格言があるように、お腹を空かした人に一時的に魚を与えるよりも、魚の釣り方を教えれば一生食べていけるという感じです。もちろん、空腹で今にも死にそうな人に対して、釣りを教えるのはナンセンスなので、時と場合を選びます。

 要するに『自分で考える癖をつけさせる』ことが重要という事です。

 教える方も、教わるほうも、きちんと言葉にしないと伝わらない事って、多くあると思います。

2.思いは言葉にしないと伝わらない(2)

 フリーレン一行が村の商人の馬車に乗せてもらっていました。フェルンが新しいブレスレットを付けているのをフリーレンが見つけました。「かわいい意匠だね。私同じデザインの指輪持ってるよ」「前にヒンメルに貰ったんだ。多分フェルンと、お揃いだよ」とフリーレンがカバンの中を探していたのですが、なかなか見つかりません。やっと見つけた瞬間、馬車が空中に吹っ飛びました。鳥型の魔物に馬車ごと持っていかれました。

 脱出方法を検討している面々だったが、ザインが「どちらにせよ、早くした方がいいんじゃないか。こいつ獲物を地面に叩きつけて、狩りをするタイプの魔物だぜ」と忠告した。フリーレンが鳥型の魔物を退治し馬車が地面に落ちる瞬間に馬車を浮かせる魔法で、どうにか人や馬は無事に着地できたが、馬車は修理が必要なくらい壊れてしまった。

 ある夜、馬車の修理が終わった事をフリーレンに伝えに来たフェルンが、フリーレンに質問します。「毎晩、抜け出していますよね。 何を捜しているんですか」フリーレンは「ヒンメルから、もらった指輪」と答えます。馬車が魔物に襲われたときに、フェルンに見せようとしていた指輪がその時に無くしていました。

 フェルンが「これと同じ鏡蓮華の意匠の指輪だったんですよね。花言葉は久遠の愛情だそうです」と伝えるも、フリーレンは「どうでもいい。ヒンメルも、そんな花言葉知らなかったと思うよ」と答えた。

P子「フェルンもヒンメルも、花言葉の意味を知ってたのね」

 その話をすると、商人が「言ってくださればよかったのに。私の村でも、昔から装飾品を失くされる方はそれなりにいました。"失くした装飾品を探す魔法"。今回の報酬として、お渡しするつもりだった魔法の一つです」と答えた。

P子「そのものずばりの魔法というか、偶然を通り越しているわね」

 さて、今回もフリーレンは他の人の迷惑にならないように、毎晩こっそりと一人で探していました。もし、フェルンが見つけなければ、そのまま旅立っていたのかもしれません。ただ、最初に指輪を無くしたことを言っていた場合、そんなご都合主義の魔法を商人が持っている確率は非常に低いので、何人かが指輪の探索に協力するので馬車の修理時間が長引いた可能性があります。

P子「ヒンメル像の周りに蒼月草の花畑を出す魔法のために、半年近く探してたもんね」

 フリーレンもだいぶ人間の時間感覚に合わせられるようになってきているので、多分みんなで探すのを拒否していたことでしょう。

 これらの話で、ビジネススキルに通じるお話というのは非常に難しいのですが、結果がどうなるにしても、まずは情報交換...つまり指輪を無くしたことをまずは打ち明けて、どうするかをそれから考えればよいのではないかと思っています。

 物語的には『失くした装飾品を探す魔法』で一見落着ですがこんなにうまく行くことは余りありません。が、全くないとは言い切れません。まして、会社では色々な知識やノウハウを持った人たちがいるので、相談することで解決する可能性は、魔物に馬車ごとさらわれて指輪を無くす確率よりはるかに少ないのではないでしょうか?

P子「発生頻度と魔法の存在確率で言うと、現代社会での発生確率は限りなくゼロね」

 完全にゼロでしょう。

3.報連相 のお話

 言葉で伝えるという話で有名なのは『報・連・相』ではないでしょうか?

 ≪参考資料1≫
  https://mieru.info/blog/oldspinach/
  報連相は古い!時代遅れ!日本だけ!本当の意味でなければ必要ない!
  2023 DEC 11

 ≪参考資料2≫
  https://plus.nbc-consul.co.jp/blog/the-secret-to-training-subordinates
  「おひたし」「こまつな」「ちんげんさい」
  2023.06.27

 時代遅れという意見もありますが『報・連・相』の基本的な考え方は、上司による部下の進捗管理を行う事です。ホウレンソウの代わりに「確認・連絡・報告(かくれんぼ)」というのもありますが、相談の代わりに確認に置き換わっただけで『自発的に考えさせる』と言っても、最終的には上司が部下を管理することに変わりはありません。

P子「部下を管理しないなら、上司なんていらなくなるわよ」

 この話は別の機会に行うとして『ホウレンソウ』も『かくれんぼ』も結局、タイミングについては述べられていません。そこを明確にしない限り、結局は報告や確認のタイミングが遅れたり十分に時間が取れなかったりします。連絡も報告も同様です。

P子「週次会議や朝一番のスタンドアップミーティングとか時間を決めれば?」

 週次じゃ遅すぎるのですが毎朝のミーティングではほんとに報告と連絡のみになりかねません。と言って毎日問題を提起されるようなプロジェクトって、すでに終わってると思います。

 なので、最初に行うのはその会社や部門、チーム、職種などに応じたタイミングのルールを決めることだと思います。

4.まとめ

 『言葉にしないと伝わらない』とはいうものの、伝える方も伝えてもらう方も色々な事情や相手への気遣いがありなかなか素直になれない所があります。さらに、伝え方もストレートに言うべきか、相手に考えさせるべきかなど、時と場合も考慮する必要があります。

 実際のところ、タイミングのルールを決めても、忖度が入ってなかなかルール通りに実施できないケースもあるでしょう。しかし、ルールがあれば、気兼ねなく相談できるケースは増えると思います。

 もっと機械的に行う方法があれば、便利なんでしょうね。

P子「AIに登録しとけば、お互いの都合の良い感じで意見交換できる時代が来るかもね」

 ほな、さいなら

======= <<注釈>>=======

※1 P子「フェルンの『むっすー』顔と飛行魔法の秘密が語られる回ね」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。

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