331.原発稼働 賛成? 反対?
初回:2023/9/27
最初に私自身の立場を明確にしておく必要があるかもしれません。
私は、『今の原発行政には反対』ですし、『ほかに選択肢がないから原発推進』という考え方にも反対です。というより、原発に賛成とか反対とか言う前に、『思考停止になること』が一番嫌いなことです。
P子「結局、どちらの立場なの?」※1
『ほかに選択肢がないからとりあえず再稼働』という感じでしょうか?
P子「思考停止してない?」
つまり、思考停止せざるを得ないように、政府が国民を誘導しているという事でしょう。
P子「お得意の政府陰謀論ね」
1.賛成派と反対派について
まずは、原発再稼働について、国民の意見を見てみたいと思います。
≪参考1≫
https://www.asahi.com/articles/ASR2M7V76R2MUZPS003.html
原発再稼働、賛成51% 震災後初めて賛否が逆転 朝日新聞世論調査
有料記事
2023年2月20日 15時36分
あの朝日新聞の世論調査で、賛否が逆転したというのですから、本当に逆転したのでしょう。
P子「他の新聞社の集計では、とっくに賛成派が上回ってたものね」
もう一つ。賛成派の意見と反対派の意見も見てみましょう。
≪参考2≫
https://ore30.com/nuclear/iken.html
みんなの自然エネルギー
原子力発電の賛成派・反対派の意見
さすがに双方、まともなご意見だと思います。
しかし、そういう意見ではなく、何かの記事とかで原発反対の意見などが掲載された場合のコメントなどに個々に書き込まれた意見は、もっと単純なことが多いと思います。そういう時に決まって賛成派の方々が言うセリフがあります。それは『原発に反対するなら電気を使うな!』です。
P子「原発止まってる間は、推進派の人こそ電気を使ってほしくないわね」
それは、同じ土俵で喧嘩してるようなモノなので、おすすめしません。
また、火力発電の場合は、石油の安定供給とか、世界規模の課題である『CO2排出問題』があるので、国内問題である『核廃棄物の処分』とか『事故発生時のリスク』についての優先度は若干落ちるかもしれません。
P子「優先度って言っても、結構重大な国内問題よ」
後は『高い電気代を払えるのか!』でしょうか?
ここでは、その反論に対して、思考停止にならず、もう少し考えてみたいと思います。
2.原発の電気代は本当に安いのか?
ここでは、賛成派の心のよりどころとなっている『原発の電気は安い』について考えてみたいと思います。
≪参考3≫
https://www.eco-sawada.com/blog/3110/#i-3
原子力のメリット③発電コストが安い
2022年09月22日
ご存じかもしれませんが、原発を建設するとか、地元に誘致する場合、莫大な補助金が支払われます。
≪参考4≫
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221110/k10013886991000.html
原発再稼働の交付金 隣接する県も対象に 経済産業省が制度改正
2022年11月10日 19時20分
当然、これらは税金から支払われているので、電気代には含まれていないからと言って発電コストとしては含むべき金額でしょう。
また、東日本大震災からの復興に使われるべきお金、すべてとは言いませんが、原発事故に関連するお金も含まれています。
≪参考5≫
https://www.nenkin.go.jp/faq/jukyu/jukyushatodoke/rourei/fuyoushinkoku/shotokuzei/20140421-17.html
ページID:170040010-646-761-078
更新日:2019年9月2日
復興特別所得税額とは何ですか。
『平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間に生ずる所得について、所得税の2.1%相当額』の何割かは原発の電気代として加算すべきでしょう。
さらに現在稼働している原発の安全性についても、どこまで信用できるのかすら疑問です。福島第一原発の津波対策も現場の声が届かなかったのも大惨事の原因の一つですし、実際にきちんと安全対策を行うと、もっと高額な電気代になると思っています。
≪参考6≫
https://apinitiative.org/2022/03/10/34927/
【福島原発事故11年】東電の津波対策はなぜ先送りされたのか? 「民間事故調」報告書より
論考 / 2022/03/10
そうやって色々と考えると、本当に原発の電気代は安いのでしょうか?
3.熔融塩炉の未来
もう一つ。
例えば、火力、水力、太陽光などの発電以外にも、原子力発電よりも安全性の高い『トリウム熔融塩炉』というのがあります。
≪参考7≫
https://wired.jp/2012/05/03/thorium/
SCIENCE2012.05.03
トリウム熔融塩炉は未来の原発か?
これは、10年以上前の記事なので、それからほとんど進んでいないのか、情報が隠蔽されているのかわかりませんが、簡単に言うと、何か災害が発生したとしても現在のウラン型原発に比べて、爆発要因が無かったり、容器を溶かして外に流れ出しても一定期間で放熱をし終えると固体となって固まるなど、緊急事態のリスクは少なくて済みます。
P子「でも、全然聞かないから難しいとか建設費が高いとか課題が山済みなんじゃないの?」
実はそこは判りません。
先の記事では、普及しない原因として、『核兵器に使えないから』と書かれていますが、私が別の記事で見たのには、核の燃料棒の利権が絡んでいるという事が書かれていました。つまり、燃料棒ビジネスですね。
P子「都市伝説なのか陰謀論なのか不明なネタね」
4.まとめ
電気代の計算方法にしても、『原発は安い』と安易に考えるのではなく、きちんと検証すべきでしょう。
それに、『安全』が一番最後になるという事も考えたうえで、現状の原発ではない、代替えエネルギーをきちんと研究していく必要があると思っています。
P子「復興特別所得税額が防衛費に回されるなんて、最悪だわ」
原発がミサイル攻撃を受けないように防衛する金額も、原発で発電する電気代に含めて計算する必要があるかもしれませんね。
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1 P子「結局、どちらの立場なの?」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。
コメント
たいき
福島第一原発の事故前、事故後で放射能による健康被害は一切ありません。放射線測定地もまったく変化せず。メディアが無知な大衆の生き写しでデマを流して煽っているだけです。詳しくは環境省のホームページに記載されています。
ちゃとらん
たいきさん、コメントありがとうございます。
コメントの趣旨が、今一つよくわかっていませんが、コラムの趣旨としては、『原子力の電気は安い』というのは、本当なのかを考えてみよう、という事です。
原発事故で、健康被害はなかったとしても、生活被害は相当数に上りますから、本当は、それに対する補償も十分に行うべきで、それらの料金まで含めると『安い』なんて言えないんじゃないかと思います。