248.ミス・事故・失敗
初回:2022/3/16
今回は、少し言葉遊び的な志向で書いてみたいと思います。なので、厳密な意味での言葉の定義ではなく、何となく私の個人的なイメージという感じで読んでください。
P子「『個人の感想です』って言ってるの?」(※1)
まあ、コラムなんてすべて個人の感想みたいなもんですから。
1.ミス・事故・失敗
私の中では『ミス』というのは、ボーとしていたり考え事をしていたりして集中力を欠いていた状態で、意図しない結果を招くことだと思います。
P子「ものすごい言い回しね」
簡単に言うと不注意から発生します。
次に『事故』ですが、これは集中力もあり、きちんと対応しているにもかかわらず、発生する意図しない結果の事と定義します。
簡単に言うと注意しているにも関わらず発生します。
P子「同じことを2回言ってるわよ」
最後に『失敗』ですが、これは『成功』を目指した結果、ある程度の確率で発生する事象です。なので『失敗』自体は何らかの『挑戦』の過程で『必ず』発生します。
P子「『必ず』発生するの?」
もし失敗が無いとすれば、それは挑戦していないという事です。出来ることを出来る範囲でやる分には、失敗の確率は格段に下がるでしょうし、ほとんど不可能に近い挑戦ならば、ほとんどが失敗で終わるのが世の常というものです。
P子「深いのか浅いのか判らない言い回しね」
2.ミス・事故・失敗の責任は?
さて、世間でよくあるのは、不注意によるミスの責任は個人にある...みたいな考え方です。コーディングミスやデータ移行ミス、本番切替ミスなど、担当者の不注意で発生したミスの原因は担当者の責任であり、始末書では今後は気を付けますとか、気を引き締めて精進しますとか、そういう言い訳になる事が多いと思います。
事故に関しての責任はというと、準備不足とか、予測が間違っていたとか、チェックが甘かったとかそういう言い訳になるかと思います。
例えば、サーバーを手配しており、納品された機器のスペックが足りなかった場合、事前に性能チェックしていない場合はミスかもしれませんが、手配した型番と違う機器が納品された場合や、納期に間に合わないなどの場合は事故となり、手配を早くしておかなければいけなかったとか、業者に納期確認を頻繁に入れておかなければいけなかったとか、色々な再発防止策が考えられますが、実際には避けられないケースが多いと思います。
最後に失敗ですが、難しい課題にチャレンジした結果の失敗なので、これの責任を追及するのは間違いです。ただし、失敗をそのまま放置しておくのも間違いで、なぜ失敗したのか、どうすればよかったのかを検証しておく必要があります。つまり、責任というのは失敗の責任ではなく失敗から学ばない場合に責任が生じると思います。
P子「結局のところ、誰が責任を取るの?」
そこです。ミスの責任は当事者ではない。事故の責任を当事者に責めるのは酷です。ましてや失敗の責任...反省会は組織で取り組まないと、もったいないです。
つまり、責任を取るのは『責任者』と言われる人たちという事です。
P子「当たり前の事ね?」
本当に当たり前の事でしょうか? つまり、責任者が責任をきちんと取っているのでしょうか?
3.責任の取り方
責任者と言われる人達の責任の取り方というと、担当者をつるし上げたり、担当者に責任を取らせようとしたりすることが、責任者の使命だと勘違いしている人達も多くいます。
P子「多くじゃなく、少しは...でしょ」
例えば、ミスについては、システム化することである程度防げます。システムというとITシステムをイメージするかもしれませんが、ここでは『誰でも同じように決まった手順で作業ができる』ものと考えてください。究極は自動化ですが、まずは注意散漫状態であっても同じ手順で黙々と作業を行うことができるならば、ミスをする確率も減ります。そういうシステム化を進めるというのが、責任の取り方です。
事故についても、過去のノウハウを蓄積して事故の発生確率を減らすようにすることが責任者の責任の取り方です。
失敗については、すでに述べましたように、失敗した人を責めないという事が大切で、失敗から学ぶ行動が責任者の責任の取り方でしょう。
4.まとめ
あくまで個人的な考えですが、担当者個人にミスにしろ事故にしろ責任を取らせるのはよくありません。なぜなら、組織としての改善がなされない可能性が高くなります。なにか問題が発生した場合に責任者が責任を取る...再発防止策を練って、組織として対応するのが結果的に組織の成長につながると思っています。
P子「無理くりまとめたって感じね」
ほな、さいなら
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※1 P子「『個人の感想です』って言ってるの?」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。