176.低賃金から抜け出せない

初回：2021/8/30

P子「あなたの事？」（※1）

　違います...って、違わないけど...

1.低賃金の日本

　かつては、経済大国ともてはやされていた日本ですが『失われた30年』は取り返せるのか、はたまた、ジリ貧のままこの先復活しないのか...

《参考資料》
　　https://diamond.jp/articles/-/278127
　　日本人は韓国人より給料が38万円も安い！低賃金から抜け出せない残念な理由
　　2021.8.2 5:20

　特集『安いニッポン 買われる日本』（全24回）の第一回で、初回のみ無料という事です。低賃金なので、有料会員になれないので残りはタイトルのみ見ています。

P子「それって、有料（優良）会員じゃなく不良会員ね」

　韓国人より日本人が優れているべきとかいう『優勢思想』とかじゃなく、単に同じように働いていても給料が違うというのは、やはりなんだか悲しくなってきます。

P子「『優勢思想』って、先週の続き？」

　最大の問題は、20年間賃金が上昇しなかったということだそうですが、もちろん、平均賃金という指標が実態を表しているのかどうかは、ご自分で判断してください。

P子「3200万円もらってる部長と、200万円もらってる社員9名の平均給与は、500万円だもんね」

2.日本は出世するだけ損？

　もう一つの参考資料です。

《参考資料》
　　https://diamond.jp/articles/-/278144
　　日本企業の経営幹部の給料が「タイ・フィリピン以下」の衝撃、日本は出世するだけ損？
　　ダイヤモンド編集部 杉本りうこ：副編集長
　　2021.8.10 5:25

　こちらは、経営幹部の給与が世界水準と比較して少ないという事です。

　面白いのは、こちらの統計では、スタッフ（平社員）の給与は高水準だが、課長や部長、役員クラスの給与が世界的にみると低いという事です。

P子「つまり、さっきの『3200万円もらってる部長』のお話は、他国の事で、日本は本当の平均って事？」

　考え方としては、そういうことになります。

　この手の話は、色々な考え方ができると思います。

　例えば、日本の幹部の給料が安いのは、実際それだけの仕事をしていないから...とか、単に終身雇用で年齢が来たから課長になったとか、上司にゴマすりが上手で昇進したとか...

P子「上司の話になると、やたらと無能扱いするわね」

　ただ、こういう記事が出ると、ますます貧富の差が広がるので少し心配です。

3.貧富の差は広がるのか？

　昔のように工業製品を人が組み立てる場合、均質で高品質な製品を作るには、均質で高品質な作業員（従業員）が必要です。ところがビジネスの形態が変わり、少人数の優秀な人がいれば、機械化や自動化で大量生産できるし、機器をマイコン制御することで、多品種大量生産も可能になってきています。

　また、ソフトウエアの重要性が高まるほど、少ない優秀な人間がいれば対処できます。ソフトウエアは、工業製品と違い、無劣化でいくらでもコピーが可能です。

P子「でも、IT人材不足って言われているわよ」

　あれは、巧妙に仕組まれた罠です。例えば、野球の『大谷翔平選手』のような人材が欲しいと思った場合、野球を志す多くの少年を育成し、何十年、何百年の歳月をかけて発掘する必要があります。すべての野球少年が大谷翔平選手になれるわけがありません。

P子「そんなこと言ったら、多くの野球少年の夢が壊れるわよ」

　私もキャッチボールくらいはしてましたから。

　それに、私の知っている範囲でのIT人材不足は、昔ながらの非効率な業務に合わせたゴリゴリのカスタマイズや、同じようなソフトをあっちこっちで再作成したりといった、無駄な事に多くの時間と工数を取られているのが原因だと思います。

　つまり、そういう雑務のような事しかしていないIT技術者は、人数はいても安月給で、一握りの優秀な技術者のみ高給取りになるという、そしてそういう人材をうまく活用できる経営者がさらに高給取りになるという、貧富の差はますます広がると思います。

P子「じゃあ、どうすればいいの？」

　考え方としては2つあると思います。

　1つは、一握りの優秀な技術者になって、高給取りになる事。もう1つは、そういう優秀な技術者を活用する側に回る事。

P子「凡人IT技術者が優秀なIT技術者を活用なんてできないでしょ」

　一つは、オープンソースの世界だと思います。あそこには優秀な人材がいっぱいいます。その成果物を活用するには、同じようにオープンソースの世界に飛び込むべきです。優秀じゃなくても構いません。そういう活動が重要です。

　そうして、予算的にも潤滑な大企業が優秀な技術者に好きに仕事をさせて、オープンソースに協力すれば、それを活用できる平凡な技術者にも活路が見出されます。それらの世界は、スタートラインは同じなので、アイデア勝負になるからです。

P子「なんか、誘導してない？」

　気のせいです。

　ただ、企業単位で成果物を独占するのではなく、全世界で共有することで生産性をアップして経済格差を小さくしていければよいと思っています。

4.「最高の国」ランキング

　所で、こういう統計もあります。

《参考資料》
　　https://newsphere.jp/national/20210422-1/
　　「最高の国」ランキング、日本2位　起業家精神は1位　米誌
　　Apr 22 2021

P子「起業家精神 1位って、おかしくない？」

　まあ、詳細は上記記事を読んでみてください。ただ、どういう指標かは判りませんが、悪くはないですよね。

　もう一つ。

《参考資料》
　　https://newsphere.jp/topics/most_innovative_organizations_2021_2/
　　日本から29社「世界で最も革新的な企業100社」10社は10年連続
　　May 12 2021

　革新的な企業で、10社は10年連続だし、全部で29社もランクインしているというのも信じられませんが、信じましょう。

P子「何それ？」

　こちらも、怪しいというか、何か裏がありそうな気がしますが、悪くはないですよね。
　つまり、日本も『失われた30年』を取り返すチャンスが『まだある』という希望が、あるような気がするようなことは無い感じもしないでも無いかもしれないことも無い気がしないでも無い様なことも無いかもしれません。

P子「そこはごまかすんだ」

　ほな、さいなら。

======= <<注釈>>=======

※1　P子「あなたの事？」
　P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。

スピンオフ:CIA京都支店『妖精の杜』

　ここはCIA京都支店のデバイス開発室。安らぎを求めて傷ついた戦士が立ち寄る憩いの場所、通称『妖精の杜』と呼ばれていた。

　P子：CIA京都支店の優秀なスパイ。早坂さんにはなぜか毒を吐く。
　早坂：デバイス開発室室長代理。みんなから『妖精さん』と呼ばれている。

　P子：「『『失われた30年』何とかなりそう？」
　早坂：「個人的には無理だと思う」
　P子：「なんで？」
　早坂：「国民の意識が低いからだよ」
　P子：「また、国民を敵に回すの？」
　早坂：「内閣支持率が30％切ったといっても、自民党支持率は40％以上あるって...」
　P子：「他がどうしようもないから、残ったのが自民党って事でしょ」
　早坂：「それはそうだけど、今のままじゃ、この先も失われ続けると思うよ」
　P子：「残念な国になったわね」

《参考資料》
　　https://dot.asahi.com/wa/2021061200009.html?page=1
　　菅総理と玉川徹氏 どっちが正しい？ 「国民はそれほど馬鹿なのか」
　　古賀茂明 2021.6.15 07:00

　　　安倍さんの政治哲学：「国民は馬鹿である」
　　　　　1．ものすごく怒っていても、時間が経てば忘れる
　　　　　2．他にテーマを与えれば、気がそれる
　　　　　3．嘘でも繰り返し断定口調で叫べば信じてしまう
　　もちろん、本人が言ってるわけではありません。

　　https://news.yahoo.co.jp/articles/f05d561a7b848d7b0da5eff9a095f2106e5530d1
　　ひろゆき氏、炎上中のDaiGoにアドバイス
　　　謝罪は"質より量"「2週間で文句言う人はいなくなる」
　　8/18(水) 18:49配信