今、話題の人工知能(AI)などで人気のPython。初心者に優しいとか言われていますが、全然優しくない! という事を、つらつら、愚痴っていきます

138.新社会人に対して伝えたいこと

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初回:2021/3/29

1.便乗します

P子「季節柄のネタね」(※1

 私は普通、アドバイスというのは行いません。

 なぜかというと、人それぞれ得意な事と不得意な事、性格や好みも違うので、ある人がうまくいった手法をまねても上手くいかない場合があります。なので、個人個人と面と向かって話が出来る場合には、アドバイス的なヒントは出すことはありますが、結局は本人がその気にならないとダメなのと、その人が自分で考えて理解し、自分のものにしないと、活用も出来ませんから『私ならこうする』ということしか伝えません。

 長々と書きましたが、これが伝えたいことになります。

 其の1『すべての助言やアドバイスは、自分なりに理解し自分のものにすべし』

 そんな中で、私が最も重要視している事柄で、唯一アドバイスする事があるとすれば、以下の事です。

 其の2『納期厳守』

 なんだ、そんなこと...と思われたかもしれませんが、そんな事です。

2.納期厳守とは?

 納期厳守については、少し説明しておきます。

 新社会人が仕事をする上で、特に注意すべきなのは納期管理です。というのは、周りの先輩も上司も、あなたが納期管理が出来るとは思っていないからです。

 通常の仕事の渡し方と言うのは、QCD(品質・コスト・納期)が決まっています。プログラミングについてのコストは、多くの場合が工数になっています。これは納期に密接に関わっています。

 新社会人の品質は期待できません。コスト(工数)は多分人より多くかかるでしょう。すると自然と納期が延びます。つまり、初めから納期の設定が甘いか設定自体がされないでしょう。それより、きちんと品質良く仕上げることが期待されるはずです。

 だからこそ、納期厳守が重要になってきます。

P子「前提として、それなりの品質は必要でしょうけどね」

 課題・依頼・仕事が与えられた場合、仮でも納期設定されているはずです。もし、納期が伝えられていなかった場合は、真っ先に確認してください。納期確認も必須です。そして、その納期自体も必須と考え、絶対に守ると自分自身に誓います。

 そして、判らない事、疑問点は、早めにピックアップし依頼者に確認するとか、技術的な事を自分で調べても判らない場合は、迅速に先輩に確認してください。考えても判らない場合は、切り上げタイミングを見切ってください。

 納期直前に結果を提出するのではなく、その前に何度か確認を行ってください。結果だけを提出して思惑が違っていた場合に手直しが発生すると、納期に間に合わなくなります。課題解決の方針が決まれば、一旦確認し、出来れば中間報告、そして納期前に仕上げてレビューを受けてください。少しの手直しで完成させます。

 納期厳守のためには、
  『依頼を受けたときは、必ず納期を確認する』
  『不明点は先にピックアップしてまとめて確認しておく』
  『調査の切り上げタイミングを見切って先輩に質問する』
  『方針決定、中間報告、レビューを経て完成させる』

 納期厳守を誰がどのような手段で達成したかは問われていません。他人に丸なげはマズいですが、人に頼ることは問題ありません。

P子「学生の頃とは違うのね」

3.納期の重要性

 サラリーマンの個々の人々は『歯車』です。そういうと、反感を持たれるかもしれませんが、ここでは交換可能とか部品とか単調な動きしかしていないとか言う意味ではありません。一つの『歯車』だけが遅く回転すると、他の『歯車』もそれに合わせて遅く回転せざるを得ません。

 時計の歯車なら、時間が遅れて時計自体(全体)が使い物にならないという事です。

 新社会人であろうと、ベテラン社員であろうと、与えられた仕事が『そこで完結』という事はほとんどありません。必ず上流(仕事の発生元)があり、下流(その成果を次の人が受けて何かをなす)があります。

 目の前の仕事が遅れた場合、下流の人の開始予定が崩れます。段取りが狂います。場合によっては段取りをやり直す必要が出るかもしれませんし、別の仕事で時間つぶしをする必要があるかもしれません。納期遅れは全体のパフォーマンスを大幅に低下させます。

 もちろん社会人になりたての人には、納期に余裕を持たせたりして、納期遅れ対策はされています。だから納期遅れが発生しても大きな問題にはなりません。だから納期が重要ではないと思いがちですが、それは真逆で、重要だからこそ重要にならないような処置がとられているだけです。

 そこを勘違いして、納期をおろそかにしても、それが普通だと思ってしまいます。新社会人なら、周りも納期遵守を期待していませんから、なおさらです。

 だからこそ、誰よりも『納期遵守』を徹底することが非常に大きな信頼へとつながります。

4.納期が予想以上に短い場合

 時々、課題に対して納期が短いと感じるケースも出てくるでしょう。

 実は、上司や先輩が出す納期は、ある程度その人の思惑が含まれています。つまり納期が短い場合は、ザクっと結果が欲しいケースの場合が多くあります。いつもと同じペースで同じ品質で仕上げても、期待と異なる場合があるという事です。

 納期が短い場合は、いつもよりさらに早く仕上げてください。その方が喜ばれる場合があります。そして、不足部分があれば、その部分だけ追加で依頼が来るかもしれません。全体としての作業量が減ったうえで、本来欲しかった成果以上になっているかもしれません。

 つまり、追加依頼や手直しが来るという前提で早めに完成し、それらの対応も含めて、納期に間に合わせるという対応を行います。

5.納期がいつでも良いという場合

 上司の言葉に騙されてはいけません。

 いつでも良いというのは、急ぎでもなく重要でもない課題や仕事です。つまり、品質も多くを求めていないケースの可能性が高いです。

 重要度も低く、品質も高くない仕事の成果を出すのに、時間をかけて結果を出した場合に、依頼者は喜ぶでしょうか?「あ、そう」で終わる可能性が高いですし、下手をすると、すでに課題解決しており、あなたに仕事を依頼したことそのものを忘れているケースもあるかもしれません。

 では、どうすればよいかと言うと、
  『納期がいつでも良い』→『すぐに提出しても良い』
 という事ですから、出来るだけ早く片付ける事です。

 重要度も低く、品質も高くない仕事なのですから、やっつけでも何でもありです。早ければ早い方が良いのです。と言うのは『早い=品質は高くない』事は誰でもわかりますし、依頼者側としては、もう少し期待していることがあるなら、何らかのアドバイスがもらえるはずです。つまり、手直し前提で完成させれば、やっつけ仕事でも依頼者も満足するハズです。

6.最後に

 依頼された仕事が、納期通りに必ず出来るという事は、大きな信頼が得られます。

 大きな仕事ほど、納期の重要性が増してきます。

 さて、そういう仕事を誰に任せるでしょうか?

 品質や技術力は、そういう『能力』の高い人に任せればよく、納期管理は、そういう『意識』の高い人に任せる必要があります。

 納期厳守は能力ではなく意識なので、数人、数十人規模のプロジェクトを任せられるのは、そういう『意識』を持った人にしかできません。品質や技術力は、プロジェクトのメンバーに任せればいいんです。

 時代が変わってもIT技術が変わっても、納期厳守の重要性は変わらないと思っています。

P子「今回は、結構真面目ね」

 ほな、さいなら。

======= <<注釈>>=======

※1 P子「季節柄のネタね」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。


スピンオフ:CIA京都支店『妖精の杜』

 ここはCIA京都支店のデバイス開発室。安らぎを求めて傷ついた戦士が立ち寄る憩いの場所、通称『妖精の杜』と呼ばれていた。
 P子:CIA京都支店の優秀なスパイ。早坂さんにはなぜか毒を吐く。
 早坂:デバイス開発室室長代理。みんなから『妖精さん』と呼ばれている。

 P子:「支店長が来季の予算をざっくりでいいから教えて欲しいって」
 早坂:「デバイス開発室は、100万円あればいいですよ」
 P子:「何、ざっくりすぎない?」
 早坂:「200万円っていうと、何に使うか聞かれそうだし...」
 P子:「結局何に使うの?」
 早坂:「決まった予算内で対処しますから、大丈夫ですよ」
 P子:「じゃ、10万円で...」
 早坂:「しょぼいスパイグッズになりますけどいいですか?」
 P子:「また、100均巡りで、作る気?」

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