ふつーのプログラマです。主に企業内Webシステムの要件定義から保守まで何でもやってる、ふつーのプログラマです。

飛田ショウマの憂鬱 (12)

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 八十田建設プロジェクトのみなさまへ
 本日は、待ちに待ったプロジェクトの打ち上げです。
 楽しみですね!
 場所と時間は、以前にお知らせしていますが、みなさん、憶えていますか?
 うっかりさんのためにもう一度添付しておきますね。
 周知の通り、今回は他のチームとの合同打ち上げとなります。何と総勢、47名の方が参加予定です。もちろん飲み放題!
 いろいろ楽しい趣向などもご用意しております。プロジェクトの大成功を祝い、大いに飲んで、食べて、騒いで、日頃のストレスを発散しましょう。
 無礼講ですので、先輩や上司への不平や不満、文句なども、大いにぶちまけちゃいましょう!(って大丈夫ですよね(゜o゜;)
 なお、会費は次の通りです。

 課長 10,000
 チームリーダー 7,000
 サブリーダー 5,000
 パンピー社員 3,000

 出欠の最終確認を兼ねて、集金にうかがいます。なるべく、おつりのないようにご協力願います。

 清水

 朝一番で送信されたメールを読んだ飛田が、本文中の「楽しい趣向」とは何なのかと考えていると、大きな封筒を持った清水がやってきた。

 「おはようございます」清水は固い表情で一礼した。「集金、いいですか」

 「5,000 円だったな」

 飛田はATM で下ろしてきた千円札5 枚を渡した。清水は封筒に貼ってある参加者一覧を指で辿り、飛田の名前を○で囲った。

 「はい。では、18:30 開始ですので」

 「何かやるのか?」飛田はモニタに表示されたメールを顎で指した。「楽しい趣向とあるが」

 「えーと」清水は困ったように左右を見た。「一応、その......やりますが。でも、内緒なんで。すいません」

 飛田は頷いて清水を解放した。清水はホッとしたような顔で一礼すると、野見山のデスクに歩いていった。入れ替わるように長谷部が近付いてくる。

 「飛田」事務的な声だった。「今日の打ち上げ、来るんだろう?」

 「ああ」

 「オレは先に会場に行ってるから、篠崎さんの受け入れ手続き頼んでいいか」

 「いいよ」篠崎はいくつか受け取る書類があるとかで、一度、シグマファクトリーに寄ることになっていた。「何か準備があるのか?」

 「まあいろいろとな。じゃ、頼む」

 飛田のデスクから離れた長谷部は、集金中の清水をつかまえて何かを訊いていた。聞くともなしに聞いていた飛田の耳に「ノート」「HDMI」という単語が届いた。そういえば、と飛田は思い出した。先週から、長谷部と清水は2人で何かやっていて、石黒もたまに手伝わされていた。八十田建設がらみでないことは確かだったが、何なのかは見当も付かなかった。ひょとすると、ノートPC で動かすビンゴゲームでも作っていたのかもしれない。

 そんなことを考えながら、飛田は八十田建設案件の改修について、メンバーの進捗を確認するためにBacklog を開いた。ガントチャートを表示すると、飛田はすぐに眉をひそめた。

 「石黒」

 長谷部と清水の会話に加わっていた石黒は、びくっと肩をすくめて飛田の方を見ると、急ぎ足でやってきた。

 「はい」

 「この」飛田は石黒が担当者になっているチケットを表示した。「マスタ件数の定期取得バッチ、昨日は全然進まなかったのか?」

 「あ、はい。すみません」

 「スタブはできてるんだから、後はそんなに難しくないだろう」

 「すみません」石黒はまた謝った。「ちょっと別件をやってて......」

 「別件って何だ?」

 「あ」石黒は少し躊躇った。「その、長谷部さんから頼まれて......」

 「具体的には何だ」

 「......」

 石黒は言葉を探すように上下左右に視線をさ迷わせた。飛田は石黒の顔から視線を逸らさずに待った。逡巡の末、石黒がようやく口を開きかけたとき、長谷部の苛立ったような声に遮られた。

 「石黒!」

 「は、はい!」

 石黒は慌てて一礼すると、元の場所に飛んでいった。飛田は首を傾げながら、その後ろ姿を見送った。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 打ち上げ会場は、会社から徒歩15 分ほどの場所にある無国籍料理の店だった。居酒屋だが、奥に掘りごたつの個室があって50 人までの宴会も受け付けている。シグマファクトリーでは、よく使われる店だ。

 篠崎と一緒に18:25 に店に到着した飛田は、野見山が座っている場所を見つけて、そちらに歩き始めたが、清水に止められた。

 「あ、すいません」清水は手元のプリントアウトを見た。「今日は座席指定なんで。飛田さんは、そっちの奧から3 番目です」

 「座席指定?」思わず飛田は訊き返した。「どうして?」

 「その、余興の関係で。すいません」清水は篠崎を見た。「篠崎さんは、あっちの一番奥です」

 飛田は篠崎と顔を見合わせた。清水が指定した席は、飛田と野見山、篠崎が大きな三角形の頂点に来るような位置だ。これでは野見山の言う「エルロンド会議」などできないだろう。首藤課長は上座にあたる壁際の席で、隣には他社に常駐していて滅多に顔を見せない近藤係長。長谷部は首藤課長の右前だ。

 「余興って何ですか?」

 篠崎が訊いたが、飛田には答えようがない。

 「どうせ始まれば、みんなあちこち動くでしょうから」飛田はそう言って、指定された席に座った。

 そうはならなかった。

 上機嫌な長谷部の挨拶(5 分)と、さらに上機嫌な首藤課長の挨拶(10 分)の後、ようやくビールで乾杯が行われた。いつもの飲み会なら、飛田はここで退席するところだが、今日は料理に手をつけた。

 両隣に座っているのは、いずれも入社2 年目の男性社員で、飛田とはほとんど接点がない。言葉を交わした記憶さえないぐらいだ。自分から会話の糸口を探すということが苦手な飛田は黙々と料理を口に運び、両隣の2 人は最初の乾杯のとき、申しわけ程度に飛田とグラスを合わせた後は、それぞれ別の相手と楽しそうに笑い声を上げている。

 こういうとき、長谷部なら物怖じせず話の輪に加わっていくんだろうな、と飛田は考えた。もちろん飛田には、そのような発想はない。

 ふと野見山と篠崎の席を見ると、やはり隣に座っているのは、あまり付き合いのない若手社員ばかりだ。元々、寡黙な篠崎は、黙ってグラスを口に運んでいるし、野見山も、つまらなそうな顔で生春巻きを解体していた。

 10 分ほど経過した後、1 人の社員がグラスを片手に腰を上げたとき、素早く清水が立ち上がって、パンパンと手を叩いて注目を集めた。

 「あー、すみません」清水は少し赤い顔で言った。「この後の余興の関係で、席は替わらないでくださいね」

 途端にえー、とか、なんでー、とか不満の声が上がった。清水は額に汗を浮かべながら続けた。

 「あと料理も人数分になってるので、移動しちゃうと食べられなかったり、他の人のを食べちゃったりするので。すいませんが、ご協力お願いしまーす」

 誰かが、トイレは行っていいのかよ、と訊き、どっと笑い声が上がった。同期なのか、気心が知れた仲なのか、清水が下品な答えを返し、さらに大きな笑い声が湧き起こる。

 70 分が経過し、料理が出てくるペースが鈍った頃、飛田はトイレに立った。出ると、狭い通路で野見山と篠崎が話していて、飛田の姿を見ると近寄って来た。

 「なんか盛り上がってますけど」野見山が言った。「つまらないのはどうしてなんでしょうね」

 「つまらないのか?」

 「どうも周囲に微妙に避けられている気がして」野見山は苦笑しながら篠崎の方を見た。「篠崎さんもそうでしょう?」

 篠崎は黙って頷いた。

 「余興とか言ってたけど、何もやる様子がないですよね。それに何かゲームでチーム分けするにしたって、やるときに分ければ済むことなのに」

 「何が言いたい?」

 野見山は声を潜めた。

 「これって、首藤課長の新手の嫌がらせじゃないですか?」

 「嫌がらせ?」

 「ぼくたちに疎外感を味合わせようとか」野見山はスマートフォンを取り出した。「とりあえずLINE でも交換しませんか?」

 「それで会話するんですか」篠崎が笑った。「いいですね。まさか、スマホを使うなとは言わないでしょうし」

 飛田と篠崎もそれぞれスマートフォンを取り出し、LINE を交換し合った。

 「これでエルロンド会議できますね」野見山が嬉しそうに言い、3 人はそれぞれの席に戻った。

 飛田が座ったとき、会場の隅に置いてある50 型液晶テレビのそばで、石黒と清水が膝をついて何かをやっていることに気付いた。持って来たノートPC とテレビを接続しているようだ。テレビのリモコンで入力を切り替えると、Windows のデスクトップ画面が表示される。清水は何かを確認するように長谷部の方を見てから、立ち上がった。石黒はノートPC を持って床に座ったままだ。

 「はい、みなさん」清水が声を張り上げた。「自分の席についてますね。今から大抽選大会を始めます!」

 おー、と歓声が上がった。清水が石黒に合図すると、テレビ画面上でブラウザが全画面表示で起動し、中央に丸ゴシックで「システム開発課打ち上げ 大大大抽選大会!」と大げさなタイトルが表示された。周囲はフレーム画像で囲まれている。

 「この抽選プログラムは、ぼくと石黒で一生懸命作ったものです。設計も実装もテストも完璧だと自負していますが、万が一バグがあっても、笑って許しちゃってください」

 「バグ票上げるぞ!」

 誰かが叫び、清水も含めて笑い声が弾けた。

 「さて抽選方法を説明させていただきます」清水は手元のメモに視線を落とした。「単純に乱数で当選させてもいいんですが、それでは面白みがない、と長谷部さんよりご意見をいただきました。それだと紙ベースのくじでも同じですからね。そこで、こんな形にさせていただいています」

 画面が切り替わり、宴会場の席次表が表示された。

席次表.png

 「ご覧の通り、今、みなさんが座っている席の図になってます。それぞれ、ご自分のテーブルと席、おわかりですよね」

 飛田は3 番、野見山は41 番、篠崎は31 番だ。首藤課長が46 番、長谷部は18 番に座っている。

 「これから順番に抽選していきますが」清水は説明を続けた。「当選対象は個人ではなくテーブルになります」

 戸惑ったようなざわめきが上がった。

 「たとえば、何とか賞がテーブル1 に当たったとします。すると、1 番から12 番の人に当選の権利が与えられます。今度はその中で投票をしてもらいます」

 石黒が立ち上がり、iPad とASUS ZenPad を各テーブルに2 台ずつ配っていった。飛田は自分のテーブルに回って来たiPad の画面を覗いた。1 から12 の数字が等間隔に並んでいる。

 「当選したテーブルの人は、順番にその賞品をあげたいと思う人を番号で選んでいってください。最終的に投票数が多かった人に賞品が行くことになります。もちろん自分自身には投票できません。一度当選してる人にも投票できません。あ、ちなみに、課長と係長は抽選対象外です」

 清水が長谷部とやっていたのは、これか。飛田は少し呆れた。

 「賞品は社長、事業本部長、部長、課長の他、八十田建設さん、千草ケミカル様よりいただいております。では、始めましょう。まず八十田建設賞です。賞品はこちらです」

 テレビに、円形のロボット掃除機と大きなヘッドホンの画像が映し出された。おお、と感嘆の声が上がる。大抵の社員が予想していたより高額の商品だったためだ。

 「ルンバと、ソニーのワイヤレスヘッドホンシステムです」清水は賞品名を読んだ。「それぞれ2 つずつとなります」

 「おい」飛田の前に座っている男性社員が、興奮したように隣の社員を肘でつついた。「あれ、あれ、あのヘッドホン、オレ欲しい。当たったらオレに投票してくれよ」

 「あたし、ルンバ欲しい!」

 宴会場の中は一気に活性化した。こんなふうに盛り上げるわけか、と飛田はひそかに感心した。飛田がプロデュースを任されたとしたら、単純なくじ引き方式で済ませたに違いない。

 「では行きます。まずルンバからです」

 デケデケデケデケ......とドラムロールの効果音が鳴り、画面上に幾何学模様が点滅する。数秒後に石黒がキーを叩くと、効果音と模様がフェイドアウトし、代わりに画面の奥から2 つの四角形が近付いてきた。ジャン、という効果音とともに、四角形の中にテーブル番号が表示される。

 「はい、出ました!」清水が叫んだ。「テーブル1、テーブル3 です。当選したテーブルの方は、順番に投票していってください」

 社員たちは騒ぎながらタブレットを順番に回し始めた。飛田は回って来たタブレットの画面を見た。「あなたの席番号はNo.3 です。投票する番号をタップしてください」と大きなフォントで表示され、その下に12 個の数字が並んでいた。[3] のボタンだけは、グレーアウトになっている。誤操作しそうなボタンなどはないな、と、ついプログラマ的視点で画面構成をチェックしつつ、飛田は適当な数字をタップした。「よろしいですか?(Y/N)」の確認ダイアログが表示される。bootbox のconfirm だ。OK ボタンに触れると、「投票されました。次の人に回してください」と表示された。これで投票が完了したようだ。

 隣の社員にタブレットを回すと、飛田はテレビに視線を移した。先ほど表示されたテーブル番号の横に、投票の進行状況が表示されている。飛田のテーブル1 は7/12 だ。

 さほど時間がかからず投票は完了した。それを確認した清水が声を上げた。

 「さあて投票も終わったようです。ではルンバを獲得したのは、この2 人です!」

 2 人の氏名が表示されると、当選者たちは飛び上がって喜んだ。テーブル1 の当選者は、さきほどルンバが欲しいと言っていた女性社員だった。決勝点を決めたサッカー選手のように両手を高々と上げている。

 飛田のスマートフォンが振動した。野見山からのLINE だ。

――ゲーム要素、高いですね。誰の考えでしょう。

 おそらく首藤課長と長谷部が考えたのだろう。野見山の言うように、単なる抽選よりも、ゲーム的要素が高い。運よりも、同じテーブルのメンバーへのアピールも必要になる。おそらく後になればなるほど、いい賞品になるだろうから、「○○が欲しい」というアピールだけではなく、「△△はいらない」と主張しておくことも重要だ。

 「はい。平野さん、加藤さん、おめでとうございます。賞品は来週の月曜日、お渡しします。これでコツがつかめたと思います。では、どんどん行きましょう。ワイヤレスヘッドホンシステムです。どうぞ!」

 抽選は進んだ。

 千草ケミカル社は、近藤係長が常駐している健康食品の通販会社で、賞品は圧力IH 炊飯器2 台だった。これは一人暮らしの社員よりも、家族持ちの社員が熱烈に希望した。システム開発課長賞は、プジョー製折りたたみ自転車が3 台。価格は明らかにされなかったが、誰かが「あれ、5、6 万するぜ」と囁いていた。営業課長賞は、松阪牛しゃぶしゃぶセットが3 つ。部長賞は、ヒルトンホテルお食事券2 万円分が2 つ。

 そこまで進んだところで、清水は一旦、進行を止めた。

 「さて、残すは事業本部長賞と社長賞が残っています。商品数はそれぞれ4 点、2 点となります」

 飛田は素早く計算した。ここまで当選したのは14 名。残りの当選者数は6 名。抽選対象者45 名のうち、25 名が外れることになる。残りの当選確率は約20%。高い確率ではない。まだ当選していない31 名の間から、失望のため息がもれた。

 「うんうん、わかりますよ」清水は腕を組んで頷いてみせた。「ぼくだって、まだ当選してませんからね。でも、安心してください。今日は、全員が当選します!」

 どういう意味だよ、と誰かが訊いた。清水はニヤリと笑った。

 「ちゃんと賞品は用意してあります。さっき言った2 つの賞の他に、8 等が6 本、9 等が6 本、10 等が10 本、残念賞が3 本です。みなさんを手ぶらで帰すようなことはいたしません。ご安心ください!」

 歓迎の拍手と口笛が沸いた。

 「とはいえ、時間が無限にあるわけじゃないので、8 等以下はこっちで乱数抽選とさせてもらいます。では、事業本部長賞に行きましょうか。賞品は2 種類。パナソニック製ブルーレイレコーダーが2 台、シャープの空気清浄機2 台です。まずはブルーレイレコーダーから。どうぞ!」

 抽選が再開された。

 これまでのところ、サブリーダー以上は誰も当選していない。ひょっとすると、高額の商品は、わざと外れるようなロジックになっているのかもしれない。飛田がそう考えたとき、また野見山からLINE が届いた。

――サブリーダーは当たらないのかもしれませんね

 飛田は、野見山の顔を見て頷いた。

 事業本部長賞の4 本は、2 年目、3 年目の4 人が獲得した。

 やはり意図的にリーダー、サブリーダーを外すようになっているのかもしれない。そう固まりかけた飛田の確信は、次の抽選で覆された。

 「社長賞は、JTB 旅行券10 万円分です。太っ腹な社長ですねえ。10 万円×2 ですからね。では、行ってみましょう!」

 当選者が表示されたとき、大きなどよめきが走った。一人は八十田建設案件チームの女性社員、もう一人は長谷部だった。

 大きな拍手が沸き起こったが、何人かは「いいのか?」とでも言いたげに顔を見合わせている。そんな空気を察したのか、首藤課長が素早く立ち上がって勢いよく拍手を始めた。

 「いやあ、長谷部くん、君、持ってるね」

 そう言いながら、長谷部の背中をどやしつける。長谷部は立ち上がると、照れた顔で会場を見回し、何度も頭を下げた。

 「ありがとう! みんなありがとう!」

 「長谷部さん、谷口さん、おめでとうございます」清水が言った。「じゃ、8 等行きます。アマゾンギフト券3,000 円分、6 本です」

 テーブル番号の表示はなく、いきなり6 名の名前が表示された。飛田、野見山、篠崎の名前はない。

 「次、9 等です」熱気の失せた声で清水が告げた。「イオンモールお買い物券2,000 円分。同じく6 本です」

 またもやサブリーダー3 人の名前はなかった。

 「では、残すは10 等が10 本と、残念賞が3 本です。10 等は、MicroSD カード32G が10 本となります。残念賞はクロレッツのボトルガムです。これに当たったら、よほど日頃の行いが悪いってことですね。じゃ、10 等から行きましょうか」

 飛田は確信に近い予感を抱きながら結果を待った。

 「こちらです!」ここを最後と清水が叫ぶ。

 表示された10 名の中に、エルロンド会議の3 人は含まれていなかった。

 「はい、10 名の方、おめでとうございます」清水は笑みを崩さず言った。「これまで名前が表示されなかった3 名の方が残念賞ですね。こちらも一応、おめでとうございます。もう一度、当選者のみなさんに、あ、全員当選者ですね、とにかくもう一度大きな拍手をお願いします」

 真っ先に拍手したのは首藤課長だった。長谷部が追随する。すぐに全員が加わった。誰も飛田や野見山や篠崎の顔を見ようともしない。

 ふとテレビの方を見た飛田は、座ったままの石黒と視線があった。石黒は申しわけ程度に拍手していたが、苦痛をこらえるような顔で飛田を見ていた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 打ち上げは盛況のうちに終了した。長谷部は若手社員に囲まれて、二次会の相談をしている。

 飛田は、野見山、篠崎と一緒に騒いでいる集団に背を向けて歩き出した。別に賞品が欲しかったわけではないが、やはり少し釈然としない。

 「篠崎さん」飛田は黙っている篠崎に声をかけた。「どっかでお茶でもしていきませんか」

 「そうですね」篠崎は頷いた。

 「あ、ぼくもいいですか」野見山が言った。「今日はちょっと喋り足りなくて」

 ファミレスか、スターバックスか、と場所を考えていると、後ろから足音が聞こえた。振り向くと石黒が小走りに近寄ってくる。

 「飛田さん」

 「どうした」

 「すいません。ちょっとだけいいですか?」

 飛田は頷いて、野見山と篠崎に言った。

 「先に行っててください。場所は任せます」

 2 人が歩いていくと、飛田は石黒に向き直った。

 「なんだ」

 「さっきの抽選のことなんですが、その......」

 石黒は言い淀んだ。飛田は部下の負担を軽くしてやることにした。

 「公平な抽選じゃなかったんだな」

 「......はい」石黒は怒りを怖れるように飛田の顔を見た。「わかってましたか?」

 「10 等の10 本に、俺たち3 人が1 人も入らないというのは、確率としては低いからな。そんなことじゃないかと思っただけだ。誰の指示だ」

 「すいません。それはちょっと......」

 「まあいい」どうせ首藤課長か長谷部に決まっている。「わざわざ教えてくれてありがとう」

 「すいませんでした。あんなロジック組むのはイヤだったんですが......」

 「ああ。それも何かの経験だと思って、仕事に生かせよ。二次会に行くんだろう。早く行け」

 石黒は深々と頭を下げると、走っていった。

 欠席にしておけばよかった、と飛田は悔やんだ。自分のことではない。石黒にイヤな仕事をさせてしまったことだ。

(続)

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 漫画版「Press Enter■」オペレーション☆ひいらぎの最終話、公開中です。ブラウンアイズのドレス姿は作者も想定外でした。

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Comment(46)

コメント

匿名

飲み会の席で飛田達を公開処刑にでもするのか、は何となく予想していたが、
その手の内がイカサマビンゴ大会とは想像ができなかった……。
ここは悪徳ソシャゲ会社か何かだったのか?

匿名

小学生かよ!
っていう行動ですね

匿名

うわあ腹立たしい。
やってることがくだらない上に陰湿すぎてむかむかする。
こんな嫌みったらしいキャラクターをつくり出すリーベルGさんすごい…

H&Gに転職後の飛田の感じから陰湿二人組に鉄槌が下されることはあんまり期待できないけれど、それでも何か罰が下ってほしい。

fanaby

やることが小さすぎて…
ここまで露骨だと事情を知ってる若手も反発しそう
とりあえずエルロンド会議したすぎな野見山ちゃんがかわいすぎたw

STR

さて、こんなあげつらいをする会社で安心して働けるのか他の社員は。

匿名

あ、これまさにモ◯ストが俺にやってることだw

匿名

石黒くんを気遣う飛田イイすね。
ブラウンアイズはちょっとイメージと違ってましたけどw

匿名

カナちゃん、捻じ曲がったやり方の長谷部に愛想尽かす→お別れする→飛田くんが二人が付き合っていた事を知る

第1話にあった伏線がこんな感じで回収されるのかな。

匿名

飛田に対する嫌がらせよりも周囲に対するパフォーマンスというか踏み絵でしょうかね
首藤、長谷部サイドと飛田サイドのどちらにつくかと、待遇の違いを見せつけた
前日までの仕事中の雑談も敵になる可能性をそれとなく探っていたのでは

匿名

「残念賞3本」の時点で吹いたわ。
まともな仕事もできないくせに、プロジェクトの功労者をこんな扱いか。
それにしても、長谷部と社長賞に当たったクライアント側の女性社員が気になるな。

匿名

しかし、こんなイカサマを仕込むにしても、
自分の手を汚すんじゃなくて石黒に指示してやらせるあたり、長谷部も相当なゲス野郎だな。
(長谷部本人にイカサマ用のアルゴリズムを実装できる腕が無かった、
という背景もありそうだが、どの道ゲスなことに変わりはない)

あとは飛田からこの件を詰問されて、
「あのイカサマは石黒が俺の指示を曲解して勝手にやったことだ」で、
石黒をスケープゴートにして逃げ切るところまでやったらゲス行為の数え役満だが、
長谷部にはあといくつ役が付くことやら。

へなちょこ

わかりやすい悪者つくったけど、最後に鉄槌は下るの? ねぇ下るの?
続きが気になるわぁ

匿名

前半読みながらいやな布石にどきどきしてましたが、公開処刑みたいなことではなかったので逆にほっとしてしまった。まあ会社の打ち上げという場をぶち壊さず、かつ的確に嫌がらせができるバランス感覚の陰湿さにドン引きはしたけど。首藤と長谷部どっちの発案だろ。
石黒くんも前もって密告しないってことは、罪悪感ありつつもあっち側なんだろうな…。
社内でもすでに3人の悪い噂が流されてそうだし。この後の展開を想像すると、飛田君たちかわいそうで胃がきりきりする。
エルロンド会議好きなので、3人別々になったあとも連絡取ってたらうれしいなと思う。

匿名

カナちゃんは、愛想尽かすよりも、目を覚ましてくれってすがりつくんじゃないかな。
んで、長谷部は玉の輿を狙って手ひどく振る、という展開じゃなかろうか。

匿名

むしろカナちゃんが長谷部を後押しというか誘導してるんじゃないかという気もするけどね。
首藤課長を踏み台にする気満々で。

匿名

石黒くんでスルーしてたけど、清水いつの間にそっち側についてたの。ノリノリで抽選会やってるけどw
まあ、飛田くんについててもこの会社じゃ生き残れないのはわかってるからね。
ここで飛田くんがプロジェクトの報告書の不正とか抗議するなり、リーダーシップを見せればついてきてくれる人もいたかもしれないけど…。
不条理なことをされても黙っちゃう人はやっぱり見捨てられちゃうよね。別に飛田くんが悪いなんて欠片も思わないけど、それだけで飛田くんの側についてくれる人がいるかっていうと、やっぱり難しい。自分の身を守るために動かない人は味方になってくれる人もなかなかできない。
飛田くんの技術一本で言い訳しないみたいな職人気質はすごく好きだけど、一方である種の逃避でもあるんだよね。それが今回の件で過剰に行き過ぎたのが、罪と罰の飛田くんなんだろう。
あと、長谷部の豹変と飛田への劣等感って、たぶんすでにカナちゃんに振られた上に糾弾されたからじゃないかな。飛田におんぶにだっことでも言われたんじゃなかろうか。希望的観測だけど。まあどうでもいいから、長谷部と首藤は毎日足の小指をぶつける呪いにかかってくれよなー。

匿名

こんなあからさまなことして誰も疑問に思わないのか。すごいな。
しかも今後は基本外注だからプログラマーの大半はリストラ対象でしょ。
ここまでされて転職しようとならない3人もどうかしてる。

匿名

抽選はテーブルだけであとは投票じゃなかったの?
商品券10万円は長谷部に投票されたってこと?

MUUR

いやー、子供じみた嫌がらせですね。
続きが気になります。

抽選が再会された。
→再開

匿名

>抽選はテーブルだけであとは投票じゃなかったの?
>商品券10万円は長谷部に投票されたってこと?
「とはいえ、時間が無限にあるわけじゃないので、8 等以下はこっちで乱数抽選とさせてもらいます。」
…と進行の清水が言ったあとの抽選だから、不正乱数で抽選した予定調和だったんでしょう。

以下は予想ですが、最初にテーブル抽選+投票制で進行したのは、全部を乱数抽選で進行した場合にサブリーダーだけが揃って残念賞になる不自然さを誤魔化すため。
サブリーダーたちの席を分断したのは、サブリーダーが互いに投票してサブリーダーに残念賞以外が当選するという可能性を完全に潰してしまうため。また、周囲に避けられてる気がするってあたりから、事前にサブリーダーの悪評を参加者に流しておいて、サブリーダーに票がいかないような工作をしてる可能性までありそう。悪意に満ちてますね。
元からそうだった首藤はともかく、親身になって協力してくれたサブリーダーたちに、これだけの悪意を向けて平然としている長谷部が、今作では一番おぞましくて怖く感じる。

匿名

8等以下は乱数抽選と本文にありますよ>2つまえの匿名さん

1月末日

>親身になって協力してくれたサブリーダーたちに、これだけの悪意を向けて平然としている長谷部が、今作では一番おぞましくて怖く感じる。

同意。

匿名

くっだらねー
こんな子供じみたことされて飛田はよく冷静でいられるなあ
石黒も正常な判断しないとだめでしょう、部全体でモラルの低下が見られるなあ、この職場はアカン


あと関係ないけどブラウンアイズは一話か二話くらいに実写でモデルさんが出てた短髪ちゃんだと思ってた。ウィッグか何かなのかな(漫画版まだ読んでない)

リーベルG

MUURさん、ご指摘ありがとうございます。
再開ですね。

蜜蜂ブンブン堂

数年前に勤めていた会社(中小アパレル)で社内開発などやっておりましたが、首藤も長谷部も実在します。手の込んだ解り易いいやがらせも笑。(自分が飛田くんの位置というつもりは毛頭ありません。ふつーに仕事していた感覚ですが。)
リーベルGさんはこれ実体験?なのか気になります。想像だとすれば素晴らしい。懐かしい気持ちで楽しませていただいてます。
どこの会社も割とこのような感じかいなと思っていたので、コメント欄も興味深いです。
会社上層部は現場レベルの感覚というかロジックを肌で感じる事が難しいのでしょうね。
会社の収益の35%以上を稼いでいる部署に他の部署でヘタこいたヒトとか、バイトにサービス残業強要したのがバレて店長をクビになり首の皮一枚でつながってるようなヒトを平気で上長にすえる。ワタシ思いました、マジかと笑。
こいつらいなけりゃもっと稼げるのよ?何度も思いましたが、どうも人事というのは奥が深いものらしい。
しかし飛田くん、この後は退職することになるしてもH&Gでのトンガリ具合にいささかの鈍りもないとこが素晴らしい。後半は少し大人になっていく予感でいい感じですが。
立場が変われば意識も行動パターンも変わっていく。諸行無常の響きあり、ですね。
今後もリーベルGさんの小説楽しみにしています。

匿名

コメントではもっと飛田のダメさ加減が非難されてるかと思った
実社会において”だからコミュ障のプログラマはダメなんだ・・・”って言われる典型なんだが

罪と罰は常にコーディングスキルを向上し続ければ生き残れるって物語だっただけに
コーディングスキルを磨いてもまた別のスキルがないと生き残れないっていう
さらに救いがなくなっているのは胸熱

Masa

10万円は社長賞(1等)だから抽選ですね。
抽選アプリに何も仕込んでいないのであれば、長谷部に投票するよう事前工作していないとまず当たらないです。ただ、事前工作ったって1等で長谷部のテーブルが当たることが事前に分かっていなければ成り立たないし、(社員はともかく)顧客職員の中でサブリーダーに投票する人がいたって別におかしくはないわけで、投票自体もいかさまだと思いますが。
しかしこんなことに時間使うなんて暇だなぁ。

匿名

Asus Zen Padの発売が2015年で罪と罰がそれ以降となると
罪と罰で汎用機の方がオープン系よりも売上が多いとなると時代背景がマッチしていない気がします

登場している企業規模があいまいだったからおかしく見えただけで
こういう企業はオーナー、同族経営の企業だと割と少なくは無いのかなと
首藤課長や長谷部の立ち位置はユーザ側情シスの上役の立ち位置で
システム開発の上流という感じではないですよね

なんか自分はマネージメントするだけだから上流工程も外注するとかになりそうな予感がしますが小さいとこがそんだけのお金取ってこれるんでしょうか?

匿名

くじなり投票なりであれば、誰がどこに座ろうが席の番号だけで問題ないので
誰に商品が当たる(ことにする)かも予め決まっていたのではないでしょうか
どうせ他人が誰に投票したかは分かりませんし……

匿名

>誰に商品が当たる(ことにする)かも予め決まっていた

つまり、抽選プログラムによる当選確率が平等でないことは「仕様です」、
ってことですね分かりますけど分かりたくありません。

こんなイカサマ、抽選プログラムのソースコードを入手するか、
(実装言語にもよるが)アプリケーションを逆コンパイルすればすぐにネタが
上がりそうだが、ビンゴ大会後にプログラムを削除して証拠隠滅を行う指示が、
長谷部や首藤あたりからすでに出てる、と見るのが自然かな。

長谷部や首藤が技術に疎いことで証拠隠滅を不完全にしか行えず、
飛田にそこを突かれたのち物的証拠を握られて自滅、なんてパターンだったら、
技術屋としては非常に胸がスカッとするがw

シナリオ例1.
ソースコードだけ消せば証拠隠滅完了と長谷部あたりが誤認識していた結果、
アプリケーション本体を消すことを忘れて逆コンパイルでソースコードを
握られる
(ソースコードが Java で実装されていた場合など。
アプリケーションそのものからは直接ソースコードを見ることはできない、
という中途半端な技術理解の結果、「生兵法は大怪我の基」を地で行ってしまう)

シナリオ例2.
ソースコードもアプリケーションもまとめて削除したはいいが、
削除の際に "shred" コマンドではなく "rm" コマンドを利用していたため、
飛田にファイル復旧されてソースコード入手を許してしまう

例1 はさすがにアホ過ぎるパターンだが、
技術に疎い長谷部や首藤に対し、
石黒が「『ついうっかり』忠告するのを忘れていた」り、
「『誤って』間違えた知識を伝えてしまっていた」ら、
絶対にあり得ないとまでは言い切れない気がする。

匿名

性格からして飛田ならそんな事せず直接聞くと思うが
ソフト解析なんてそんな回りくどい事しないだろ

匿名

直接聞いたってはぐらかされて終わりでしょ
普通に読んでれば追及するならそれなりの証拠が必要って分かりそうなもんだけど?

匿名

問題の本質は宴会の余興のクジでズルしたとかそういうところじゃないでしょ
予算(で買った景品)の着服だ!って証拠を得て訴え出たとして、
会社がそれを問題にするとでも?

m

追求・・・するんですかねぇ。しないんじゃないかな。
長谷部に直接はもちろん、ソフト解析もしない気がする。
不公平なプログラムだったって事実だけで「友人だった長谷部」を諦めるには十分な気が。
一矢報いてほしいとは思うけど、飛田は後で転職することが確実だし、
今回のことが会社を見限る決定打のひとつになったんじゃないだろうか。
あと「プログラマが報われるべき」という思考にも繋がる気がする。

それにしても、ほんと長谷部が気持ち悪いな・・・。

匿名

ポケットマネーだったら責めようが無いし購入している時点で着服には充たらない。
課内の人間に配布する目的のものを調達して依怙贔屓はあっても課内の人間に配布しているのでパワハラとかいう問題を除いてはお金としては問題にはならないのではないかと。

ユーザ企業担当者個人にキックバックしたり、長谷部が課員にやっていたような事をしていたとしても社内規定や会社の上役が問題視でもしない限り、
法規制がある場合や上場企業の場合は兎も角、それ以外ならうやむやになりそう。

通りすがり

if (electedId == 3) {continue;}
if (electedId == 31) {continue;}
if (electedId == 41) {continue;}
3人を外すだけならこれだけでいいはずだよね。
石黒が結構忙しそうだったってことは、もっと複雑なプログラムなのかな。

匿名

俺は法律の専門家ってわけじゃないが、
長谷部のやった行為は、この辺の犯罪行為に該当する気がするな。

詐欺罪
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A9%90%E6%AC%BA%E7%BD%AA#.E6.A7.8B.E6.88.90.E8.A6.81.E4.BB.B6
電子計算機使用詐欺罪
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%A9%9F%E4%BD%BF%E7%94%A8%E8%A9%90%E6%AC%BA%E7%BD%AA

特に後者の「人の事務処理に使用する電子計算機(コンピュータ)に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて、財産権の得喪・変更に係る不実の電磁的記録を作る行為」が、
今回の不正な抽選プログラムを利用した抽選大会へモロに該当するのでは。
(もちろん飛田が証拠を集めて警察に通報するか否かとはまた別の議論になるとは思うが)

>石黒が結構忙しそうだったってことは、もっと複雑なプログラムなのかな
証拠隠滅を意図した、「なおこのテープは再生後、自動的に消滅する」的な、
プログラム自壊機能を実装してたりして。

匿名

長谷部に失望していくまでの過程の中でのイベントのひとつだと思うので、抽選結果は掘り下げないと思いますよ?

匿名

追求なんて始めたら、石黒を巻き込むよ。
飛田のことだから、それはしないでしょ。
こう書くと騒ぐ人がいるだろうけど、
ボンクラコンビをディスるためのパートだし。

匿名

問題はボンクラを良としている上やユーザが居る事。
罪と罰でも部長は技術不要やユーザ側にもイニシアティブが存在するというのは伏線かなと。
今作では題名の通り憂鬱なだけで終わる可能性もあるとは思いますが。

匿名

あ、そうか。イニシアティブの存在をてっきり忘れていた。

この後(もしくはすでに)イニシアティブのエージェントが暗躍して、
長谷部と首藤を退職に追い込む工作を遂行……そしてこの一件が、
飛田とイニシアティブの初めての出会いだった……という筋書きもあり得るか。

これで実は石黒がイニシアティブのエージェントだったりしたら最高に爽快だが、さすがにそれは無いかな。

匿名

イニシアティブのエージェントだったら、こんな状態で黙ってないでしょ。
彼らは毀誉褒貶はあるけれど、会社の中では正面突破が信条だし。
上から、あるいは上と下から挟み撃ち、は戦術的にあるけれど、
下からだけ、ってなパターンはあり得ない。


飛田が退職届をたたきつけたあと、
居酒屋でボンクラどもをくさしてる彼の肩を誰かが叩いた、
てなエピローグで十分じゃないの。

匿名

>長谷部と首藤を退職に追い込む工作を遂行……そしてこの一件が、
そうなったら、飛田が会社やめる必要がなくなりませんか?

しかしイニシアティブとの出会い方というのは気になります。
私はてっきり、この回で3人でお茶を飲みに行くことになってるので、
そこで隣の席に五十嵐さんが・・・!みたいな展開を妄想してました。
いくらかアルコールも入ってるし、野見山あたりが愚痴をこぼしてくれるんじゃないかと(笑)
バーのカウンターとかならありかもだけど、ファミレスやスタバじゃ無理ですかねぇ。

匿名

2017/02/02 11:41のコメント増えているな
詐欺罪にはあたりません何故なら景品を受け取る側が誰も金品を出していないですし、会費がそうだと言えなくも無いですがそれを作中で回避する為に全員に景品を渡すようにしたのだと思います、景品が配られたら一応義務を果たしているという事になるので。

景品を公平に分配するという目的で社内、社外から受け取ったならなるかもしれませんが、打ち上げの景品でと取得したなら倫理的に問題であっても刑法では問われないと思います。

飛田と罪と罰が繋がるのは今作の直後になりそうです、あまり間を開けると時代背景がズレるので

匿名

このタイミングで飛田が五十嵐と会うというのも、ちょっと考えにくいかな。
もしこの一件で飛田と五十嵐が面識を持ったとなると、
罪と罰 32 話に出てきた五十嵐の、

>イニシアティブのメンバーといっても、(飛田は)私と面識があったわけじゃないし、五十嵐なんて名前は珍しくないからな。彼にイニシアティブの代表という立場で会ったのは、入社が決定した後だ

って発言と矛盾するし。

この発言を順当に解釈するなら、罪と罰のエピソードの時点で、
飛田は「自分の所属する組織の名前がイニシアティブで、組織の代表の名前は『五十嵐』だとは知っているが、本人と対面した事は無い」くらいの距離なんじゃないかな、五十嵐とは。

となると、やはりこのストーリーではイニシアティブの必殺仕事人なシーンを期待するのは難しいのか……?

匿名

>2017/02/04 19:15匿名さん
あ、五十嵐さんと飛田は罪と罰まで面識はなかったんですね。見落としてました。

じゃあ考えられるのは、現状に嫌気がさして退職後に、なんらかの形で(五十嵐さん以外の)イニシアティブのメンバーと出会い考え方に賛同、というのと
嫌気がさしてるが退職まではしていない段階で、メンバーに出会い退職の決意・・・の2通りでしょうか。
勿論、ここから会社がイニシアティブにコンサルを頼んで・・・という可能性も消えてませんが、それでプログラマの待遇が向上するなら飛田はやめなくてもいいだろうし・・・。
今後の展開が楽しみです。

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