ハローサマー、グッドバイ(3) アイズワイドシャット
JSPKFの隊員が、バンド隊員と呼ばれる理由は、その前身であるICZF――統合対Z軍――に遡る。Z戦争4年目の10月、ベルリンを奪回するためにドイツで行われた2週間にわたる大激戦の後、EUのネットメディアが作戦に参加した兵士たちのことを、バンド・オブ・オクトーバーと呼んで誉め讃えた。最初はベルリン奪回作戦に参加した部隊を指していたが、やがてICZFの兵士たち全体を表す敬称として定着していったのだ。<大いなるパニック>が収まり、ICZFに参加していた各国の兵士たちが母国に帰還しても、その呼称は感謝と尊敬を持って続けられた。
日本はICZFに国としては参加していない。自衛隊がヨコハマ撤退、皇居防衛戦、暴走した周辺国の軍部との戦闘で忙殺されていたこともあったが、最大の理由は国内世論が海外派兵に拒否反応を示し、その反応に怯えた当時の政府与党が決断を先送りし続けたからだ。そのためICZFに参加したのは民間人ばかりとなった。帰国後、JSPKFとして再編成されてからも、みなし公務員扱いとはいえ、隊員は基本的に民間人しかいない。JSPKFの最高責任者は内閣総理大臣だが、それが毛ほどの影響力も持たない名ばかり責任者であることは知っての通りだ。
今でもJSPKFは、各国の元ICZFの組織と関係が深く、資金や装備は財政難の政府に頼ることなく――予算報告書を信じるならば1円の税金も使っていない――独自のルートで調達している。トルコ製のUTS-15J、ロシア製のドラグノフ狙撃銃、アメリカ製のSIG-MPX SDサブマシンガンと、使用する装備が国際色豊かなのはそのためだ。また、慢性的な石油不足のために経済と産業が停滞している現在、JSPKFは潤沢な資本を背景に、施設の建設や、装備の維持管理などを、定期的に発注し続ける体力を持つ国内随一の組織である。
当然、衰退気味のIT業界もその恩恵を受けているわけだが、低価格競争が繰り広げられた結果、JSPKFの仕事を受注できるのは、一部の多国籍企業に限られてしまっている。新雇用政策基本方針がなければ、国内のIT企業には1円も落ちてきていないだろう。先ほど、呼ばれてもいないのに会議室にいた企業のお偉いさんたちは、何とかしてJSPKFとのパイプを作り上げようと必死だったに違いない。
谷少尉による面談は、会議室の隣の小部屋で行われた。最後に呼ばれたぼくは、かなり緊張していたが、谷少尉は柔和な笑顔でぼくを落ち着かせると質問を始めた。そして、ぼくがソリストについての無知を告白すると、谷少尉は苦笑した後、丁寧に概要を説明してくれた。
JSPKFが多国籍企業ハウンド・インターナショナル・ホールディングスに発注したソリストシステム構築プロジェクトは、バンド隊員の装備のIT化一式である。2.28の終息宣言以前から、少しずつ国内の市民活動、商業活動が再開してきていて、JSPKFからも次第に本来の職業への復帰を希望する隊員が出ている。今はまだ活動に支障をきたすほどではないが、いずれ、その数が増大していくことは明白であり、その穴をIT技術によって埋めようというのが開発の目的だった。同様のシステムの配備は各国の軍隊でも進められているが、日本のそれが異なるのは、島崎さんが言った通り、あくまでも受動的なシステムがメインになるということだ。
「......たとえばですね」谷少尉は穏やかな声で続けた。「UAV――無人偵察機で上空から広い範囲の映像を得て、それを解析することによって、Zの群れを早めに探知するわけです。地上の隊員たちは進路を変えるか、動きを止めることによってZをやり過ごすことができます」
「やり過ごすんですか」
「そうです。ご存じの通り、我々がZを排除することは、人命がかかった緊急時以外は厳禁ですから」
「ぼくがやったのは、そのシステムの一部のテストだったということですか」
「おそらく。1つ言っておくと、テストを要求したのは我々ではありませんよ。我々はそんなテストよりも、一日でも早く実地テストに入りたかったんですがね。ハウンドやワカモトが勝手にテスト項目を決めて、勝手にテストを実行したんです。誰も見やしないエビデンスを、大量に納品してきましたよ。それを見て喜んだのは、うちの大佐あたりだけです。全く、貴重な資源の無駄遣いもいいところです。両面印刷なので、裏紙としても使えやしません。エビデンスの量がシステムの質を決定するとでも思ってるんでしょうかね、あれは」
何にせよ業界の体質というのは、なかなか変化しないものですね、と付け加えた谷少尉に、ぼくは訊いた。
「ひょっとして谷少尉、昔はエンジニアだったんですか?」
もちろん冗談だったのだが、意外にも谷少尉は真面目な顔で頷いた。
「よくわかりましたね。都内の小さなソフトハウスでプログラマ、というか何でも屋をやってましたよ」
「......そうだったんですか。何でまたJSPKFに?」
「それはまあプライベートなので」谷少尉はやんわりとかわした。「またお話する機会があれば、ということで」
「すいません」ぼくは謝って話題を無難な方向に変えた。「どんな言語を使ってたんですか?」
「だいたいJavaか、Rails。たまにPHPですね。鳴海さんは?」
「ぼくもJavaです。Android アプリ開発が多かったので」
それから何分か、ぼくたちはお互いの経験を語り合った。谷少尉はソリストの開発に要件定義段階から携わっていて、素人と見くびって、ぼったくりなシステム提案をしてきたベンダーを除外する役割を果たしたらしい。
「某企業なんか、Windowsベースのシステムを提案してきましたよ。作戦行動中にブルースクリーンになったらどうするんだ、と言ってやったら黙ってしまいましたが。あと、PHPでの構築を提案してきた会社もありましたっけ。スクリプト言語に命預けられるか、で切りましたけど」
ぼくは思わず笑った。
「Rubyだってスクリプト言語じゃないですか」
「まあね。あれはいい言語だとは思いますよ。書きやすいですしね。一般企業の業務システムで使うのなら問題ないでしょう。でも、ソリストには向きませんね」
ソリストは、LinuxサーバとAndroidクライアントで構成されるが、そのほどんどのモジュールはJavaで書かれているという。サーバ-クライアント間通信は、何とHTTPで行われている。
「HTTPといっても、やり取りするのはバイナリデータです」
「昔、BlazeDSでAMFを使ったことがありますが、あんな感じですか?」
「そうです。もちろん、米軍にせよ、自衛隊にせよ、独自のシステムインフラを持っていたので、それらをベースにすれば開発も楽だったのかもしれませんが、そうするとどうしてもベンダロックインになってしまいます。それは避けたかったんですよ。ライセンス料を払うぐらいの金がないわけじゃないんですが、それに付け込んで、ろくでもないシステムを押しつけられると、結局、苦労するのは我々現場の隊員ですからね」
やがて谷少尉はテストに話を戻した。
「それでテストですがね。鳴海さんは参加について......ああ、そうか。テストについても聞いてないんでしたね」
「ええ。テスト要員としか」
「オペレーションMMについても?」
「はい」
「まあ、これは当然ですね」谷少尉はひとり頷いた。「テストについて何も知らないのに、オペレーションMMを知っていたら、逆にうちの情報管理に問題ありですからね。じゃあ、質問をどうぞ」
「は?」
「訊きたいことがあるでしょう、いろいろと。わかる範囲、できる範囲でお答えしますよ。質問をどうぞ」
「はあ」ぼくは少々面食らいながら訊いた。「じゃあオペレーションMMって何ですか?」
「オペレーションMMは、みなとみらい地区の調査計画のことです。ここから出発して、ツルミ防衛ラインを越えて、みなとみらいに到達し、その周辺の現状調査を実施するんです」
「人が行くんですか?地上から?」
「そうです。まさか、貴重なガソリンを使ってヘリを飛ばすわけにもいかないでしょう?」
「みなとみらい周辺は、Zがたくさんいるんじゃないですか?」
「いますよ」谷少尉は首肯した。「たくさん、なんて形容詞じゃ控えめすぎるぐらいね。その実態の把握も主要な目的の1つです」
「わざわざバンド隊員を送り込む必要があるんですか?」ぼくは首を傾げた。「それこそ、UAVを飛ばせば......」
「まだ、続きがあるんですよ」
谷少尉の説明によれば、オペレーションMMには4つの目的がある。1つ目がみなとみらい周辺の現状調査だ。ビルや各種施設の損耗状態、道路状況などを調べる他、可能性は低いだろうが生存者の有無の確認だ。
「これは公表されていないことなんですが、ごくたまに、みなとみらい地区からと思われるアクセスが、YahooやGoogle にあるようなんです。単にページを開くだけで、検索文字を入力している様子はないので人間が操作しているとは考えにくいんですが、それならそれで調査の必要がありますからね」
「あの地区って」ぼくは首を傾げた。「送電なんか止まってるんじゃないですか?自家発電だって、そんなに何年も持たないでしょう」
「公共の送電はもちろん止まってますが、ソーラーパネルや風力発電なんかの自然エネルギーを補助的に活用していたビルはたくさんあります。インシデントZ前は、自然エネルギー活用推進のモデル地区だったエリアもあります。電力があるとしたら、そのあたりだと推測されています」
2つ目は根岸製油所の調査だ。根岸製油所は根岸駅の近くにある、石油精製プラントで、ヨコハマ撤退によって無人になっている。
「タンクの中の原油や石油は、もう変質するか、揮発してしまっているでしょうが、条件によっては使えるものが残っているかも知れません。とにかく石油不足の解消は喫緊の課題ですからね」
「なるほど」確かにそれはUAVではできないだろう。
3つ目はZの実態把握だ。ツルミ防衛ラインの外側には、10万体以上のZがいると推定されている。そのほとんどはR型だと思われるが、危険なD型も散見されるらしい。
「R型のZが群れで行動する傾向にあることは、鳴海さんもご存じだと思いますが、その動向をリアルタイムで把握するシステムを構築できないかと考えています。それができれば、次回以降に送り込む調査隊の安全性が高まります。D型の存在把握は言うに及ばずです」
「動向把握って......ZにGPSでも配布するんですか?」
ぼくが口にした冗談は、またしても谷少尉に肯定された。
「近いですね。Zにマーカーを打ち込むんです」
「は?打ち込む?」
「まあ、今は詳細は言えませんがね」谷少尉は微笑んだ。「そして、4つ目。ここが鳴海さんに一番関係してくるところですよ。ソリストの実地テストです」
唐突にぼくは理解した。実地テストが文字通りの意味だということを。バンド隊員たちがソリスト・システムを装備して、Zが徘徊しているみなとみらい地区で動作を検証するのだ。
「じゃあ、つまり、その......」ぼくは口ごもった。「テスト要員というのは......テストに参加するというのは、みなとみらい地区に一緒に行くという意味なんでしょうか?」
「そうです」
「いやいやいや、冗談でしょう」ぼくは座っていた椅子から立ち上がりかけた。「ぼくは行けませんよ。無理です、無理」
「なぜですか」谷少尉は落ち着き払った顔で訊いた。「別に危険なことはありませんよ。我々は徒歩ですが、同行する方々は指揮車両に乗ってもらいますから。エアコンもあるし安全ですよ」
「で、でも、封鎖地域に......」
「第18特殊作戦群、つまりうちのメンバーは精鋭揃いです。ICZFに志願して、世界各地でZと戦ってきたんですよ。極寒のアラスカや灼熱のアフリカなんかでね。鳴海さんの身に危険が及ぶようなことは、たぶんないはずです」
「たぶんって......でも、同じ連れて行くなら、ぼくみたいにソリストの中身を何も知らない人間より、実際にシステムを設計した人とか、実装した人とかの方が役に立つじゃないですか」
「ソリストはですね、ソフト一式をハウンドが設計・実装したんですよ。公にはワカモト通商を通して佐分利情報システムが実装したことになっていますが、その実態は、ハウンドから降りてくる設計書を元に、ごく一部の実装とテストをやっただけのようです。それも、細かい単位に分割された数万個のモジュールでね。おそらくかなりの割合で、ダミーモジュールも混在されていたはずです。情報漏洩を防ぐためなんでしょうが。結果的に、日本側のエンジニアで全体像を把握している人間は1人もいないでしょう。サーバ系のインフラは、佐分利のエンジニアがやったみたいですが」
「じゃあハウンドのエンジニアに参加してもらうわけにはいかないんですか?」
「いかないんです」谷少尉は小さくため息をついた。「非公式のコメントによると、日本ではZの殺害が禁じられていることが不安材料になっているようですね。いざというときに、排除できないのでは、テスト要員の安全性が担保されない、と」
「だから日本側からテスト要員を出すしかなかったわけですか?」
「そういうことです。もちろん我々が要求したのは、ワカモト通商に対してですが、ワカモトは佐分利に押しつけて、佐分利が下請けに押しつけるだろうということは想像していました。だから、鳴海さんがその椅子に座っているわけです。もっともソリストの概要も知らないテスト要員が送り込まれてくるとは想定外でしたが。まあ何とかなるでしょう」
「いや、それにしても、いきなり......」
「お気の毒ですが、鳴海さんに拒否権はないんですよ」谷少尉は、太田係長と同じようなことを言った。「そりゃあ、どうしても行きたくない人間を、無理矢理引きずっていくようなことはできませんよ。JSPKFは超法規的組織でも何でもないんですからね。ただ、ここまでお話しした以上、参加しないのであれば、オペレーションMMが終了するまで、この基地から出すわけにはいきません。行動と通信の自由を制限して、狭い部屋で過ごしてもらうことになりますね。狭い部屋、というのは、正確に言うと独房のことですが」
「......」
「それから、鳴海さんの会社と、ワカモト通商、佐分利に、鳴海さんが非協力的だったことを伝えなければなりません。当然、何らかのペナルティを科せられることになるでしょうね」
ぼくの脳裏に、言葉汚く罵倒を浴びせてくる太田係長の姿が鮮明に浮かびあがった。
「......そういうの、脅迫と呼ぶんじゃないですか?」
「何とでもどうぞ」谷少尉は平然と頷いた。「私は作戦を成功させたいし、そのために打てる手は何でも打っておくつもりです」
「......具体的には、何をすることになるんですか?」
「運が良ければ、座ってるだけですよ」そう言いながら、谷少尉が自分の言葉を信じている様子は全くなかった。「でなければ、現場でデバッグが必要になるでしょうね」
「デバッグって......ハード部分は無理ですよ」
「ハードは、何年も前から東南アジア諸国やオーストラリアなどの特殊部隊で使用実績のある、いわば枯れたデバイスばかりです。若干、カスタマイズはしてありますが。軍事規格ですから、耐久性、耐衝撃性に問題はありません。パーツのストックも充分すぎるぐらいあるし、うちのメンバーたちは全員がメンテナンスに習熟しています。目隠ししてても、分解修理組み立てできるぐらいにね」
「ソフトウェア一式は、まだ実証前ということですか」
「そうです。あくまで受動的なシステムですから。そんなのを欲しがるのは、Zを殺してはいけない、という特殊事情のある日本、それも、JSPKFだけです」
確かに、Zに人権を認めていて、なおかつそれを保護する法律が成立しているのは、世界広しといえども日本だけだ。その根拠は、ソラニュウム・ウィルスの治療薬が開発され、Zを人間に戻せる可能性がゼロとは言えない、という、ほとんどこじつけのような主張によるものだ。世界中からZ特別人権保護法に対する非難が続くのも無理はない。
「まだ、よくわからない部分がいくつかあるんですけど......」
「さすがに何もかもオープンにするわけにはいかないんですよ。JSPKFは秘密主義の組織ではないですが、限りなく透明というわけにもいかないので。特にソリストに関しては、ハウンドとの契約で情報の徹底した管理が要求されているので」
「半分、目を閉じた状態で」ぼくは不満を口にした。「それでも決断しろってことですか?」
「そうです。同行していただけますね」
「選択の余地なんてないじゃないですか」ぼくは渋々頷いた。「また失業したくはないですから」
「快く同意していただけて、私も嬉しいですよ」
谷少尉はメフィストフェレスのような笑みを浮かべた。物腰は柔らかく、礼儀正しい言葉遣いだが、実は意外に腹黒なんじゃないだろうか、この人。こういう人がユーザ企業の担当者だと、適当なカタカナを並べただけの見積書を作る営業マンは苦労することだろう。
「さっき、会議室にいた他の3人も、そうやって脅したんですか?」
そう訊いたのは、ぼくの面談の順番が最後だったからだ。谷少尉は首を横に振った。
「あいにく同行するのは鳴海さんだけです。他の3人にはお引き取り願いました」
「え?どうしてですか?」
「理由の1つは鳴海さんに、みなとみらい地区の土地鑑があることです。他の人たちは埼玉や長野に住んでいて、これまで横浜に来たことは、ほとんどないそうですから。ランドマークタワーとマリンタワーの場所もわからないでは、いざというとき困ります」
「その、いざというときって、たとえば何ですか?」
「でも、最大の理由は」谷少尉はぼくの問いを無視して続けた。「他の3人にプログラミングの経験がなかったからですよ。現場では何が起こるかわからないですから。ひょっとしたら、全く新しいモジュールを現場で書かなければならないかもしれないでしょう」
それを聞いたぼくは、あることに気付いた。先ほど親密に交わしたエンジニア同士の会話は、単なる昔話ではなかったのだろう。谷少尉は巧みな話術で、相手がどんなスキルを持っているのかを探っていたに違いない。
「言っておきますが......」ぼくの心を読んだように、谷少尉は微笑んだ。「私がプログラマだったのはウソじゃないですよ。この面談を私がやっているのは、そのためなんですからね」
思わずため息が出た。単なるテストエンジニアで、コードなんか1行も書いたことがありません、とでも言っておけば、今頃、会社に戻れていたかもしれないのに。
「それで、みなとみらいに行くのはいつなんですか?」
「オペレーションMMは、7月30日の0900に開始されます。つまり明後日の朝9:00に港北基地を出発です」
「わかりました」ぼくはスマートフォンを出して、スケジューラを開いた。「じゃあ、30日の朝8:00ぐらいに集合すればいいですか」
「ああ、鳴海さん」谷少尉は面白そうに笑った。「ひょっとして、このまま帰れると思ってたんですか。残念ながらそれはできませんよ」
「はあ?」
「出発まで、基地内にとどまっていただきます。まだ説明することもあるし、身体検査や簡単な訓練も受けてもらう必要があるので」
「で、でも、会社に報告したり、着替えとか......」
「会社へはこちらから連絡しておきますし、着替えなんかは支給します。せっかく行く気になってくれたのに、基地から出たら気が変わるかもしれないじゃないですか。そんな危険は冒せません」
厄日だ。ぼくは肩を落とした。谷少尉は穏やかに微笑んでいた。
(続)
コメント
taitan
土地鑑→土地勘でしょうね。
導入部分でも話が難しい。じっくり読みます
taitan
土地鑑で○のようですね。あぁ、恥ずかしい
MM
>taitan様
wikiで調べたら、土地鑑という書き方も正しかったですよ。
今作は、近未来という設定をして、現代日本の政治や軍事を風刺するという新しいパターンで、今後の展開が楽しみです。
うーん
>作戦行動中にブルースクリーンになったらどうするんだ
クラスタリングくらい考えているだろうに。
逆に、たとえLinuxやsolarisだろうとシングル構成なら
「作戦行動中にpanicしたらどうするんだ」と思いますけどね。
この少尉の個人的な視野の狭さだけなら構いませんが。
ゴーン
クラスタリングがあろうがなかろうが、ミッションクリティカルな業務で、Windowsサーバなんぞ受け入れる気になれん、という気持ちはよくわかるな。
ユーザ側のみシステム担当者が、それしかわからんから、という理由でWindowsサーバにして、どれだけ苦労させられたことか。
うーん
ごめんね、本当に伝えたかったのは、
「特に明確な理由もなく特定の製品や言語を貶めると、それに対して怒りや悲しみを覚える専門技術者もいるんだよ」
ってこと。
他者の気持ちを慮るのは最低限のスキルだからね
ゴーン
うーんさん
きっと少尉にば、過去の苦い体験からくる何らかの理由があったんではないかと。
単に落ちる可能性が少ない方を選んだだけかもしれないけど。
saza
サーバー側はクラスタリングしてもクライアント側まで全て冗長化出来るとは限らないんだし・・
そもそも、それ言われて引き下がる提案なんだから、必要は無い。
しかし、この最後の段階で帰宅出来ると思っていた主人公が甘い。
fksk
>作戦行動中にブルースクリーンになったらどうするんだ
あはは。これは解説が必要なネタですね。
1998年に米国海軍イージス巡洋艦ヨークタウンがWindowsNTベースの新型業務システムを試験した際、OSではなくアプリケーションが原因のエラーを起こし行動不能になった、ってな故事を元にしたネタですね。軍オタの中では「過去にイージス艦を行動不能できたのはWindowsだけw(正確にはその上で動作したアプリケーションですが。)」ってな、ジョークもあるネタです。
ttp://wired.jp/1998/07/28/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%83%89%e3%82%a6%e3%82%bant%e3%81%ab%e6%8c%af%e3%82%8a%e5%9b%9e%e3%81%95%e3%82%8c%e3%82%8b%e7%b1%b3%e6%b5%b7%e8%bb%8d/
ちなみに脱線ついでに話しますと、艦艇の大型戦闘システムは昔はVAX/VMS、近年だとHP-UXで動いています。Windowsベースのシステムはあまり聞きませんが、2008年に英国海軍向け原子力潜水艦用管制システムにWindows採用(たぶんXPベースのwindows embedded)とのニュースがあり、えらくびっくりしました。
ttp://slashdot.jp/story/08/12/18/0241257/%E8%8B%B1%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E3%80%81%E5%8E%9F%E6%BD%9C%E3%81%B8%E3%81%AEWindows%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9%E7%AE%A1%E5%88%B6%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%81%AE%E9%85%8D%E5%82%99%E3%82%92%E5%AE%8C%E4%BA%86
大型システムだと汎用OSを使いますが、戦車とか戦闘機では計算機リソースが限られ、更に火器管制などはリアルタイム性を求められるので、昔はメーカ独自OS、最近はVxWorksとかLynxOSとか使っていると聞きます。さすがにAndroidは聞いたことがありませんが、RTOSの話なんぞ読者には全く親しみが無いでしょうからそこはフィクションということで。
最近流行りのNetwork-Centric Warfareのための試験的な陸上戦闘システムでは、各兵士が持ち状況の取得や報告に使う端末がAndroidスマートフォンやwindows動作のタフブック、戦域無線経由でデータを集約するサーバ側はWindowsServerだったりするらしいのでAndroid/Windowsが戦場で使われてないわけでは無いのですがね。
fksk
連投で申し訳ないのですが、1998年に米軍の主力戦車M1A2を民生部品を利用してアップグレードしたぜーって記事を紹介しときます。英語ですがシステム構成図やら具体的なスペックやらが乗っているので、現代の陸戦兵器の電子機器構成を知るご参考になれば幸いです。
ttp://vita.opensystemsmedia.com/pdf/DY4.Feb98.pdf
PowerPCベースのシステムにVxWorksと、高級な産業組込機器といった趣かな。
toanna
きたきた!3話目にしてやっとはまりました。
こういう世界(の元ネタ)には疎いので、解説も含めて凄く楽しいです。
年を経るとこういう話に疲れてしまうことが多くなったけど、解説付きで結末まで楽しませていただきます。
テモチノチシキダケジャムリ。。
nonta
軍事も疎くゾンビものもバイオハザードくらいしか知らない人間ですが、この世界観で描かれるソフトウェアエンジニアの悲哀にwktkです。
3話目、まだ導入かと思われますがきっちり心掴まれました。期待してます!
>fksk様
解説楽しませていただきましたw
winを悪く言うつもりはないですが、ジョークとはいえ「イージス艦を行動不能」って言葉のインパクトはすごいですねぇ。
イージス艦や原潜に採用されたと聞くと、寡聞ネタでしたのでむしろ「winってそこまで信頼性認められてるんだ、すげー!」って思いましたがw
不得手な分野のネタは深追いせず楽しもうと思います。
その上で今後とも詳しい方々のコメントに期待させていただきますw
ぽん
フィクションなんだから、「Windowsがブルースクリーンを頻発する世界」だと思っておけばいいんじゃないですかねぇ。娯楽にいちいち目くじらを立てていたら疲れますよ。
rubyist
言語を聞いてるのにRailsと答えたり、WindowsやPHPに対するイメージがちょっと古そうなあたりがちょっと怪しいですね。
Javast
>言語を聞いてるのにRailsと答えたり、WindowsやPHPに対するイメージがちょっと古そうなあたりがちょっと怪しいですね。
Rails と言えば、Rubyに決まってるので、プログラマ同士ならわかって当然。むしろ自然と言えないかな?
windowsやPHPに対するイメージもこんなもんだと思うけどね。ミッションクリティカルな業務システムをPHPで構築しようとは思わんでしょう。
fuga
明らかに誤字脱字が少なくなってる
きちんと確認してるみたいで感心w
> みんな精鋭揃いです
みんな精鋭です or 精鋭ぞろいです だね
> Android アプリ
> Google にある
半角英数の前後に半角スペースを入れるのか入れないのか統一してほしいな
ちなみに、僕も昔は半角スペースを入れていたけど、どうしても混在してし
まうので、面倒になって止めましたww
> fkskさん
これはひどいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
fugaさん、ご指摘ありがとうございます。
重複表現でした。
半角英数前後のスペースは、自分でもはっきりしたルールがなくて。
過去の章を遡って修正するのも面倒なので、次回から統一するようにします。
オレンジ
希望的観測をもとに人権擁護されたら前線に立つものとしては困りますよね。
朝松のような切れ者風な人間が委員会にいるあたり裏がありそうですが。
舞台設定をどこまで作り上げてるか期待してます。
とりあえずZの足は速いのか遅いのか、それが問題。
横浜人
いつの間にか新作スタートしていて、港北基地で、ゾンビとは、胸熱だ。
ソラニュウムウイルスとか大いなるパニックとかは、WWZ(原作)の設定ですね。
楽しみだ。
イエーガー
今までに無かった新しい切り口で面白いですね、「使える資源の乏しいポストアポカリプスな世界でも"使えるハードが有る前提なら"それ自体は資源の消費無しで試行錯誤出来る"プログラマー"の価値はむしろ上がっているかも?」って想定は面白い。続きを読むのが楽しみです。