ふつーのプログラマです。主に企業内Webシステムの要件定義から保守まで何でもやってる、ふつーのプログラマです。

罪と罰(7) 経験の価値

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 「できてない?」五十嵐さんは眉をひそめた。「あれだけ時間があったのに?」

 金曜日。Aチームの定例ミーティングだった。宿題の提出を求めた五十嵐さんに対して、ジャンケンで負けたらしい木下が、まだできていません、と答えたのだった。

 「そんなに難しかったか?君たちが考える開発のストーリーをまとめればいいだけじゃないか」

 「その......」木下が躊躇いながら言った。「武田さんのチェック中なので」

 「武田?武田がどうした?」

 「......」

 「箕輪さん」木下が言葉に詰まったのを見て、五十嵐さんは私に向き直った。「どういうことだ?」

 私はやむなく先日の一件を簡単に話した。話を聞くうちに、五十嵐さんの目つきが険しくなっていった。

 「それで、武田副課長のところで止まっているわけか」

 「そのようです」

 五十嵐さんはがっしりした身体を椅子に預けると、前で腕を組んで天井を見上げた。3バカトリオが不安そうな面持ちで、その様子を見守る。

 「よし」しばらくして五十嵐さんは口を開いた。「木下、武田副課長を呼んでこい」

 「え」

 「いや、あの」私は声を上げた。「確か武田さんは今、久保さんとミーティングだったはずで......」

 「そんなの知るか。とにかく呼んでこい。何しててもいいから」

 木下は戸惑っていたが、五十嵐さんに「早く」と促されると、慌てて席を立って飛び出していった。

 「ね、箕輪さん」隣に座っていたクミが囁いてきた。「これ、そんなに悪いこと?」

 「さあ......」同じ疑問を私も抱いていた。

 数分後、木下が不機嫌そうな顔の武田さんと一緒に戻ってきた。

 「何ですか一体!」入ってくるなり武田さんは吠えた。「打ち合わせ中なんですよ!」

 「武田くん」五十嵐さんは武田さんに負けないぐらい不機嫌そうな顔だったが、口調は冷静だった。「君はこっちのチームに出した宿題を親切なことに見てやると申し出たそうだな。いや、違うか。見せろと要求したんだったか」

 「それが何か?」

 「しかも規程のフォーマットを使えと言ったんだな」

 「そうですが」

 「どうしてそういう余計なことをしたのか、弁解があるなら聞かせてもらおうと思って呼んだんだ」

 「弁解って何ですか?私はただ、こいつらが行き詰まっているようだったから、手助けをしただけでしょう」

 「私がこの課題を出したのは火曜日だ」五十嵐さんの眼光が、武田さんのそれとぶつかった。「今日は金曜日。それまで君のところで止めておいたのは、何か理由があるんだろうな」

 「そりゃ、私だって自分の仕事がありますから」

 「ほー、ほー、ほー」五十嵐さんは笑顔を忘れたサンタクロースのように冷笑した。「便利な言葉だな。仕事。自分の仕事か。自分の仕事のためなら、こちらのチームの進行が止まってもお構いなしというわけだ」

 「そんなことは言ってねえ......言ってないでしょう」一瞬、決壊しかけたダムのように、武田さんの口調が荒々しくなった。「それほど急いでいるとは知らなかったんですよ。金曜日までと言っておいてくれれば、昨日には渡しましたよ。それにですね、私の経験からすれば、要件定義というのは一番時間をかけなきゃいかんのですよ。適当に決めて、後で失敗したって分かっても、後戻りはできんのですからね。こいつらは、まだそのことがわかっておらんのです」

 五十嵐さんは無表情で黙ったまま、武田さんの顔を見つめた。それをどう思ったのか、武田さんはますます勢いづいた。

 「こいつらは研修をやっているわけじゃない。業務で開発をやってるんですよ。だったらうちのフォーマットに基づいて、うちのやり方でやるべきでしょう。五十嵐さんはずっとこの会社にいるわけじゃないし、いなくなった後の責任まで負っているわけじゃないでしょうが、我々はこれから先もこの会社で、この会社のやり方で開発を続けていくんですから。あまり変なクセをつけないでもらいたいですね」

 武田さんは年長組の他の人たちのように、CS部、公事開発部からの異動ではなく、私と同じように転職で入社した人だ。前職のことはあまり語らないが、長い間、VB6で業務システムの開発をやっていたらしいのは、以前聞いたことがある。といっても、実装というより、いわゆる上流工程が主だったようだ。入社直後は、セールスエンジニアとしてCS部の営業課にいたが、Webシステム開発部の発足と同時に異動してきた。

 武田さんはJavaの知識と経験は一応あったものの、研修レベルのものでしかない。だが、それをさらに実戦レベルまでに磨き上げようという気はなかったらしく、Webシステム開発部ではもっぱら要件定義と設計を担当している。要件定義はさすがに経験を生かして顧客のニーズを細かい部分まで吸い上げてくれるので、安心感があるが、問題は仕様書の方だった。

 困ったことに、Webアプリケーションという仕組みが今ひとつ理解できていないようで、「select ~ for update によって、ロックをかける」というような仕様を平気で書いてくるので、実装するメンバーはいつも苦労している。3バカトリオやクミやマサルも、等しくその被害者である。一応、指示には従っているが、後でこっそり私のところにやってきては、仕様書の不備部分を並べていく。つまり、私はそれを武田さんに翻訳する役目を押しつけられているわけだ。

 前職での教育のせいか、それとも本人の性格なのか、武田さんの作成するドキュメントは非常に細かい。実装するメンバーに任せればいいんじゃないか、と思うような部分まで詳細に記述してくる。知らない人が見たら、ソース1行ごとの解説を書いているのかと思うぐらいだ。

 さらに、武田さんはソースとドキュメントの整合性に異様なまでにこだわっている。定期的に進行中の案件のソースと、共有フォルダに置いてある仕様書を見比べている。相違を発見すると、鬼の首を取ったような顔で担当メンバーを呼びつけて、あれこれと修正を指示するのだ。

 「......アジャイルだの何だの言われて、ドキュメントを作らないことが流行ってますがね。あんなのは私に言わせれば、怠け者の言い訳でしかないですね。システムの確実性を担保するには、きちんとドキュメントを作ることが一番なんですよ。これは、私の経験から言っても間違いないことです」

 Aチームのメンバーたちは、どこか醒めたような顔で武田さんを見ている。せっかく新しいことをやろうとしているのに、「会社の方針」などを持ち出して、そのスピードにブレーキをかけようとしているようにしか見えないのだろう。

 「言いたいことはそれだけかな?」五十嵐さんが、武田さんが言葉を切った瞬間を捉えて訊いた。「それが君の弁解ってことでいいのかな?」

 「いや、だから、弁解なんかではなく......」

 「君の考えはよくわかったよ」五十嵐さんは鋭い声で遮った。「君には感謝しなければならんな」

 意外な言葉に、武田さんのみならず、全員が驚きの表情で五十嵐さんを注視したが、もちろん五十嵐さんは、本当の意味で謝意を述べたわけではなかった。

 「君の意図はわかってるよ。君は新規プロジェクトに自分が入れてもらえなかったのが気にくわないんだろう。だから、自分を無理矢理割り込ませて、自分のところでコントロールできるようにしたってとこだ。違うか?」

 武田さんの顔が真っ赤になった。怒りなのか、図星を指された恥辱なのか。

 「君は一応エンジニアだろう」五十嵐さんは、"一応"を強調した。「だったら技術力で勝負しろよ。フォーマットだの、経験だのを武器にしないでくれよ。情けないぞ?」

 「......私に技術力がないとでもいいたいんですか」

 「ないとは言わんよ。VB6とか、そういったカビの生えた技術ならな。だが、このプロジェクトでは、そんなものを使わないし、今後も使う予定は全くない。逆に訊きたいが、君はそんな自分がこのプロジェクトの要件をチェックできると、本当に思っているのか?」

 「経験者のチェックは必要じゃないですか」

 「それは否定しないが」五十嵐さんは低い声で笑った。「それはその経験者が、相応のスキルを持っている場合に限るよ。でなきゃ経験を生かすも何もないだろうな。君のスキルと経験は、このプロジェクトに必要ないし、これからも必要とすることはない。わかったかな?」

 武田さんは立ち尽くした。両の拳が固く握りしめられているのが見えた。と、武田さんは不意に振り返り、私たちに相対した。

 「おい、お前らはどうなんだ!」武田さんは真っ赤な顔で叫んだ。「お前らは、本当に俺のアドバイスなんか、いらないと思っているのか?俺の経験なんか邪魔だって考えているのか?」

 Aチームのメンバーたちは、少し困ったように顔を見合わせた。

 本音を答えることが許されるのなら、武田さんの経験は、今のところ必要はない。プロジェクトAで、武田さんの経験が生かされるシーンは当面、いや、おそらく永久に来ないだろうから。

 「どうなんだ!」もはや理性をかなぐり捨てた武田さんの声が、室内に響き渡った。「何とか言えよ、守屋、木下、足立。お前らが入社して以来、何かと目をかけて育ててやったのが誰なのか、忘れちゃいないだろうな、え?」

 これはまずい。私はドキュメント参照用に持ってきていた、iPad Miniをそっとたぐり寄せると、社内ポータルサイトを開いた。あまり画面を注視しないように気をつけて、指先でそっとメニューをタップした。目的の画面が開くと、私は指をそっと滑らせた。

 「おい、マサル。何とか言えよ。お前も俺の恩を仇で返すのか?コミュ障のお前を使えるまでにしてやったのは誰だよ。え?」

 何とか数語を入力すると、私は実行ボタンをタップした。ホッと息をついた途端、武田さんの矛先が私に一直線に向けられた。

 「おい、箕輪よ」武田さんは燃えるような瞳で私の顔を睨み付けた。「お前もやっぱりこっちの味方なのか?チームリーダーになったからって、もう偉い人間にでもなったつもりか?え?言っとくけどな、この人は1年後にはいなくなってるんだぞ。そのことをよく考えた方がいいぞ」

 もうやめてください。そう言いたかったが、声が出なかった。

 「言って見ろよ。箕輪。正直に」武田さんは私の方に一歩踏み出した。「俺の経験なんか役に立たないと思ってるのか?」

 五十嵐さんがいなければ、私は武田さんをなだめるような言葉を口にして、この場を収めようとしたに違いない。だが、五十嵐さんは、興味深そうな顔で私を見つめている。面白がっているように見えるが、目が笑っていない。ここで日和見主義的な発言をしたら、五十嵐さんを失望させるのではないか。私は直感的にそう思った。

 「何とか言えよ!」

 Aチームのメンバー全員が私を注視している。くそ、五十嵐さんはなんで私なんかをリーダーにしたんだろう。

 混乱した頭のまま、私が口を開こうとしたとき、ドアが開いた。

 「武田さん?」顔を覗かせたのは、久保さんだった。「どうしました?」

 全員――おそらく武田さんも含めた――が、思わず息をついた。

 「あ?ああ、久保か。どうした?」

 「いや、どうしたって......」久保さんはちらりと私の顔を見たが、すぐに武田さんに視線を戻した。「まだ、打ち合わせの途中ですけど、どうしますか?こっちが長引くようなら、リスケしますか?」

 「......ああ、すまん」武田さんはやや興奮の残滓が残るものの、一気に冷却されたような顔で答えた。「こっちは終わったから。今、戻るところだよ」

 「そうですか」

 久保さんはまた私に何か問いたげなまなざしを向けたものの、何となくこの場の雰囲気を悟ったのか、余計なことは言わなかった。私は安堵しながら、iPad Miniの画面をタップしてブラウザを落とした。メッセンジャー機能を使って、さっき久保さん宛に「武田さんが呼んでます」と短いメッセージを投げたのだ。

 武田さんは、最後に私たち全員に対して一瞥をくれると、久保さんの後に続いて出て行った。

 「さて」何事もなかったかのように、五十嵐さんが笑顔で口を開いた。「じゃあ次回までに、課題を考えておくように、と言いたいところだが、スケジュールが押しているから、とりあえず私の案を示しておくとしようか。意見があれば遠慮なく言ってくれ」

 五十嵐さんは、全員に数枚のプリントアウトを配った。それに目を走らせながら、私は、武田さんが今、どうしているのかが気になっていた。

(続く)

 この物語はフィクションです。実在する団体名、個人とは一切関係ありません。また、特定の技術・製品の優位性などを主張するものではありません。

Comment(19)

コメント

wwJww

私の経験上の話ですが、社内 SE かつ管理職にならずに技術で留まっている年配の方にありがちですねぇ。

技術力がないというのは、管理職系ではない武田さんにとっては致命的ではありますが、それ以上に、

・五十嵐さんに論破されたのに、それを後輩へ八つ当たり (人格に問題大あり)
・恩を押し売る (話の流れを読む限り、売られた当人からすればたぶん役立っていない)
・その恩に訴えかけて味方になることを強要
・これらはパワハラに当たる

ってのは、まっずいですねぇ・・・。

いやー絵に描いたような老害さんを描くのが上手ですね。
順当にいけば地雷は武田さんな気がしますが、ひっくり返ったりするんでしょうか。。。

クリケット

> Aチームのメンバーたちは、どこか醒めたような顔で武田さんを見ている。
冷めた ですよね?

通りすがり

内容が発言小町のダメ人間調でちょっと現実離れしてる。
それでちょっと醒めてしまうのが残念。

ああああ

五十嵐が武田を挑発した際、五十嵐は何を考えていたのか気になる。

五十嵐が何らかの策略をもって五十嵐を挑発したのか、
はたまた単に性格的な相性が最悪だったせいで、いざこざにもつれ込んだだけなのか……
前作(前々作?)「竜と鼠のゲーム」みたいな展開を考えると、どうしても何らかの陰謀の存在を疑いたくなるな。

読者小笠原

>クリケットさん
指摘する前にきちんと調べましょう。「ですよね?」なんて自信無さげに指摘してもしょうがないでしょう。

.

儲けを出すことは最初から諦めてて、
チームを成長させることが目的なんでしょうかね?

最終的な責任者であろう瀬川部長の意図が
なかなか語られないあたりが気になる・・・。

やじうま

今回も上流だけやってる人には厳しいですな。
一貫した作者の主張ですよね。
最近はなんでも自分でやるという傾向がWebサイトでは多いですが、企業の大規模業務システムではまだまだ分業が主流ですかね。

elseorand

『上流の「経験」は陳腐化しやすい』という現実から目を背けている人は多いよね。
数学やアルゴリズムといった陳腐化しない技術からも逃げる人が多いね。

「何で今時そんなことも知らずに仕事してるの?」
「何でその年でそんなに基礎が無いの?」
と思ってしまうような老害が出やすい業界ですね。

匿名

上流をやる人こそ最先端の技術を追って使えるかどうか、導入すべきは見送るか判断できないといけないですよね。

昔一緒に働いていた50代の部長は毎月技術雑誌買ってたし、アジャイル開発(2000年前半頃)も導入できるか、エンジニアに相談したり。
自動テストについても導入したいから、使えそうなツール調べてちょっとやってみようと言ってくださったり大変勉強熱心だった。

mayo

上流工程についてみなさんと認識が違うのでコメント
上流SE(工程)は
・客先との折衝
・社内調整
・要員管理
・予算管理
・トラブル時の対応
等々をする人で
仕様書を書いている人は下流というのが私の認識
技術はあればいいがそれより大事な事がたくさんあります

DumbObj

古株が自分から辞めるようにしむける手口として、ブラック企業経営者が紹介してたやり方に似てますね。

個人的には過度な分業はテイラー主義的であまり好みではないですが、プロジェクトマネジメントを専門にやる人や、ビジネスアナリストとして要求分析を専門にやる人が、開発者として設計や実装を専門にやる人たちと別にいる事自体は、悪いことではないと思います。それに、それらの人たちが、開発者と同じレベルで実装技術を身につけていなければならないかというと、全くそうは思わないです。

逆に、10年以上開発者として設計・実装を主に担当してきた人が、主に要求分析をする仕事を任されだけど、実装方法に思考が縛られて要件定義がうまくできず、失敗プロジェクトを量産していたのを見たこともあります。
複数人見たことがあるので、一般的にありがちなパターンではないでしょうか?
それに、この手の人は、プロジェクトがうまくいかなかった原因を、要件定義よりも、実装よりの部分に求めがちなので、同じ失敗を繰り返すことが多いです。

武田さんの場合は、やや後者に近い部分を感じますけど。

アラファイブ

フォーマットだのは、一昔前なら、天下り的に来たコンサルタントが勧める一番のネタだったのに、と思います。

プログラムには基礎となる論理や代数が有ったですが、フォーマットには無かった、無いのにもかかわらず布教してしまう人間が居た、その無い事を次世代の最新技術だと思ってしまった、というせいでしょうか。

五十嵐さんは天下り的に来た人間で、感情的には一昔前の人間と同じようにサムダウンの対象ですが、基礎となる論理や代数を持たない「技術」を否定する側に立つという事で、是認すべき存在かも知れません。

X

>mayoさん
上流、下流っていわゆるウォーターフォールの工程(要件定義->設計...)の話だと思ってたのですがなるほど、管理体系の上、下という解釈もあるのですね。
それだと私のイメージはあえて名前をつけると上級SE、というかその役割は
プロジェクトマネージャーなのかなという認識でした。

>DumbObjさん
作者さんの認識は「人形つかい」にも出ていたように実装方法を知らないで
要件定義とか設計をやって実装できないようなものが出てくる危険のほうが
多いということなんでしょうけど、確かに逆もありそうですね。
けっきょく程よいところってのがあるんでしょうけど、難しい課題ですね。

だい

実装からエンドユーザまで、何もかもがこれまでと違うプロジェクトで規程のフォーマットも何もないと思う。
五十嵐さんは若い人の柔軟な発想、アイディアも引き出したいような気がするので、
フォーマットがある事によって、視野が狭くなってしまう事を嫌ったのでは?
でも、”仮に” そう考えているなら、それをメンバに伝えなかった五十嵐さんも言葉が足りない。
また、社内で前例がない新しい事をやろうとしているんだから、武田さんの意見を聞くのは無駄ではないと思う。
※ただ、武田さんが ”チェック” するのは違う気がする。

あと、成果物には期限がつきもの。
事前に確認しなかった武田さんはダメな気がする。
もちろん、伝えなかった箕輪さんも。メンバー達も。

>mayoさん
書いておられる「上流SE(工程)」は、私的には
技術がない管理職にやって欲しいと思う事に似ています。

・客先との折衝(仕様に関わらない部分のみ)
・予算管理
・社内調整
・ケツ拭き

要件定義は、技術がない人の目から見てどうか。という意見を貰えると参考になる事もあります。
要員管理はメンバの能力、適正まで見極められる人だけがして欲しい。
Excel遊びで算出した”人月”でしか管理できないなら不要です。
要員追加などが必要な時に、社内外の調整だけしてくれれば良いです。

通りすががり

『下流の「技術」だけでは立場が上がらない』という現実から目を背けている人は多いよね。
会計知識や法律知識、各種業務知識からも逃げる人が多いね。

「何で今時そんなことも知らずに仕事してるの?」
「何でその年でそんなに基礎が無いの?」
と思ってしまうような老害が出やすい業界ですね。

DumbObj

>Xさん
要件定義をする人間と違い、設計する人間は実装知識が不可欠だと思っていますよ。
扱うドメインにもよるかもしれませんが。

「人形つかい」のように、上流のほうが立場が上だと勘違いし、
下流は上流の指示に従ってればいいというようなITカースト思想や、
それを生み出している組織や業界慣習は深刻な問題だなとおもいます。

ただ、VB6のようなカビの生えた実装知識しかないやつは必要ない、
という排斥的な考えも、どこか似たように偏っているように感じます。

「仕様書もろくに書けない奴が」とか、「まともに実装もできない奴が偉そうに」などと、
互いをDisるのではなく、得意分野や専門分野の異なるメンバーがお互いを尊重できるといいんですけどね。

営業担当者と、マーケティング担当者が、「ろくに営業もできないくせに」とか、
「マーケティングのいろはも知らない奴が偉そうに」などと、互いにDisったり普通しないですよね。

「営業のくせにそんなことも把握してないの」とか、
「マーケティングのくせにこんなこともできないのか」とか、とかはありそうですが。

.

まぁ、現実的には東海林さんみたいなスーパーマンが
そう何人もそこらに転がってるわけじゃありませんからね。。。

読者A

なんだか武田さんの欠陥が、「技術力のなさ」「技術的向上心のなさ」に収束していっているように見えてしまう事に違和感が。

小説のストーリーの直接的な流れとは別に、設定というか背景を追うと、
これ、そもそもはH&Gコンピューティングって会社が、このままじゃ傾いちゃうぜ、って所から、瀬川部長が開発部の注力分野をシフトさせたいってのが事の発端のわけで。
で、五十嵐さんが登場し、反対勢力を黙らせて、勢力図の書き換えをするには、どういう戦略がいいかを考えて、WEBシステムの開発を立ち上げて、一山あてて、勢力図の書き換えに成功しつつあるってことですよね。五十嵐さんのミッションは、それの訳で、反対勢力の排除までは良いとしても、イニシアティブの思想にマッチしない人間の排除を始めたら、これはもう陰謀話になっちゃう。
「大きな物語」は前述なわけで、その中でミクロな悲喜こもごもが描写されるなりすると居心地の良い小説になるわけですな。
で、悪役武田さんは「勢力図の書き換えの反対派の象徴」のような人というのが、ストーリー上の役割なんだろうとは思うのですが。
となると、本当に足引っ張ってるのは「旧来の“やり方”に固執する、変化を嫌う姿勢そのもの」なはずで、それは例えば、規定のフォーマットや、既存の開発ルールへの固執だったりする方が、むしろ象徴的でしっくりくる。そういう意味では、かつて登場したマイクロマネジメントに固執する人(名前忘れた)のような人の方が、物語の背骨にマッチすると思うんだよな。まぁ、似たような造形のキャラクタを何度も出してもアレってのはわかるんだけど。
KSR案件の遅延が、武田さんが技術的におぽんちなので、手戻り多くて遅延発生とかなんだとすると、それは、「技術」に焦点があたりすぎてて、居心地が悪いと感じる。「手法も含めて技術でしょ」っていう言い分は、もちろん分るんですが、この手の勢力関係上のボトルネックになる人っていうのは、そういう向上心のなさとは別の実態があると思うんですよね。途中でAチームの足ひっぱってコントロール配下にしようとしてた武田さんの方が、悪役造形としてはうまく行ってた気がする。
技術にフォーカスしすぎると、「技術のないのが悪」「技術があれば正義」という二項対立に流されやすすぎて、それはコメント欄の盛り上がりがそっちにピョーンといっちゃったのもあって余計にそう感じるんだけど。(そういう話に飛びつきたい人も潜在的に多いような気がして、それに対する危機感も後押ししてる)
今回のテーマはなんだろう?ってちょっと逡巡してしまってるのが今の感想。実はミクロな話がしたくて、改革云々は背景にもってきただけよ、っていうのが意図ならわかる気がするんだけど、せっかくなら「改革を妨げる悪意の象徴とは?」の方が問題提起が強くて期待しちゃうな。今回の物語で、真にリスクを負った改革者は実は瀬川部長で、瀬川部長は別に技術的野心の人ではないんですよね。

まぁ、なんとなく今回は独り言に読書感想文でした。(例によって推敲なし一発書きなんで長文、冗長はご勘弁のほど)

読者A

一個前の投稿は、うっかり投稿場所間違えたんで、なしんこで!
(やっちまった!)

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