カタチから入る、フリーランスの始め方
フリーランスになると、会社員時代には空気のようにあるのが当然と考えていたものが全てなくなる。その代表的なものが名刺だろう。これは、9x5.5cmのカードがなくなるという意味ではない。そこに書かれているほとんどのものを失うということだ。
会社名、部署、役職、オフィスの住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、URL。これらのものは、自分の所有物ではないので退職時に持ち出すことは出来ない。退職とともに、それまで掲げていた会社の旗を降ろすと、残るのは自分の名前だけになる。今度は自分自身の旗を掲げなければならない。
「さて、どんな旗を掲げようか?」というときに、みすぼらしい旗を掲げたいと思うヒトはあまりいないだろう。できるだけ自分をよく見せようとするのではないだろうか。
ポイントは、「ありのままの自分」ではなく、「あるべき自分」を押し出すことだ。これは別に悪いことではない。そこに向かって努力する原動力ともなるわけだし。
そんなわけで、今日は、カタチの整え方を考えてみよう。
カタチを整えるために必要なモノ。それはやはり名刺に載せる情報だろう。会社名、部署、役職だった部分は、屋号や職業に置き換わる。住所、電話番号、FAX番号、そしてメールにURL。このくらいが一般的だろう。
まずは簡単なところから。ドメインを取って仕事用のメールアカウントを作る。安いところなら、1,000円も出せば.comドメインが取れる。後は無料のgoogle appsで、取得したドメイン名のメールアカウントを作るだけだ。
Webサイトは、今ならFacebookページで作ってしまってもいいかも知れない。もっとガッツリと作り込みたいなら、Amazon EC2の無料利用枠という手もある。これなら、1年間はタダでかなりのことができるだろう。
さて、次は住所だ。もちろん、実質的には自宅=オフィスということが多いだろう。しかし「自宅の住所を晒すのはちょっとイヤだなぁ」とか、「ゆくゆくは都心の一等地にオフィスを構えてみたい」なんて思っているなら、ここでちょっと遊び心を出して、バーチャルオフィスを試してみるのも一興だ。
ちょっと調べてみたら、東京、銀座、渋谷、新宿、六本木でも、「法人登記可能な住所貸し」や「郵便物受取」だけなら月額1,000~5,000円程度で大丈夫だったりする。オプションで「電話転送」を追加しても10,000円で収まるところも多い(ただし、転送時の通話料が別途発生するので注意が必要)。
まぁ、電話は仕事用の携帯をひとつ用意して、名刺にはそれだけを載せるようにすれば転送も不要となる。FAXも、色々なインターネットファックスのサービスがある。
このように見ていくと、カタチを整えるのは考えていた以上に低コストで出来るものなのだということが分かる。
私も気がつけばフリーランスになって半年が過ぎた。そろそろカタチを整えようかと思い始めている今日この頃なのであった(まだ整えてないのかよ?)。
コメント
仲澤@失業者
2001年からフリーランスやってますが、ここ数年は小さな派遣会社のお世話に
なってます。いわゆる派遣ちゃんですね。51歳の現役C++プログラマです(笑)。
さて、名刺ですが、プータになりたての頃は何にも持ってなかったのでヨドバシ
で買った名刺用カードに、油性マジックで「C++ぷろぐらま なかざわ」と書いて
人に渡してました。足りなくなったらその場で書いて渡したりしたので、インパク
トが強かったせいか、笑って許してもらってました(笑)。
これじゃあ、失礼だよなぁ・・・ってことで、豪州に行ってきれいな海や
ワイナリーの写真を撮ってきて背景に採用。当時としては超豪華な、両面フル
カラー(表はテカリありの写真画質)の名刺を作りました。先の名刺用カードは
A4一面で8枚とれるのですが、全て違う写真と、レイアウトを採用。
珍しがられて、8枚並べて「お好きなのをどうぞ」と言うと「8枚セットでくれ」
とせがまれるしまつで、大うけしました(笑)。
書くことがなくなるのはやや寂しいですが、逆に全てが自分で決められ、
それがある程度評価されるという、うれしい経験でした。
手書きですか。
実は私も先日、活版でちょっとオシャレな絵だけ印字されていて、空きスペースに自分の名前やらを手書きするカードを買ったんですが、買った後で、自分の字の汚さに思い至ったため、引き出しの中にお蔵入りしていますw
フリーになって初めて名刺交換した時は、遊び用のPoketerのカードしかなくて、それを出しましたし、その後は、駅の名刺自販機で作ったりと、かなりダメダメな状態でした。
そんなわけで、やっぱりカタチは大切だなぁと・・・。