テストエンジニア時代の悲喜こもごもが今のわたしを作った

「JSTQB認定テスト技術者資格 Advanced Level」を今度こそ!受験してきました

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 こんにちは、第3バイオリンです。

 去年の8月、ソフトウェアテストの資格「JSTQB認定テスト技術者資格 Advanced Level」の試験(以下AL試験)を受験するつもりだったのに、申し込みが間に合わなくて受験できなかったというエピソードをコラムに書きました。

 そのとき、「次回こそ受験する」と書きましたが、先日第1回のAL試験が開催されました(去年はトライアル試験)。今度こそ受験してきましたので、受験の準備から当日の様子までをレポートしたいと思います。

■開催日時と地域、試験料

 日時:2011年8月27日(土)
 開催地域:東京、大阪
 試験料:21,000円(税込み)

 AL試験にはテストマネージャ、テストアナリスト、テクニカルテストアナリストという3つの種別に分かれています(それぞれの違いはこちらのPDF資料をご覧ください)。今回はテストマネージャのみが実施されました。

■コラムの読者が勇気をくれた

 実はわたし、今回のAL試験を受験するかどうか迷っていました。というのも、冒頭に挙げたコラムを書いたあとで、社内の事情が変わったことによってテストリーダーではなくなってしまったのです。テストリーダーじゃないのにマネージャ向けの試験受けてどうするのか……正直言ってほとんど「今回は止めておこう」という気持ちに傾きつつあったように思います。

 そんなとき、コラムの読者の方から「わたしも受験します。お互いがんばりましょう」というコメントをいただきました。このとき「いや、わたし今回は受験しないんですよ」という残念なお返事はしたくない、と思ったのです。このコメントでわたしの迷いは消えました。コメントをくださった読者の方には本当に感謝しています。この場を借りて、お礼申し上げます。

■受験申し込み

 さて、AL試験は、以下の2点を満たす人でないと受験できません。

  1. JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level資格の合格者(Foundation Levelとは、Advanced Levelのひとつ下のランクの資格)
  2. 業務経歴3年以上(ソフトウェアのテストや開発などに関する業務経験が通算3年以上必要)

 そのため、受験申し込みは2段階になっていました。まずメールで受験申し込みをします。その申し込みが受理された後で、必要な書類を郵送しました。書類審査を経て、受験資格を満たしていると判断された場合に受験票が配布されます。

 提出書類は以下の3点(または4点)です。

  1. 書類送付確認状(申し込み書類のチェックリストのようなもの)
  2. 職務経歴書
  3. FL試験合格認定書の写し(FL試験後に苗字などが変わった人は身分証明書の写しも併せて提出)

 書類送付確認状と職務経歴書のフォーマットは試験の実施パートナーである、日本科学技術連盟のサイトからダウンロードできます。職務経歴書には、業務内容のほかに、それらに携わっていたときの勤務先の名前と連絡先を記入する欄があります。さらに、それぞれの勤務先について可能な限り上長の承認印を押印すること、という記載もありました。わたしは転職経験がないので現在の勤務先のみを記入し、直属の上司に承認印を押印していただきました。しかし、転職経験のある先輩は、前職の承認印をどうしようかと悩んでいたようでした。

■シラバスは試験勉強だけではもったいない!

 試験勉強のテキストは、JSTQBのサイトからダウンロードできる「ISTQBテスト技術者資格制度Advanced Level シラバス 日本語版 Version 2007.J02」を利用しました。今のところAL試験の教材はこのシラバスのみです。

 このシラバスには、よくある資格のテキストと違い、単純に用語とその意味の説明だけが書いてあるわけではありません。テストエンジニア、テストマネージャの心得や、テストチームのあり方が書き綴られています。テストに携わる人にとっては、普通に読み物としても面白くてためになる内容です。

 わたしが最も心を打たれたのは、「1.5 行動規範」の章に書かれていた言葉です。

「認定されたソフトウェアテスト担当者は、生涯その専門性を磨くための学習を続けるとともに、実践の場でも倫理的なアプローチを広めなければならない。」

 これは何もテストエンジニアに限ったことではないと思います。わたしはテストエンジニアである限り、資格取得や勉強会といった活動にチャレンジしていきたいと思います。

■試験当日、思わぬところでWACATEの経験が生きた

 さて、試験当日。

 試験問題には、用語の意味を問われる問題だけではなく、「あなたは○○システムのテストマネージャです」とシチュエーションが提示され、テストに関するあらゆるデータを見ながらチームがどういう状況か、またチームが抱える問題を解決するためにマネージャとして何をするべきか、などを問われる問題も多くありました。

 シチュエーションの問題は、確かに実務経験がないと難しいかもしれません。わたしも実務経験はそれほどありません。しかし、よく参加しているワークショップ「WACATE」で似たような問題に何度か取り組んだことがあったので、それほど苦手意識を感じることはありませんでした。実務でリーダー経験を積むことが難しいという方には、ワークショップに参加することをおすすめしたいと思います。

 試験時間の180分をめいっぱい使って挑んだ今回の試験、手ごたえはまあまあといったところです。気になる合格発表は試験から3ヶ月以内とのことなので、遅くとも11月下旬までには合否がわかります。結果はいずれコラムでお伝えしたいと思います。

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