テストエンジニア時代の悲喜こもごもが今のわたしを作った

セミナー報告会を開きました!(セミナーに行ってきました! 番外編)

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 こんにちは、第3バイオリンです。

 以前のコラムでセミナーに参加したことを書きました。そのときのコラムの結びに「報告会の模様も追ってレポートしたいです」と書きましたが、先日やっと報告会を開催することができました。

 今回はセミナー報告会の模様をお送りします。

■まずは報告書の作成から

 わたしの会社では、セミナーを受講したら2週間以内に報告書を提出するという決まりがあります。報告書にはセミナーの概要説明だけでなく、受講者(わたし)がこのセミナーで何を学んだか、学んだことを業務にどう生かすか、社内にどう展開するつもりなのか……といったことを書きます。

 そうして完成させた報告書をまずは直属の上司である課長に提出します。その後、報告書は部長→総務部長→社長という順番で社内を回り、最終的には課長と部長のコメントが入り、総務部長のハンコが押された状態でわたしのもとに返ってきます。それと同時に、社内向けポータルサイトに掲載されて社員全員が閲覧できる状態になります。

 わたしがセミナーの報告書を書くのはこれがはじめてです(セミナー初参加なので当然ですが)。もちろん、報告書のフォーマットはありますが、セミナーで学んだことをどこまで細かく書けばいいのかわかりません。書いているうちにどんどん専門的な内容に踏み込んでしまい、あっという間に行が足りなくなってしまいました。

 そこで「最終的にこれを読むのは総務部長と社長だ。あまり専門的な説明は求めていないはず」と気持ちを切り替え、細かい部分は全部省略して、何とか指定の行数に収めて提出しました。

■評価部署内への報告会

 報告書の提出後、しばらくは仕事に追われて報告会は「まだ先でいいか」と思っていたのですが、気がついたらセミナー受講から1カ月近く経過してしまいました。

 このままではいかん! と、まずは評価部署内への報告会を開催することにしました。これは社内報告会の前哨戦のようなものです。評価部署の社員はテストの基本的な知識があり、テスト技法の話題も好意的に受け止めてくれます。つまり評価部署内の報告会がうまくいかなければ、テストに詳しくない人も参加する社内報告会がうまくいくはずがないのです。

 わたしは1時間の報告会の間に、とにかく聞いてきたことを全部報告したいと思い、2日間のセミナーの内容を無理やり押し込んだプレゼン資料を作成しました。

 その結果、参加者の反応は厳しいものでした。

 「結局、何が言いたいのかはっきりしない」

 「単体テストとか結合テストとか、すでに知ってること説明されてもねぇ」

 「セミナー資料には参考程度に書かれていることを何でわざわざ発表するの? さっき内容について質問したら答えられなかったよね?」

 ちょっと考えればわかりそうなものですが、2日間の講義と演習の内容を1時間で全部説明するのはあまりにも無理があります。やっぱり欲張りはいけませんね。

■社内報告会、でもその前に

 評価部署内の報告会のあと、先輩社員のひとりに呼ばれました。この人はわたしより10年以上先輩で、セミナー報告会の開催を何度か経験しています。先輩はわたしのプレゼン資料のコピーを持ってきて、わかりにくかった部分を具体的に伝えてくれました。そしてその場でプレゼン資料のレビューが始まりました。

 先輩がレビューで言ったことはおおかた次のような内容でした。

  • 限られた時間のなかでセミナーの内容すべてを伝えるのは無理なので、自分が本当に伝えたいことだけに絞って、あとは思い切ってカットする
  • わかりやすい説明のためには、説明の順番を入れ替えたり、社内で伝わる言葉に置き換えたりする配慮も大事。
  • セミナーの内容だけで不十分だと思う部分は、自分で調べるなどして補う。

 最後に先輩は言いました。

 「単にセミナーでもらった資料をなぞるだけなら、わざわざ報告会なんてやらなくても資料を回覧すれば済む話でしょう? 資料から得られる情報に、第3バイオリンさんがこのセミナーで何を学んだか、感じたのか、第3バイオリンさんだけの付加価値をつけてよ」

 この言葉に、はっと胸を突かれました。気がつけばレビュー開始から1時間以上経過していました。忙しいなかで先輩がわたしのためにわざわざ時間を割いてくれたことに感謝しながら、社内報告会の資料の作成に取り掛かりました。

■社内報告会本番!

 評価部署への報告会から1週間後、いよいよ社内報告会の日がやってきました。ノートPCにプレゼン資料を入れて、参加者の分の資料を印刷していざ会場となる会議室に乗り込みました。椅子を並べて、プロジェクターの電源を入れてからノートPCをつなぎ、プレゼン資料を開いてみました。そこではじめて、評価部署用のプレゼン資料を間違えて持ってきてしまったことに気がついたのです! 開始時間直前になって、ノートPCを抱えて自席に駆け戻る羽目になりました。

 開始直前にバタバタしてしまいましたが、発表の方はうまくいきました。プレゼン資料の内容はセミナーの演習の説明に絞り、テスト技法について順番を追ってゆっくりと説明することができました。演習でわたしが感じたことも伝わったと思います。

 しかし、最後の質疑応答で、開発担当の参加者からこんな突っ込みが入りました。

 「なんか、ブラックボックス寄りだよね。ホワイトボックステストのノウハウは何かないの?」

 わたしはセミナーの資料をめくり、説明できそうなことを探しました。ようやく質問者が満足できそうな内容を見つけましたが、図を見せながらでないと説明しにくいと感じました。説明を諦めようとしたそのとき、気がつきました。

 「あっ、間違えて持ってきた評価部署用のプレゼン資料に図がある!」

 すぐにそちらの資料を開き、図を見せて説明したことで質問者も納得してくれました。まさに「禍転じて福となす」です。

■他の人の報告会を見てみたい

 今回はなんとか無事に報告会を終えることができました。いろいろな部署の人が時間を作ってわたしの話を聞きにきて下さったことに感謝しています。

 自分で報告会をやってみた後で、今度は他の人の報告会に参加してみたいと思いました。もっとプレゼンがうまくできるようになりたいのです。それには、他の人の報告会を見てみるのが一番です。今まではセミナー報告会の案内が来ても「忙しいから」と参加せずにいましたが、次におもしろそうな報告会の案内が来たら、時間を作って参加してみます。

Comment(2)

コメント

インドリ

社内報告会大変でしたね。
私はプレゼン系かなり苦手なので想像して冷や汗をかきました。
でも、よい先輩のフォローもあって色々学んだご様子。
またこの話題を楽しみにしています。

第3バイオリン

インドリさん

>社内報告会大変でしたね。
自分が「伝えたい」ことを「伝わる」ようにするのは大変でした。
けれど、いい経験になったと思います。

>でも、よい先輩のフォローもあって色々学んだご様子。
そうですね。
この先輩は私が開発をやっていたときからずっと同じ課で、
評価部署にも一緒に異動してきた人なのです。長い付き合いです。
私が社会人1年目で仕事に行き詰っていたときに会議室を取って
私の話をじっくり聞いてくれたこともありました。

私のプレゼン資料のレビューをしてくれたのも、彼にしてみればボランティアのようなものです。
報告会ひとつとってみても、いろいろな人に助けられて成り立っているんだなあと改めて実感しました。
いつかは、私が得たことを後輩たちにも伝えていきたいです。
(その前にコラムの読者のみなさんに伝えました。独り占めはもったいない!)

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