新情報処理試験に勝つ(5)
■論文試験に勝つ(2)
本番試験が間近に迫った。皆さんの下書き論文作成の状況はいかがであろうか。まだ、これからという方も諦める必要はない。秋向け対策の最後として「これからでも間に合う対策」を述べておきたい。
■これからでも準備できる……設問ア「情報システムの概要」
設問アの出題は、「あなたが携わった情報システムの概要」と「テーマの状況」がほとんどだ。後ろの「テーマの状況」部分は何が出題されるか分からないので試験場での対応とならざるを得ない。
しかし、「情報システムの概要」部分は設問アのテーマが何であっても、準備した下書き論文を記載できる。逆に言うとこれから準備することも可能なのだ。
設問アは「800字の記載」が必要だが、本番まで分からない「テーマ部分」は200字程度で記載することとし、「情報システムの概要」を事前準備として600字で記述することをオススメしたい。
600字といっても見出し「××システムの概要」で1行25字とるため、実際は575字を目標に下書き論文を作成する。システムの概要で記述できる内容は、
- システム化の背景
- システム化の目的
- システム構成:ハードウェアやソフトウェアなどの構成
- システムの機能
- サブシステム構成
- システムの状況
など、記載の内容のネタは思ったより多い。
575字(25字×23行)を目指し幕の内弁当のように多くの内容を盛込んで欲しい。まずは、自己紹介するとよい。採点者は論文を読むにあたって、論文記載者がどんな人か、関心を持って読み始めるので「わたしはこのような人」を、先手をとって述べるのである。
また、サブシステム名を箇条書きで記載するのもよい。記載にあたって「システム企画書」の記載事項も参考になる。
設問アは家でいうと玄関にあたるので、ここが整って記載されているメリットは大きい。時間が余れば、「出題テーマ」を想定し、200字で「テーマの状況」について記載練習をしておくとよい。
■設問イ……わたしの工夫
設問イは、テーマに付随してわたしの工夫を述べさせるものだが、いきなりわたしの工夫を記載するのは避けたい。まず、これまでの開発・運用にあたっての考え方、例えば
- リカバリのテストを実施しておくべきだ
- ユーザの参画は非常に重要だ
などの経験に裏打ちされた「あなたの意見」を「問題意識」をとして主張することだ。
その上で具体的な「わたしの工夫」として実施した内容を記載し、展開するのだ。実際に実施したことをアピールするためには、
- 「なぜわたしの工夫」を思いついたのか
- 実施にあたって支障はなかったのか
- どうやってそれを克服したのか
などを記述していくことだ。
わたしの工夫は、理論的で優れたものである必要はなく、「毎朝のミーティングの実施」などの些細な内容で十分なのだ。
■設問ウ……わたしの工夫の評価と今後の課題
設問ウは「わたしの工夫の評価」と「今後の課題」であるが、見出しをつけて記載したい。600字以上の記載が必要だが、見出しだけで2行(25字×2)になり、記載は550字で最低ラインは突破できるのだ。
「わたしの工夫の評価」であるが、「自分の評価」、「ユーザの評価」、「上司の評価」、「自社の評価」など、各種評価を考えて見るとよい。「今後の課題」は、現在担当していない状況では、ヒトゴトで評論家のような記述に陥りやすいので注意が必要だ。
簡単に設問ア~ウの記載のポイントを述べたが、本番試験で受験者の皆さんの健闘を心から願っている。
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論文試験に勝つ(2)終わり。