システムオーディタ川辺によるキャリアアップを目指したIT資格取得に関するコラム

マネージャ、ベテランIT関係者に贈る! 学ばない午前I対策

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1.論文のある情報処理技術者試験目指して(3):午前Iにパスするために

 そもそも論文のある情報処理技術者試験合格を目指すには、「午前Iに合格しなければならない。それが難しいのに!」との意見をいただきました。論文記載の話なのに脱線してばかりですが、今回は「午前I試験対策」について考えてみたいと思います。

 午前I試験は、高度情報処理技術者試験に共通に実施される試験です。23分野から30問が出題され、ア~エの4つの選択肢の中から「適切なもの」、「誤っている」などを選択して解答する試験です。

 何せ、23分野、1.基礎理論、2.アルゴリズムとプログラミング、3.コンピュータ構成要素、4.システム構成要素~22.企業活動、23.法務、数が多いうえ、範囲が非常に広い。なのに、全体で30問なので分野を学習してもそこからの出題は1~2問のみ。合格ラインは60%以上が合格ですが、学習意欲がそがれるのも無理はなく、諦めている方も多いようです。以前は公認会計士がシステム監査技術者試験を目指すケースも少なくなかったのですが、「午前Iが23分野になってからは合格する気がしない」の声を複数の公認会計士から聞いています。 

 現実的には、論文のある情報処理技術者試験を目指す方はマネージャやベテランの方が多いと思います。私が関わった企業ではほぼ全員が40歳以上といった具合でした。そして、皆さん口ぐちに、「いまさら2進法!、勉強する気になれない。する気もない」とおしゃるのです。

 また、IT企業の教育研修担当者は、インストラクターを兼務している場合も多く、ご自身が論文のある情報処理技術者試験合格者であるケースも多く、

 「IT企業なんだから、午前は自力で合格してもらわないないと困る」と、私への研修依頼も「論文対策や午後対策」のみのケースが圧倒的です。

 そして、午後対策、論文対策を実施させていただきますが、結果は多くの方が午前Iでつまずき、不合格のケースも少なくありません。最初の「午前I合格、それが難しいのに!」、そのとおりです。論文のある情報処理技術者試験に合格するために、「午前I」は避けてとおれない第一関門です。

2.通ればよい午前I対策、なるべく学ばない午前I対策

 もちろん、午前Iを真面目に学習したいと思う受験者もいると思いますが、ベテランSEやマネージャは「午前Iは通りさえすればいい」、「午前Iではなく午後Iや論文に力を入れたい」が本音と思います。

 実は、午前I共通で出題される30問は、応用情報処理技術者試験の午前80問から30問が出題されています。その結果、午前I共通の参考書の多くは「応用情報・高度午前I共通」として出版されています。応用情報処理試験の受験者と高度受験者双方を取り込むためです。

 
 応用情報処理技術者試験の受験者は、基本情報処理技術者試験合格者が大半です。IT企業の場合、基本情報合格が採用条件のケースもあり、新入社員の場合も少なくありません。学生時代から社会人になり、今後を踏まえてコンピュータサイエンスを体系的に学習したいと考える方も多いのではないでしょうか。

 事実、応用情報処理技術者試験の参考書は23各分野の記載項目を全般にわたって丁寧に解説したものが多く、ぶあつい参考書が多い状況です。出版社編集者からも「読者は厚い書籍を好みます。1円当たり何頁の参考書か計算する読者もいます」という話を聞いたことがあります。

 ぶ厚い参考書、マネージャやベテランSEに必要でしょうか。 

 私の意見は、不謹慎とお叱りを受けるのを覚悟で、「午前Iは通ればよい、なるべく学習しないと割り切りましょう」、そして「そのエネルギーを午後I記述式、午後II論文対策に振り向けましょう」です。

 極論ですが、午前I試験30問はア~エからの選択ですので以下の方式はいかがでしょうか。

  • 分からなかったら「ウ」と解答する
  • 「ウ」でないことが確実だったら、「イ」と解答する

といった方式は、ア~エの解答が平均的に出現するなら、30問の25%で7~8問は正解。

 30問から7~8問を引いた残り22~23問のうち、10~11問の正解を勝ち取れば、つまり正答率50%で午前I共通クリアです。

 重要なことは、「学習する気が起こらない、する気になれない」から「これなら合格できそうだ!」と発想と転換することだと思うのですが、いかがでしょうか。

 コラムに合わせて合格を目指し「学ばない午前I対策」を企画しました。
http://www.intergideon.com/newken/gozen1common.html

                  論文試験合格を目指せ(3)終わり
                                  川辺良和

 

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