新卒入社の会社は1年持たずに倒産。「流れよう流されよう」がモットーのエンジニア

ぼったくりタクシー事件からこれからのシステム開発を考える(前編)

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 2012年1月23日月曜日、都内は大雪に見舞われた。年が明け落ち着いた時期の、その日の出来事。

 旅行からの帰り道、空港リムジンバスにて最寄りターミナル駅へ。そこからぼくの家までは電車で2駅。しかしたどり着いたらそこは雨降り。スーツケースもあるし、ベビーカーの幼い子どももいるしとタクシーを使うことに。手を挙げてタクシー止めて。若い運転手だ。

ぼく)「トランク開けてください」

運転手)「はい」

 しかし運転手は荷物を積みに降りてこない。大抵は降りて積むのを手伝ってくれるのだが……。サービスだからこういうこともあるものかと、車に乗り込む。

ぼ)「○○町の□□まで」

 うちの近くに有名な施設があるせいか大概はこれで通じる。が、

運)「どこですか?」

ぼ)「(施設名)のそば」

運)「はぁ?」

 おいおい○○町は同じ区内だが……。住所を番地まで言う。

運)「ナビ設定していいですか?」

ぼ)「いいですよー」って今メータースタートさせてなかったかぃ?

 番地を設定しながら

運)「AB駅の近くですか?」

 あ、知ってんじゃん。

運)「なら兎通り(仮称、以下同じ)でよいですか?」

 うんオーケー。ナビの設定途中だけど走り出す。いいのか?

運)「言ってもらえればその通りに走りますので」

 どっかで聞いた台詞だ、嫌な予感。早速兎通りに向け右折、と思いきや

運)「この時間帯は右折禁止なので一旦左折して戻ってきます」

ぼ)「あ、そうですか」早く言えよ。と300メートルくらいロス。

◇◇◇

 妻に「雨強いから車付けの方にしてもらおう」と提案。うちのマンションは建物表裏と2か所入り口がある。

妻)「ならば、羊通り回りの方がいいんじゃない? でも過ぎちゃったし」

ぼ)「いや、まだだと思う」

ぼ)「運転手さん、羊通りまだ過ぎてないですよね?」

運)「はい」と別ルートに進路変更。

ぼ)「で、HS駅のところを右折してください」

運)「HS駅?」

 HS駅を知らない!?ふたつの路線が交差する乗換駅だけど……。しかも区の名前も付いているし……。ってAB駅を知っててHS駅を知らない? わけがわからない。

運)「(それって)麒麟通りですか?」あ、そうだそれそれ。

ぼ)「その通りを右折で、HS駅があるから」

◇◇◇

 ……って過ぎてない? しまった! 麒麟通りでなくって象通りだった。この2つは並行して走っているのでよく間違える。通り過ぎてしまった。象通りに戻らなくては。

ぼ)「えっと右に曲がる道あったら入って! あ、前のタクシーの後ついて!」

 抜け道である細い道へ入る。

ぼ)「で、左折してすぐ右折!」

妻)「(じゃなくて)直進して左折して右折して! そのほうが早いっ」

 直進して左折……しないで通りすぎストップする。

妻)「させつぅぅー!」

 振り上げた妻の拳がぼくへのパンチへ。痛いっ!

運)「……ここは左折禁止です」

ぼ)「だから左折で広い道出ればよかったんだよ!」(以下略)と夫婦喧嘩に。

運)「Uターンします?」選択肢他にあるのか? ぉぃ。再び走り出す、が。

運)「ここそろそろ(施設名)ですが」

妻)「ちがうぅ! まだ! その先の赤い看板のところを右!!」

運)「ここで止めて降ろしていいですか?」

妻)「邪魔になるからダメ!!駐車場の出入り口ぃぃ!!!」

 ってわざとやってない? いつのまにか(施設名)知ってるし。

 やっとついた。メーターはいつもより500円ほど高い。回り道もしたしUターンもしたし何よりもグダグダだったから値引きあるんだろうな。

運)「メーターはXXXX円です」

 あーそうですかそうですか。全額請求しますか。まー、君ならやるかと思ってはいたけどね。もう何も言えず言われるまま払う。ここは日本の東京だったはず。しかしどこかしらない国に来た異邦人の気分。狐につままれるとはこのことだろうか。

ぼ)「トランク開けて」

運)「はい」

 やっぱり積み下ろしに来ない。というか今までの流れで来るはずがない。雪混じりの雨のなかずぶ濡れになりながら、スーツケースとベビーカーをひとり下ろす。悔しいのでトランクを開けたまま後にした。精一杯の無言の抵抗。後ろをちらっと振り替えると運転手が降りてきてトランクを閉めていた。緩慢な動作にて。

 せっかくの家族旅行が最後の最後で台なしになった。しかも余韻を楽しむはずのところで。旅で良い気分になってたとは言えお人好しすぎた。妻からはエエ格好しいとなじられる。

 タクシーってこんなものだったのか? ホスピタリティのホの字もなく、最初から主導権を放棄し、言われたままに走り、それによって生じたミスを顧客に全て転嫁するのがタクシーだったか? あまりにも常識とかけ離れたことが起きたとき人って唖然として何もできないものだ。値引きどころか謝りの言葉の1つも、ない。

 今まで乗った中でダントツ最低のタクシー。怒りおさまらずクレームを。(続く)

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