今年の抱負は「見守り隊」(シリーズその7)
さて前回は、大晦日でしたかね、IT技術者というのは絶滅危惧種であり、開発構築フェーズも保守フェーズもSEはいらなくなってくるでしょう、みたいな話を書きました。
遅くなりましたが今年の抱負は、草葉の陰からIT業界の動向を見守ることとさせていただきます(笑)。
その理由は...先日ちょっとだけ書きましたが、
例の汐留の大きな会社の過労死の問題で、ついに「書類送検」などというインパクトのあるワードが飛び交うようになり、マスコミでも今まで以上に取り上げられ、やっと?ついに?これまで以上に世の中が時短に向けて動きそうな気配です。
遅っ...
さてこのIT業界ですけども。
この国が(おそらく「仕方なく」)重い腰を上げようとしている中、IT業界だけ慢性的な長時間労働やハラスメントに対して知らぬ存ぜぬを決め込むや否や?
あるいは相も変わらずその場しのぎの責任逃れで、幕引きする(したように見せかける)のか否か。
なんせ長時間労働といえばIT業界です。トップランナーですからね(苦笑)。
この世の中の時短への流れをただの一過性のものだと信じたい人間が多数いて、なんとかやり過ごそうとしています。ワーカーに長時間労働してもらわないと困るヒトタチがたくさんいるんです。実は。
「長時間労働してもらわないと」すなわち、「生産性が低いままでいてもらわないと」
多重請負問題も根本的なところではまったく解決してませんからね。うま~く骨抜きにされてしまいました。そういう対応がうまい人たちがいるんです(苦笑)。
同じようにこの問題についても、なんとかして骨抜きにしてやろうと舌舐めずりして待っているようです。
◆
でもまあ、同情の余地は多分にあって...なぜ慢性的な長時間労働になってしまうかというと、慢性的にトラブル対応してるからなんですよね(苦笑)。あとは顧客からのエンドレスな依頼や、改修対応。
営業さん頑張っちゃうから...(悪い意味で)
でも、なんで慢性的にそうなっちゃってるかといえば、そういうシステムをつくってしまったほうにも多分に原因があったり(苦笑)。
顧客のサービスが24時間365日のクリティカル運用を求められるのであれば(社会的にその必要があるかどうかはさておき)、システムを止めない、そしてもし止まってしまったら死ぬ気で復旧させる、というのが「聖域」になります。
「お客様(のサービス)は神様です」からね。
でもまぁ...システムってふつう、止まりますよねえ...
いや、止まるというか、レスポンス低下が多いんですよね。顧客の「つながらない!」「つながりにくい!」の大合唱が始まる...
レスポンス低下もお客さんの定性的な印象でいえば、すぐ「つかえない」認定されちゃうんですよね。
◆
SEもすわ、障害!となると頑張っちゃいますから、まんまとそこに付け込まれます。
深夜のトラブル対応は、稼働時間的にはなんとなくなかったことにされてしまいます。代休もなかなかとれないですし。
これぞまさしく「サービス」残業(苦笑)。
聖域ですから!
このあたりの聖域が今後どうなっていくか、息を潜めて(苦笑)観察していこうと思います。
◆
これだけ、変わるための外圧(良い意味での)がかかっているにもかかわらず、ここで変われなかったらこの業界、もうおしまいだとは思うのですが(爆)。
でも間違いなく変われないでしょう。それも、見えている。
このまま変われないとどうなるか? 当然、良き人材が流入しなくなってきます。そして良き人材は流出していきます。
今でもすでに人材難にはなっていますが、今まで以上に進みます。
当然単価も安くなっていくでしょうし...ジリ貧ですね。
◆
なぜ間違いなく変われないとわかるか?というと、世の中のトレンド的には潮目にあるにもかかわらず、IT技術者自身が当事者意識を持つトリガがないからです。
おそらく当事者意識は自分で意識して持つものだという意識すらない。
当事者意識すらも誰か、あるいはどこかが与えてくれるものだと思っている人間がほとんど。つまり他人事です。
そういうマインドの方が多数派のうちは、このままです。
たとえれば、いわゆる「ゆでガエル」の二歩手前ぐらいなのですね。熱湯かけられたら「あちっ!何すんだよ!」となるのでしょうが、ずっと43.5度の温泉に入らされていたようなものですからね。
湯あたりするかのぼせて頭痛がするぐらいなので、死の恐怖までは感じないのです。
◆
当事者意識を持つにはどうすればいいか?
上述したように、IT技術者が「生産性が低いままでいてもらわないと」困る人たちが、たくさんいるんです。
このIT業界の内外に、います。
なので、まずそういう人たちが存在するということと、自分がそういう人たちの思うがままになっているということに自覚的になるということですね。
なんだか本題に入ってないのにこんなに長くなってしまった...(苦笑)
いつものことですw
次回に続けます。