閑話休題(3):頑張ろう40代 年寄りって自慢話多いですよねー(苦笑)
ひとつの例を挙げながら、徐々に自分が書きたいことを展開していきたいと思います。
◆
私の同世代のエンジニアって、とにかく自慢が多いんです。ほら、この時点でもう年寄りでしょう(笑)。
あとは文句も多いんですけど(苦笑)、それはおいおい書くと思います。世の中のお年寄りって、好々爺なぞほぼ絶滅しかけていて、だいたい文句ばっかりいってるでしょう? それと同じです。
で、どういう自慢かというと、何億円の大規模プロジェクトに「携わった」とか、一般ピープルでもうっすら知っている世の中のなんとかシステムを「つくった」とか(まるでオレがつくったぜ、みたいな)。
プライムベンダーの立場で(商流的にはそのアンダーだけど)、お客さんと丁々発止のやりとりをしたぜ、とか。上流工程で進言して仕様変えさせたとかなんとか…
そりゃあ、20年この業界にいれば、そういうこともあるでしょう。逆になきゃおかしい(苦笑)。
あとは得意の「二徹、三徹は当たり前だったな~(遠い目)」っていう… はいはい、わかりましたー、と。
◆
で、私が問題視したい(こだわりたい)のは、大規模プロジェクトに、どういうふうに「携わった」かなんです。
多くの年寄りエンジニアは、ムキになって、オレは大規模PJにおいて「その他大勢」ではなかったのだ、PMを張るまではいかなかったがいちおう準主役だったぜ、みたいな、そういう主張をします。
運用フェーズであれば、日本のインフラを揺るがすような(笑)大規模障害が発生してその復旧で陣頭指揮とったぜ! とか。
なんか、似てるでしょう? 年寄りが酔っぱらうと必ずはじまる「オレも昔はワルかった」「かなりアソんでた」「●●でブイブイいわせてた」みたいな、ね。
まあそれはいいとして(笑)とにかくリーダクラスだったぞと。けっこう大勢の若手束ねてぐいぐいプロジェクト引っ張ってたぜと。
まぁそこまではわかりました。別に疑ったりはしません。本当にそうだったのでしょう。
でもアナタはたぶん、TL(チームリーダ)ではあったかもしれないが「PL」ではなかったはずなんです。
◆
(インフラのたとえで話を続けます)たとえばNWエンジニアであればNWチームのリーダだったにすぎないのです。つまり、NWというプロトコルで会話できる人たちだけを束ねていたんでしょう?と。
私がこだわりたいところ、私が認めるリーダ(PL)っていうのはすべてのインフラの技術要素を束ねる(ことのできる)リーダということです。(サーバ、ストレージ、NW、DB、あとはコロケとか)
で、PMっていうのはPJ全体ですので、AP側も束ねられる人です。(あくまで私の考える漠然とした定義です)
TLは、同じプロトコルをしゃべれるヒトしかコントロールできないし、そういうヒトしか選びません。はっきりいってしまえば特化しすぎていて他を知らないんです。知ろうともしないんです。そして、特化することに価値を感じる人たちなんですね。
私のあまり好きでない、悪い意味での職人気質(職人根性)なんですねそれは。
◆
おそらく、それが何が悪いのか?という反論はあると思います。ぜんぜん、悪くはないのだと思います。
同じプロトコルをしゃべれるヒトしかコントロールできなくとも同じプロトコルをしゃべれる集団でさえあれば、ガンガン引っ張っていくことができるのでしょう。自分がもっとも得意なフォーメーションにするために、メンバーを選別するのでしょう。職人集団とはそういうものです。
でも正直、ここ10年ぐらい、ずっと「絡みづらい」「扱いづらい」と感じていました。そういうヒトたちに対して。
同じような感情を私は、運用フェーズの運用SEリーダに対しても持っています。なんか、絡みづらい…会話がどうも、かみあわないというか。
だから、私個人は、そういうカテゴリの方々に対して決して良い印象を持っていません。ので私の場合どうしたかというと、実は残念な結論なのかもしれませんが、なるべくそういう方々と一緒に仕事しないような方向にシフトしていきました。
でも、IT業界の多くの方は仕事や案件を選ぶわけにはいきません。どのPJに入っても必ずそういう類の「絡みずらい」「扱いずらい」方がいて、そういうヒトたちをなだめすかして、束ねていかなければなりません。その過程で、莫大なストレスがたまります。
多くの有能なヒトたちがこの業界を去っていく原因のひとつは、そこです。
◆
でも、(私の考える意味での)PL、PMは違いました。それなりに大きなPJでPL、PMを張れる人で絡みづらい人はほとんどいません。逆にいえば絡みずらい人はこの仕事はできないのです。ステイクホルダーと調整とかゼッタイできないんです。
インフラエンジニアは広く浅くじゃダメで、狭く深くでもダメで、まずはそれなりに広く、そしてやや深く以上じゃなきゃダメなんです。
それが、私の持論です。そういうヒトが生き残っていける。
いや、「狭く深く」にこだわり続ける年寄りエンジニアも、下流工程でずっとこれからもニーズはあるでしょう。でも、それは「労働者として」ということになると思います。
昔から、エンジニアは技術職ですので時給が高かったのですが、これからの時代大丈夫かな?と。IT労働者の時給はもうすぐ暴落していくんじゃないだろうか?と危惧しています。
◆
また長くなってしまったので… 今回の話とコミュ力との絡みについて、次回書きます(たぶん)。