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健康について第66回 本当の健康法とは(6) 挨拶

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 お世話になります。龍澤と申します。

 引き続き、「本当の健康法とは」(「健康について」最終章)について、焦ることなく、少しずつエンディング(大団円)に向けて書いていきます。

◆前回導き出された結論(※すべて、重要です!!)

  • エンジニアの方々が元来持っている「誠実さ」を周りにアピールする。なぜなら、周りは誠実な人と仕事したいと思っているから。味方を得るためには照れる必要なし。
  • 性格が悪い(と周りに思われる)のは致命的(すべてが無駄)
  • すでに退路は絶たれたものと考えて、自分の仕事の生産性を意識して上げていく。「今」の仕事に全力であたる、ゲーム感覚で。
  • 常に謙虚であること
  • 何歳になっても「素直」であること(※従順とは違います)

 前回「挨拶」についてスピンして書き始めましたので、今回はさらに掘り下げてみます。

 「挨拶」の具体的な手法ですが、「挨拶は身を守る鎧である」とは、故百瀬博教さんの言葉だったか……良い言葉ですね。そのとおりだと思います。

 挨拶はスキルです。挨拶スキルを磨くことにより、「身を守る」、つまり、不当に左遷されたり、肩たたきに遭ったりすることを予防できます。

 クビはオーバーかもしれませんが、例えば複雑にステークホルダが絡むプロジェクトにおいても、挨拶スキルによって「(少し悪意のある)嫌がらせ」(⇒質問してもなかなか回答がこない、依頼しても品質が悪い、火を噴く予兆に気付いていても教えてくれないなど、プロジェクトに携わったことがある方はだいたい経験されていますよね)を軽減させたり、予防することができます。

 つまり挨拶とは、周りを味方にして、周りが自分を守ってくれるようにするためのものです。

 ただし、以前書いた「組織の同調圧力に逆らうべきではない」という話に関連しますが、挨拶スキルは少しずつカイゼンしていく必要があります。

 突然変わるのは得策ではありません。翌朝からいきなり「オハヨウゴザイマス!」のポジティブ・ビジネスマンになってしまうと、周りも「なんだなんだ?」とウワサになってしまうので……

 最初から、「アイツ、上司にゴマすろうとしている」などという悪いウワサを立てられてしまうと、リカバリに余計な負荷がかかります(ホント、そういうウワサ立てるのが好きな人っていますよね)。

 じわじわと。目立たぬように少しずつ、です。

 とにかく当たり前のことを当たり前に行うこと。小さな声でもよいのです。当たり前のことを当たり前のようにやれるようになることこそが、「スキル」なのです。

 まず大事なのは、コール&レスポンスですね。朝、「おはようございます」と声をかけてくれた人には「おはようございます」と返す。夜、「お先に失礼します」という声が聞こえたら「お疲れ様でした」と返す(「おつかれ~」や「おつかれっす~」などのくだけた感じでも、相手を選べば問題ありません)。

 とにかく、声をかけてくれたら100%返すということ。それだけなんです。もちろん、適当に返していてはダメです。小さな声でもよいので、誠意をもって対応するのが大事です。

 こういうことをあえて書いているということは、皆様御存じのとおり、声をかけてもガン無視する人がIT業界には少なからず存在するということです。

 コール&レスポンスの一環ですが、何かしてもらったらお礼をしっかりする。これも当たり前のことですが、100%やらなければなりません。

 まずは、とり急ぎメールでお礼を申し上げる、でも構いません。何かしてもらったら、「感謝の気持ちを相手に分かるように伝える」を100%実施しましょう。独りよがりではダメです。自分が感謝しているという事実が相手に伝わった、と感じられるところまでです。

 具体的な返礼をする(例えば、モノをいただいたらモノで返すとか)のを100%にするとなると、またハードルが上がりますが、それはまた次のステップで考えればよいです(イヤミなく返礼するというのは相当なスキルです)。

 何かしてもらったら、の「何か」とは、ビジネスで便宜を図ってもらった、とかでもそうですし、いつもコワモテの人とおそるおそる会話したら丁寧に答えてもらえたとか、サポートにメールを投げたらうれしい誤算で、すぐ回答メールがきた、とか……

 「何かしてもらった」に小さいも大きいも(金額的に、とかも)ないのです。また、立場も(客だから、とか下請けだからとか)関係ないはずです。何かをしてもらったらお礼を言いなさい、というのは、小さい頃に例外なく教わったはずです。

 ところが、そもそも「鈍感」といいますか……「何かしてもらっている」ことにすら気付いていないことが、あるんですよね。

 ノーマルな方であれば、何かをしてもらったと認識したら、お礼を言うことはできるのですが(できない方もいますけど……)。気付かないことにはどうしようもありません。

 特に、立場的に上の方が、下の方から何かされたときに、なーんにも気付かないことが多々あります。そういう人の下につくメンバーは、不幸ですよねえ。

 元請けと下請けの関係も、同じです。元請けの立場になると、下請けに何かしてもらっても「アタリマエ」と考える人が多い。ていうかほとんどの人がそうですね。

 元請けの立場でも、下請けの人に何か親切にしてもらったら、お礼を言わなければなりません。(それこそが「アタリマエだろ?」ですよね)そして、お礼を「しなければ」なりません。具体的に。

 下請けの立場の人は、何をしてあげても元請けから文句ばっかり言われる立場を、苦しいと感じてしまうかもしれませんが、自分らの方が人間的に優れている(だからほっとこう)という考えで、乗り切ってください。そして、無礼な人たちは立場がどうであれ、いずれ自滅してゆきますので大丈夫です(確実に!)。

 さて、ではどうするか? 周りから何かしてもらっているという事実に敏感になるためにどうするか、ですが、それは意識を変える必要があります。

 意識を変えるための手法は、前回まで書いておりますし、先ほど「前回導き出された結論」にも書きました。謙虚になること、素直になること、退路は絶たれたものと考えること……。

 これで、変わってきます。

 この3つは本当は、立場が上の方ほど、やらなければならないことなのです。

 それともう1つ重要なことですが、自分の機嫌を優先してはなりません。

 機嫌がふつう、あるいは良いときは、ほとんどの方は挨拶もできますし、お礼もできますし、ビジネスマンとしてふつうにふるまえるのですが、機嫌が悪いときは全然ダメな方が少なからずいるのです。特に、自分のことを職人的技術者であると自負している方に多いですね。

 そういう人を放置しておくと、図に乗って、1日中機嫌悪くしてるようになります。だって、そのほうが楽ですからね。自分の殻に閉じこもれるから。

 自分の機嫌によって自身の「品質」が乱高下する方が、IT業界には多過ぎるのですよね。周りから評価されるためには「安定感」は絶対条件になります。

 我々は、ビジネス・シーンにおいて、実はいろいろな人たちからいろいろなかたちでフォローを受けています。という事実に、意識を変えさえすれば気付きます。ちょっと気にしながら一日を過ごしてみてください。

 私が仕事させてもらっている現場では、始業時間1時間前に入ると、メンテナンスの方が掃除をされています。トイレを気持ちよく使えるのは、そして、それを含め仕事に集中できるのは、メンテナンスの会社の方々のおかげです。また、自主的に朝早く出勤されている方が、花瓶の水を替えたりしています。そういうのをみると、とても気分がよいです。

 それを、「それがヤツらの仕事だろ?」と考えてしまうのであれば、残念…… はっきりと口には出さずとも、そういうふうに考える方がIT業界には多いかもしれません。

 身も蓋もないことをいえば、サラリーマンの方は「給料をもらっている」という事実がありますよね。それを安いと思うか見あっていると思うかは主観ですが、「お金をもらっている」という事実(家族の生活を成り立たせるための究極のフォロー?)は厳然としてあります。

 それを、「それは会社の(社長の)仕事だろ?」と思いますか? 働いた分の対価が翌月、銀行口座に入っているのが当然と思いますか?

 実際、会社というシステムの中では、その会社が健全に機能しているのであれば当然のフローなのかもしれません。が、あからさまに「当然である」とは思わない方がよいと思います。

 挨拶の話はおおよそ終わりましたがもう少し、続けます。読んでいただきありがとうございました。

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