健康について第36回 「健康法」論
お世話になります。龍澤と申します。
第32回で「健康法」というものについて書きましたが、私的には少し言及が足りなかったと思っていますので、補足します。
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皆さまごぞんじのとおり、「健康法」はものによっては非常にグレーで、あやしいものです。なぜならば、とある健康法を広めようとする動機は、ほとんどが金もうけだからです。「皆を健康にしてあげたい」という純粋な動機からくるものではありません(健康に関する、星の数ほどある書籍も、出版の目的はほぼすべてが同様です)。
ダイエットであれば、体重が減ったりウエストが細くなったりと効果がわかりやすいですが、「健康になる」とは、いってみれば何も起こらないことです。たとえば定性的に「すがすがしい」とか「気分が良い!」とかそういう効果がすぐに出てくるのであれば、それもあやしい。恐ろしいリバウンドがあるかもしれません。
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健康法は、効果がある人とまったくない人がいて、それでクレームが起こったりしますが、人それぞれ育ってきた環境も体格も食習慣も生活習慣もまったく違うわけですから、効果がある人とない人がいるのが正しいのです。たまに劇的に効果が出る人がいるために、この人たちがたちまちエヴァンジェリストに豹変し、宗教的になってゆくのがタチが悪いんですよね。
あやしい健康ビジネスで暴利をむさぼっている方々はそのへんをよくわかっているので、そこをうまく突いてきます。世の中には間違った健康法が跋扈しています。多くは間違ったものだと思うのですが、「効果がある人とない人がいますので」とやられてしまったら言い返せない。
彼らのクレームに対するマニュアルはカンペキですので、こちらはカネを払ってまったく効果がなくても結局、泣き寝入りになります。
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それでも、間違った健康法により、現状維持ならまだしも、多くの人はより不健康になっていっているので、これを看過することはできません(たとえばわかりやすい例を挙げれば、自分の身の丈にあわない過剰なジョギング習慣により膝を傷めるとか、そういうことです)。
世の中のほとんどの健康法とは実は、長期的には身体を悪くします。なのですが、身体が悪くなって取り返しのつかなくなる頃には、何が原因かわからなくなっています。
昨今の、放射能汚染の身体への影響の議論と似ていますよね。20年後に、今の福島の子供たちに悪影響が出たのだとしても、誰も逮捕することはできません。
ただ幸いなことに、世の中のほとんどの健康法を長く試す人はあまりいない(だから、間違った健康法で身体を悪くする人は少ない)という……。
そもそもこの現代社会では、ぼーっと生きているだけでデフォルトで不健康になってゆきますので……。それに追い打ちをかけるように、間違った健康法により身体をもっと悪くしてしまったらたまりませんよね。自分の身体とはいえ、知りませんでしたでは済まないことです。
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身体が悪くなる原因は、生活習慣に問題があるわけですが(先天性の問題であれば子供のころにもう発症しているはずです)、自分の生活習慣に問題があると自覚している人はほとんどいません。でもそれは、世の中の「流れ」なので仕方がありません。ふつうにビジネスマンとして生きていれば食生活は偏りますし、睡眠不足にもなりますし、不規則な生活になります。そしてその傾向は、かつての牧歌的な昭和のサラリーマンの時代と比べて拍車がかかっています。
実際、それほど派手な生活をするわけでもなく、めちゃくちゃな食生活なわけでもなく、ふつーに暮らしている人がガンになったりします。
じゃあどうしたらいいんだよ! という話になるのですが、まずは、意識して自分の体調を良いほう、良いほうへ向けていかなければなりません。受け身ではなく、自分なりのオリジナルな健康法を積極的に見つけてゆくというスタンスが必要です。
♯このスタンスこそが自分の「健康法」であるといえます
ですが、健康健康! と目くじらを立てるとそれはそれでストレスがたまりますので、どんどん「間違った健康法」になってゆきます。そこが難しいところで、健康のためには「朗らかさ」はMUSTですからその基本線は常に忘れないようにしましょう。自分から笑顔が消えたなあと感じたらそれが要注意のサインです。
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長くなってきましたのでいったん切りますが、今回の結論としては、やはり必要なのは我々の「メディア・リテラシー」なのですね。
何回も書いていますが、バナナだけ食べていれば痩せられるとか、そういった、ふつうに考えればゼッタイに間違っているような健康法でさえメディアの巧妙な「洗脳」により多くの人間が手を出してしまいます。
とにかく、集団になびかないこと。自分の頭で考えること。結論はとても陳腐で使いふるされた言い方なのですが、結局これしかないのです。
読んでいただき、ありがとうございました。