言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

基礎を覚えたら次にやること

»

どの言語をやるにしても、本一冊分くらいをやり遂げるとある程度のことができるようになります。おおよそ仕事もなんとかこなせてしまうので、そこが終着点と思いこんで、継続的な努力を止めてしまう人もいるようです。本当は、そこが終着点ではなくスタートです。ある程度できるようになった時に何を思うかが、その先どうなっていくのかの分岐点になります。今回のコラムでは、あまり努力が好きでない人でも、この分岐点を上手く踏み台にできる方法を提案してみようと思います。

まず、本一冊くらいのことがこなせるようになったら、何回も同じことを繰り返してみましょう。新しいことを覚えるのが苦痛なら、何かを覚える代わりに反復練習をすることで、技術を体に馴染ませていきましょう。いちいち業務時間外に勉強する必要はありません。業務の合間の十分間くらいに反復練習をやってみましょう。そのくらいの時間であれば、ちょっと頑張れば一日三十分くらいは捻出できると思います。ちょっとした工夫をする時間すら捻出できないのであれば、仕事のやり方か仕事自体に問題があると思います。そういうレベルの視点から、自分の行動を振り返ってみましょう。

反復練習をすることで、同じ難易度のものでも少ないスタミナでこなせるようになります。コードを書くにしても、木刀で素振りをするにしても同じです。いちいち難解なものを覚えるより、少ないスタミナで多くの事がこなせる方向で努力をしていきましょう。そういう努力をすることで、仕事が相対的に楽になっていき、余裕が持てるようになります。歳をとって体力や気力が衰えたとしても、コンスタントに結果が出せるようになります。省エネの基本は反復練習です。退屈で刺激の少ない訓練ですが、やればやっただけ土台が固まります。モチベーションが低い人ほどお勧めできます。

ただし、モチベーションの低い人が反復練習をやると必ず飽きます。何等か目に見える変化を実感する必要があります。そこで次の一手は、同じ量の仕事を短い時間でこなせる努力というのをやってみましょう。具体的な手段としては、使用しているエディタや、ExcelやWordなどのツールに精通することです。こういう基本的なツールであれば、どこの職場でもある程度揃っています。そういうツールの操作を業務の合間時間を使って工夫していきましょう。地味なツールを使いこなせると、驚くほどコーディングの速度があがったり、思いもよらない閃きがあったりします。最新技術より、むしろ地味なツールの方が技術に彩りを与えてくれます。

省エネで迅速にコードが書けるようになると、時間や心にゆとりが生まれます。まず、そういう状態にならないと、新しく技術を覚えるような気になれません。収入アップやキャリアでモチベーションを高めるのもいいですが、何かせせこましくなって、余裕が持てないようです。物事を考えるにも余裕は必要です。余裕を確保するために一番良い方法は、自分の課題を自分で解決できるようになることです。それに必要なのは、省エネとスピードです。誰とも競争しなくても身に付けることができるので確実です。また、一定の努力で確実な結果が望めます。業務においては、最新技術よりも省エネとスピードの方が結果が出せます。最高にはなれなくても、最善なら思うより簡単に手が届きます。そのための手段として、省エネとスピードを身に付けることを提案してみたいと思います。

Comment(1)

コメント

ちゃとらん

> 業務においては、最新技術よりも省エネとスピードの方が結果が出せます。

御意!

コメントを投稿する