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仕事で突っ走らないために

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一人で突っ走るメンバーは、よく危ないと指摘されます。だが、リーダーの立場になると、結構突っ走っていたりします。よく見かけるのが、指示はするけどフィードバックは受け付けないタイプです。特に、SESで上下が厳格に決まっているような現場では、意見一つ言うのにも気を使います。自分が一方的に意見を言えて、相手は「Yes」で応えなければならない状況です。自分をよく見つめているような人でもなければ、自分の意見を振り回してしまうと思います。最近まで、「ITの現場には横暴な人が多いなぁ」と思っていましたが、よくよく考えると、このような状況におかれているため、横暴に振舞ってしまうのかもしれません。悪いのは人ではなく状況ではないでしょうか。

私の経験上、横暴な振舞をするのは、メンバーよりリーダー、リーダーよりプローパーやお客さんに多いです。自分を振り返ってみると、そのつもりがなくても横暴になっていたこともあります。上下関係を厳しくすることで統制が取りやすくなる半面、立場の上下が人を卑屈にしたり、横暴にしたりします。戦時中の日本はその典型だったと思います。それと似たような状況になっているのが日本の会社ではないでしょうか。戦時中の日本のように上下関係が厳しいと、立場の高い人の方が横暴になって突っ走ります。下の立場の人は、突っ走りたくても突っ走れません。ただ、上に引きずられます。

上下関係が厳しいことで「統制が取れている」という実感は確実に上がります。上下関係を肯定的に考える人は根拠はこの「実感」ではないでしょうか。もちろん、上下関係の力を借りて、タイトルのような仕事で突っ走ることを抑制することも可能です。ただそれはただの束縛です。仕事で突っ走ることを抑制できる代わりに、柔軟な発想力が殺されれます。また、考えずに従うことを強いられるので、作業を工夫する人もいなくなります。その結果、作業の効率が悪くなって組織の競争力が落ちます。統制が取れている実感というのが本当に厄介です。肯定されるべき状況のようですが、現場の可能性を潰しています。

もちろん、仕事で突っ走ると失敗をします。ただ、まったく走らないと仕事が進みません。ちょうどいいペースで走らせるのが理想です。今の世の中、丁度良い速度で走らせるのが難しいです。もともと競争を基軸に社会が回っているうえに、最近ではコロナ等の社会不安も募ります。「どうにかしなきゃ!」という焦燥感で、突っ走りたくなってしまいます。仕事で突っ走らないためには、精神的な安定が一番有効かと思います。現代の人は、仕事で駆り立てられることで精神的な安定を欠いています。普通の状態でもかなり突っ走っているくらいの認識でいた方が、判断を間違えにくいと思います。

仕事で突っ走るのは、社会的な流れなので止められないと考えています。一定数、必ず仕事で突っ走る人は出てきます。しかし、個々で対策をとることはできます。仕事をどうこうするのではなく、遊んでいる時間を大切にすることです。遊びは、上下関係で成り立つような甘いものではありません。自分で考えて動かないと楽しくなりません。遊ぶことの目的は精神的な豊かさの確保です。自分の足りないものを、仕事にばかり求めているから余裕がなくなるのです。仕事にやりがいや成果を求めすぎです。仕事でそれをやり過ぎると奪い合いになって競争で疲弊することになります。自分に足りないものは、遊びからも補いましょう。それが精神的な余裕に繋がって、仕事で突っ走らなくても済むようになります。

Comment(1)

コメント

おたみ

>指示はするけどフィードバックは受け付けないタイプ
結局その人も上司などにフィードバックを受け付けてもらえないのでそうせざるを得ない形になっているんでしょうね。

私は「無理なものは無理」とはっきり言う方なので、相手が板挟みになって悶々としている様をよく目にします。

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